いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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29:ガム

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部屋のベットで心もとなく座っていると
マティスがドアをノックしてきた。
自動ではない。
「どうぞ」
と、声をかけると扉を開いて入ってきた。
扉は当然、砂漠石だが、斜めに溝を入れることによって透けることはない。

部屋を見渡して、箱とあの飴ちゃんの入った瓶を、
角に作ったデスクに置いた。

「簡単な部屋にしたんだな。
便所と風呂があんなに豪勢だったから意外だ。」
と、部屋を見渡していたが、鏡を見付驚いていた。
「・・・やはりすごい!こんな大きな鏡は初めてだ。」
「鏡の原理はなんとなく知ってたからね。石をうすくのばして銀を張ったよ」
「銀!!銀なのか?くわしくは知らないが、鏡は錫と水銀を使うと聞いたことがる。」
「んー?昔はそうだったのかな?時間がかかるって奴かな?それだとわたしも難しくて作れないよ。」
「え?こちらの方が簡単なのか?しかし、銀なんだろう?持っていたのか?」
「いや、量は少ないけど、砂漠の砂の中にあったよ?金も。
海が隆起して砂漠になたんなら結構な鉱石があるんじゃないのかな?
私の知識では金と銀、鉄、銅、くらいしかわかんなかったけど。」
「・・・すごい知識だな。」
「ふふ、すごくはないのよ。漠然としかものを知らないから、
あとは不思議石大先生がうまいことしてくれる。
石鹸みたいに、油と苛性ソーダかな?
その苛性ソーダってのかなにか知らないから作れない。灰汁?強アルカリ?
知らないから作れないってブレーキがかかる。
でも、漠然としたものなら想像力の結果と石様様があればね。」
「それもすごい。」
「うん、すごいね。あ、毛布も持ってきてくれたの?
ありがと。絶対的に布がないよね。ドテラも掛け布団になったよ。
ある意味本来の姿に戻ったんだけど。」

あの血の色の上着が寝床の上にあった。
本来?上掛けを着ていたのか?

「あ、これがガムだ。口に入れ数回かんで吐き出せ。」
小さな紙も一緒にくれた。エチケットだね。

小豆ほどの豆を1つくれたので、口に入れかみしめる。
舌先に触れた瞬間苦みが広がる。仁丹?
「にがい・・・」
「ちゃんとかめよ、右と左で。薬草と樹脂を固めたものだ。
唾液ととけあって、口の匂いを取る。苦みが気になるようだなら、後でこれを舐めればいい。」

ん?歯を磨いた後に飴ちゃんたべたら虫歯になるよ?
シュガーレス?
「?この飴って何でできてるの?」
「なにって砂糖だ。」
「歯を磨いた後飴食べたら意味ないんじゃないの?虫歯になるよ?」
「ムシバ?なんだそれ?」

おお、虫歯がない世界でした。
「虫歯がないならなんで歯を磨くの?いや、口臭予防?」
「磨くというには違うな?口の匂い取りだ。」

なるほど、、、匂い香りに敏感な異世界。
しかし苦い。もういいだろうと、紙に出す。
あ、ごみ箱もいるね。たまったらまとめて分解するようにしようか。
ものを作るときも声に出す癖をつけないといけないのかな?
すぐに使えるようにさまざまな大きさに丸くした石を1つ取り出し、床に置いた。

『ゴミ箱。いっぱいになったら中のものを分解して再利用しよう。』

マティスも噛んだのか、同じように紙に丸めて
即席に作ったゴミ箱に捨てる。

「そんな力の使い方でいいのか?コトダマというのか?」
「言霊。簡単に言うと言葉に力があるって考え方。
ものにお願いしてる感じかな?」
「不思議な考え方だ。ほら、飴。食べるだろ?」
「うん、食べる」
黄色い飴をもらった。甘い。柑橘類かな?この前食べたものと味が違う。
「おいしいね。?マティスは食べないの?苦いでしょ?」
「ガムはあるが、飴は少ない。ガムの味も慣れれば問題ない」

あら、いきなり食料問題が。
元どてらの掛布団をめくり持ってきてもらった毛布をエアーマットもどきの上にひいた。
そこに座りすぐ横をポンポンと叩いてマティスを座らせる。

首に腕を回す。
半分溶けかけた飴を口移しに渡した。
「半分こね?」
風呂で水を飲ませたときお気に召したようだから
飴も渡したのだが、離れた瞬間ガリリと噛むと
ベットに押し倒して再び口をふさがれた。

あら?思ってたのと反応が違う。


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