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エッセイ2020年5月31日。唐突に夢より出ずる物語の断片。

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 昨日は丸一日休養していた。食事以外はほとんど眠っていた。

 ここまで寝付きが良いのも珍しい。眠っている間は混沌とした、しかし妙に心惹かれる物語を感じる夢を楽しんだ。

 バトルロイヤルものの世界観で、神々の住む天界へ古今東西、世界中の人間が召し上げられ、それぞれの強い願いと人類の存亡を懸けて闘うバトルファンタジーだ。

 夢を見ている間は脳の深い部分が働いているせいか、感情が激しく動く。気持ちが高揚し「これは作品に出来れば傑作になる!!」とワクワクしている。


 そして夢から醒めてすぐにメモを取ろうとするわけだが……何せ混沌とした夢なのでどう纏めたら良いのかサッパリわからない。どういう世界観で、どんな人物が中心で、どう構成されているのか。人間の深層心理から流れ出るものはドラマティックなものを多く含んではいるが、劇として完成されたまま出てくることはまず無い。混沌とした、ただ混沌とした構造材の断片が心に引き揚げられてくる程度だ。きちんと形にするにはやはり思考や意志、心を汲み取る必要がある。

 そもそも、どんな媒体で創り出せば良いのかもまるでわからない。


 ファンタジーな雰囲気で世界観=システムとして創るならゲームかも、と思ったが、ある程度完成してからでないと内容を公開するのが憚られる為(少なくとも、僕自身は)創作仲間などにも進捗を相談しにくい。

 何より、僕が深層心理から引き揚げてくる物語のようなもの……『物語の卵』とか『作品の魂の構造材』とか色んな呼び方が出来そうだが、そういうものは大抵壮大なスケールで浮かんでくる。大き過ぎて遠大で、完成するまでに何年もかかりそうなモノばかりなので、他の創作がお留守になるし、創作仲間に客観的な意見や感想を求めることも難しい。

 漫画ならどうか。せっかく大枚を叩いて買ったiPad ProとクリップスタジオEXをフルに活かして大量に作画するには十分だ。

 だが、やはり遠大な物語はそれだけでゴール地点を高く聳える崖でも見上げるような気分になり、焦りや自分自身へのプレッシャーに負けそうになってしまう。当然根気強く何年もかかる。無論他の創作も犠牲になる。創作仲間に見せて反応を見ることは出来そうだが、同人誌などにするとしても遠く、高い目標である。公開するスパンも長くなるだろう。

 ならば、一番手に馴染んでいる小説ならばどうか。

 これならば自分で創作の進捗など管理しやすい。見通しも見えやすい。ネットに細々と投稿し続ければその都度読んでくれる人はいる。小説大賞などにもエントリーのしがいがある。

 ただひとつ不満があるとすれば……バトルファンタジーという『闘争』が主軸の作品になりそうなので、やはり視覚的に訴える表現が損なわれがちなことだ。


 本当はそういう細々した思案を巡らせるより、好きに創作すればいいだけの話だが、いずれにせよ他の創作が犠牲になることは確実だ。今まで無秩序に、無責任に創作の媒体の幅を広げてきたツケかもしれない。


 未完のまま凍結する作品が増えることは作者である僕自身にとっても度し難いことだし、応援してくれる人にも失礼だ。途中で作品を放り出すことは不義理だと思う。

 漫画は『蓮実館の白い蓮』。小説は『創世樹』に『傾奇者ーKABUKIMONOー』。ゲームもヒーローものの作品につい先日述べたばかりの創作仲間たちに捧げるゲームもまだ途中だ。これらを放り出して新作に挑むのは、無節操にも程があるというものだろう。


 『楽しければそれでいいだろう!』


 そういう声もあるし、甘えたくなるのだが、作品はきちんと完結して初めて生命を持つものだ。生命として存在しないままの作品は出来れば放置したくない。


 よって、この夢から得たアイデアは当分保留だ。きちんと作品を完成させて展望が拓けてからやるべきだろう。全てが全て上手く行ってなくても、自分が納得するまでは諦めてはならない。


 湧いてきたアイデアを保留にするのも勇気が要る。『鉄は熱いうちに叩け』という言葉があるように、早く取りかからないと創作意欲が醒めてしまう気がするからだ。


 ならば、ぐずぐずしている暇は無い……と、そんな気持ちがまた
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