いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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187:研磨材

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「これはまた、新しい食べ方ですね。しかし、もう少し大きいほうがいのでは?」
「そうなんだよね。2つ、3つ食べちゃうけどね。この大きさだと。
でもきっと大きくても食べるね。そしたら、そのお芋って、その、ガスが出るというか、ね。」
「ガス?ああ!屁ですね!芋を食べれば出やすいと言いますから!なるほど!」
「そんな大きな声で!それで小さいのかな?っておもうんだ。それに喉が渇くしね。」


スイートポテトは食べすぎてはいけない、少量のほうがいい。
これはわたしの自論だ。

「それで、館の出火の話は分かりました。
妖精のしたことと?」
「んー、燃やしちゃえ!って言ってただけだから何とも。
なにも持ってきていないから、
燃やしてもいい、
荷物を燃やしてもいい、じゃ、館が燃えてもいい、になるかなと思たんだけど。」

いまは、館は戻して、暖炉のある部屋でくつろいでいる。
今度は燃やされないように砂漠石を使って補強もした。
火には弱いというから、海峡石のスプリンクラーを設置。
火を付けられても、外壁消火は一瞬だ。

「なんとも言えませんが、妖精の話が理解できるというのが素晴らしい。
ああ、気を失った女性はもう回復しています。
時々あることなので気にしないでください。
妖精に選ばれたと本人は有頂天でした。
まさか、うるさいから塞いじゃえとは。
それと、4人の襲撃者もね。あれ、うちの手の物なんですよ。
あきれました。目が覚めれば鍛錬です。5人目は知りません。
いつの間にかいなくなりましたから。」
「師匠もあの場所にいたの?」
「ええ、裏方でしたがね。なかなか様になっていましたよ?」
 「ほんと?うれしいねっマティス!」
「どうして、ワイプに褒められてうれしいんだ!それに、モウのときはしかたがないが、
赤い塊の時は師匠と呼ぶな!」
「そうか、気を付けないとね。」
「別に構わないでしょ?棒術の師匠であることには変わりないのですから。」
「そうですよね?」
「赤い塊の時は拳術なんだろ?それに、ワイプはここでは強くないというのが仕様だ。
そうしてるんだろ?」
「あ、わざとなんだ。」
「ええ、面倒ですから、いろいろ。それなりに、というところが一番いいんですよ。」
「さすが師匠ですね。マティス、わたしたちもそこら辺を狙っていこう。
そこそこというのが一番だよ。
じゃ、師匠は、武に対する心構えに感銘を受けて赤い塊両名が弟子入りしたということで。」
「私もか!」
「うん、いや?弟子っていうひと括りのほうが動きやすいよ?
ラルトルガでもおんなじ部屋だったでしょ?」
「そうだが!」
「資産院の鍛練場を案内できますよ?適切な棒を選んであげましょう。」
「お願いします!」
「そのとき、マティス君は留守番ですね。部外者は入れませんから。」
「・・・師匠、よろしくお願いします。」
「ふはははは!」


「姉さん!集めました!3人で手分けしましたが、うまく移動もできました!」
「おお!頑張ったね。」

セサミンに鉱物を持ってくるのは、移送の練習を兼ねろと
マティスに言われたので、3人でうんうん、言いながら頑張っていたようだ。
小さいものは目に見えていないと難しいらしい。
いったん屋敷に戻って、貯蔵庫で石を確認。
戻って、移動を繰り返して、
一度見た場所のものを記憶する訓練になる。らしい。

テーブルに並べられた石は大小さまざま。
研磨していないから輝きはないが、それでもきれいだ。

「この金剛石は、大体この大きさで出ます。
翠玉、青玉、紅玉は大きいのでこれぐらい、小さいのでこれぐらいですね。
今は採掘してません。金剛石だけです。
石同士をぶつけて粉状にして研磨材として使います。
一番硬い鉱石です。それでほかの石、翠玉、青玉、紅玉を磨きます。
ガラスが出てくるまで装飾として使われていましたが、いまはガラスが使われています。
なので、金剛石はガラスの研磨材として使っていますね。
ほかの鉱物を切ることはできません。かなり高温になって溶けます。
姉さんの教えてくれたガラスはガラスそのものに色がついていたでしょ?
今は透明なガラスの表面に色を付けているだけなのです。」
「あー、そうか。だから、ガラスのシャンデリア、あの天井の照明ね、あれが自慢になるんだ。
うん、ダイヤモンドは炭素だから鉄を切るには不向きだと聞いたことがある。同じだ。
ダイヤ、金剛石のことね、これを磨かないの?」
「金剛石より硬いものはないので研磨はできないと思いますよ?」
「んー、なんだったかな?方向があるんだよ、ダイヤには。
その方向を見定めて、ダイヤで磨くんだったかな?」
「はぁ。」
「ガラスはね、人工のものでいくらでも作れるでしょ?
天然のものは数が少なくてね、価値がこことは逆なんだ。故郷ではね。
だから、これを産業にすればいいと思ったけど、うん、事情が違うから駄目か。
ごめん、お話ってこのことなの。あんまり役に立たなかったね。」
「姉さん!なんでそんな悲しそうにするんですか!いままで十分すぎるんですよ?
感謝しきれないんだ!コットワッツのことを思ってのこれも産業になると思ってくれたんでしょ?
その気持ちだけで十分なんです。泣かないで!」
「いや、なんか情けなくってさ。
ここまで価値が違うんだね。そうおもったらさ、ほんと別のところになんだ、ここは。
役に立つことなんかもうないよ。ごめんね。」
「姉さん!どうしよう!兄さん!」
「愛しい人、家に戻ろうか?」
「ん?ううん、大丈夫。あははは、ごめんね。いやさ、ダイヤとかサファイヤとか
こんなにあるのに価値がないなんて。びっくりだよ。」
「姉さん。」
「んー、もう大丈夫。あのさ、これ売ってくれる?
ここでは価値がなくても、わたしにはものすごく価値があるの。」
「売るなんて!もらってください。これ、リングにしたら、10リングにもいかないんですよ?
研磨剤としての値段だ。」
「なにーー!!あ、ごめん。うわー、そうなんだ。
このものすごく小さい金剛石あるでしょ?これで、カットとか色味とかで値段は違うけど
50リングはするんだ。もっとかもしれない。逆にガラスだったら子供のおもちゃだ。」
「それはすごい!そんなに?これが?」

小さな石を一つ取り、念じてみる。
ダイヤの指輪はあこがれだったのだ。
ラウンドブリリアントカットの図面を引いたこともある。
そこで満足してしまったんだが。

『鉱石の中で随一の硬さを誇る金剛石よ、輝きにおいても随一となれ』

うまくいったかな?

あ、きれいだ。

手のひらを広げて皆に見せる。
「ね?きれいでしょ?」
「驚きました。ここまで輝くとは!」
「なんか、カットで光を内部で反射させてするとかなんとか。
ほかの石も大きさによってカットを変えるんだ。」

サファイヤとルビー、エメラルドと手に握り、また念じてみる。

『己が一番輝く姿を示せ』

ほら、きれい。

「ね?」

「ほんとうに。」
「これ、スターサファイヤだ。いい感じに紫だね。
これ、一番上のボタンにする?あ、おもちゃみたい?」
「いえ!そんなことは思いません!付けてください!」
「そう?誰かに笑われたら外してね?」
「だれも笑いません!」
「奥方様!わたしたちのにも、この赤いので!」
「んー、いいよ?好きなの選んで。ルビー、紅玉ね、赤ければ赤いほどいいて。
知ってる?サファイヤとルビーって同じ石なんだよ?なんかの成分が入って赤くなるんだって。
んー、何だったかは思い出せないけど。」
「そうなんですか?面白いですね。」
「地質学とかはないの?鉱物とか、地層とかそういうの勉強するところ。」
「王都にはないですね。」
師匠が答えてる。
「モウ殿、わたしはこの透明なのがいいです。棒の先に付けたい。」
「ワイプが興味を示すのは珍しいな。」
「硬いですからね。殺傷力が増すかと。」
「・・・」
「それにきれいだ。」
「ふふ、きれいだと思ってくれるんなら付けますよ?
ただ、ある一定の方向に強い力が加わると砕けます。
師匠の場合は問題ないですけどね。どれにしますか?」

師匠と、ルグとドーガーは石を選び出している。
「セサミンはそれでよかった?」
「ええ、姉さんが選んでくれたものが一番いい。」
「そう?」
「愛しい人、私たちは?」
「つけてもいい?エメラルドがいいな。緑の石。
もらった石にはかなわないけど、緑はマティスの色だから。」
「わかった。これで耳飾りも作ろう。
その金剛石と組み合わせてもいいな。」
「うん、ダイヤのアクセサリーは憧れだったの。
マティスが作ってくれるんならものすごくうれしい。」
「ああ、作ろう。」


それぞれが気に入った石で飾り付け、
マティスは石の磨き方は覚えたので、楽しみにいてろということで、
この日はおわった。
妖精の酒の検証はまた今度。
師匠はここの一室を自分の部屋にしてしまった。
ジャングル風呂は好評でした。

明日はいよいよ会合です。





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