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371:悪徳商人
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新しい果物、プニカの食べ方を話しながらコーヒータイム。
白ワインのコンポートは定番。
このまま乾燥させてドライフルーツ。
あとは、残った皮の利用法。
「腹下しだけだったら、便秘気味のときにいいけどね。
他の成分があれば怖いから。
ここのお薬関係はやっぱり王都?」
「大中央院だ。腹下しは薬草だな。」
「やっぱり、植物関係はこれからだね。
スー兄に聞いてみよう。あとは馬さんたちにもね。
そうだ、ここでプリンを出してるお店って何件あるんだろ?」
「14件だと聞いたぞ?以前ワイプに。」
「おお!師匠なら全部廻ってるもんね。それ以降に増えたとしても、
んー、20?予備を入れて25樽分のプニカを用意したらいいかな?
ザバスさんのところに小さい樽あったでしょ?あれにいれたらいいかな?
食べ方を売るって形にしたんだ。で、すぐに使えるように、
加工済みのプニカをお付けしますって。」
「元はタダだからな。加工代も、一気に作っているしな。
結局樽代だけだろ?」
「そうなんよ。べつにタダでもいいけどね、そこは商売で。
あの樽に100個入るかな?チェリーの缶詰っていくらぐらいだったかな?
樽代込みで1銀貨。1000円?ちょっと高い?
100個入りだからいいか。
それを100個作れば10リング!どうかな?」
「ん?それとは別に食べ方の方法を売るのか?」
「いや、込みだよ。方法なんて実際商売にならないよ。
それを最初に売るときに、
時にかかった経費を上乗せできればいいかなって。」
「安くないか?」
「いや、こんなもんでしょ?説明して、その樽をセサミンが売るなり、
あげるなりすればいい。あ、師匠は買うって言ってた!」
「良し、ワイプには10リングで売ろう、1樽!」
「あはははは!暴利だ!ひどーい!」
「何を言うか、密偵がいること教えてやったし、手紙の内容も把握、
その手数料も入ってる。」
「そうか。あれ?カップ君たちはマトグラーサから戻ってないのかな?
てか、師匠は何しにここに来てんだろ?食の祭りのため?」
「そうだろうな。ワイプが見逃すはずがない。
なんだかんだいって、こっちに来てるんだ。」
「さすが、師匠だ!」
「・・・愛しい人、聞いてくれ。」
「ん?なに?」
「私はワイプに愛しい人がさすがだと言わないように努力したい。
私の方がさすがだと言われたい。」
「へ?どうして?比べてると思っていたの?違うよ?
マティスは唯一なんだから比べようがないでしょ?
師匠は純粋に尊敬してるんだよ?迷いのない生き方だ。
そうありたいって思うんだ。
マティスもそうでしょ?迷いなくわたしと生きていこう。
師匠はそのお手本だよ?」
「・・・そうなのか?」
「そうだよ?マティスはいつもさすがだし、
その上好き好き大好きだからね。」
「!いいな!それは!」
「でしょ?じゃ、樽を買いにザバスさんとこ行こうか?
大人のお菓子が出来てるかもしれないしね。」
ザバスさんのところは食の祭りにでない。
ハンバーガーとラーメン、クッキーなどの
領主主催の食の紹介があり、
そこに他領国の食べ物の売り込み、そして新作の食品の売り込みだ。
街にお店を持っている人は、わざわざ露店で売りはしない。
領主館に来ていた人はお店を持たない人たちだ。
「で?この大きさで100?」
「あるだけでいいですよ?」
「ふふん。マティスの奥さんよ?舐めてもらっては困るね。
この手合いはいつでも在庫をそろえておくもんだ。
どうやって持って帰るかを考えておきな!」
「さすがです!!」
「愛しい人?騙されるな、おそらく売れ残りだな。
ほら、あの密封容器が出ている。
これにとって代わって余り気味なんだ。」
「え?あ!ほんとだ!これ、メジャートの?」
「余計なことをいうなよ!ま、実際そうなんだがな。
知ってたのか?メジャートの器屋が売り込んできた。
おすすめコーナーに置いたらあっという間だ。
で、木の樽が余ってる。ま、そういうことだ。
裏に回ってくれ。かなりの量だぞ?」
「あ、荷車ありますから。あとは?マティス?」
「飴とガムだろ?ザバス、大人の菓子は?」
「お!それよ!あるぜ?しかし、店に出したら子供が間違って買うからな。
そのとき気付けばいいが、忙しい時は金をここに置いていくだけで
持って帰る子がいるからな、申告制だ。」
「あるんですね!買います!」
「じゃ、樽が100個で2リング、飴とガムが3銀貨、大人の菓子が2銀貨。
他の大きさの樽もつけるから、3リングでどうだ?」
「その場合は逆じゃないのか?」
「いいよ、小さいのや大きいのがあればいろいろ使えるから。
それでください。」
「まいどあり!」
大量に買ったコーヒー豆も小分けできるし、
いろいろ使えるだろう。
「お前たちはどんな店を出すんだ?
あの果物の奴か?甘いパンか?」
「いや、馬相手の店だ。
馬を預かって、馬の餌籠を売る。」
「へ?なんだそれ?楽しみにしてたのによお。」
「うふふふ。また、新作出来たら持ってきますよ。
んー、今あるのはアップルパイとミートパイかな?」
「お!聞くからにうまそうな感じだな。」
「ええ、こっちは甘いので、こっちはお肉です。
あの機械でつぶしたお肉が入ってますよ?」
「おお!領主さんがな、
あの機械、祭りの後に絶対売れるから仕入れておけって。
俺の勘もそういってる。だから、かなり仕入れた。
で、樽が邪魔なんだよ。」
「だったら安くしろよ。」
「それはダメだな。一度安くすると、それが値段になる。
値下げするのはよっぽどだ。」
「なるほど。勉強になりますね。」
ちょうど、小腹もすいたので一緒にアップルパイと、
ミートパイを食べる。
ザバスさんもおいしいと言ってくれた。
そこで、スパイルとの取引はどうしてるのか聞いてみると、
向こうから売り込みに来たり、
こっちから行くこともあるそうで、
急ぎは鳥を飛ばすそうだ。あのトリヘビ。
「ザバス様も手懐けている子がいるんですか?」
「へ?そんなのいないよ。鳥屋に頼むんだよ。
登録するときは相手と一緒じゃないとだめだがな。
一度登録すればいいからな。」
「鳥屋!これまたすごい名前!石使いに次ぐ便利で不思議屋さんだ!」
「愛しい人、そんなに便利でも不思議でもないぞ?」
「そうなの?」
「登録も少し手間だしな。その場所じゃないといけない。
鳥屋でトリヘビを借りて家まで連れて帰ってもらうんだ。
そこで、籠を開けると、トリヘビは自分の住処に戻る。場所を覚えてな。」
「そうなんだ。ここの鳥屋のトリヘビがスパイルの場所を覚えてる。
スパイルの鳥屋のトリヘビが俺の家を覚えてる。
帰るときに手紙を持たせることはできるがな。」
「面白いですね!」
「そうか?」
扉君の家には来れないだろうな。場所は様々だし。
それに移動してる場合もダメだ。
ん?あの子は覚えてるって言ったけど何をだろう?
戻ってくるまで、地下に潜らないほうがいいかな。
雨の日が終われば仕入れに行くそうなので
その時に同行させてもらうことになった。
楽しみだ。
小さめの100個の樽、その他の大きさの樽。
重ねることが出来ないから、かなりの量だ。
山積みにして、裏道を進む。
人通りがなくなるところまで押していかないといけない。
祭りの前だからか、なんだか人通りが多い。
店がある人は、自分の店のアピールをしないといけないから、
片付けたり、看板を掛けたりしている。
結局広場のはずれまで来てしまう。
「ここに小さな小屋立てようか?
休憩所。なんかするときに小屋の中ですれば
いろいろしても問題ないでしょ。」
「いや、それを作ってるのを見られる方が問題だぞ?」
「そうか。じゃ、簡易テントは?大きな奴で。」
「それならいいな。ブラスと綿地で作ろう。
地面には魚の皮を敷けばいい。
その中にまた囲いを作って扉君を置けばいいだろう。」
「おお!さすがマティスだ!」
「続きは?」
「好き好き大好き!愛してる!」
「ふふふふふ。」
バカップルである。
荷車ごと、テントに入れて、樽を消毒、というか、きれいにする。
その中にプニカを100個ずついれ、水をも入れて、フタをする。
水煮缶のようだ。
あとはプニカそのものも100個ばかり。
まだまだ大量にあるから、今年の分はある。
砂漠近くに植えて、緑の石を使えば、来年は収穫できるだろう。
こっそり今のうちに植えておこう。
月が昇る前に、荷車にいっぱいの樽を積んで
また領主館に行く。
その前にトックスさんちで時間つぶしだ。
いや、絹地の販売だ。
「トックスさーん!トックスさーん!」
また玄関先で大声を出すと、奥からどたどたと
出てきてくれた。
「お!来たか!あの糸!すごいな!」
さっそく糸の話。
まずは部屋の中でおこたに入りながらまったり。
キトロスの種菓子シリーズを出した。
「キトロスか。ドルガナだな?その種?へー。うまいな。
味を変えた?お!辛い!メイガの赤粉?うまいな!」
「その赤粉を食べて、師匠の蜘蛛、クーちゃんって名前つけたんですが、
クーちゃんが出したんですよ。」
「赤いもので赤糸?じゃ、青いものだと青?」
「んー、どうなんだろ?その赤い糸は機能としては
砂漠石の糸と同じでした?」
「ああ同じだ。」
「んー、じゃ、キトロスに砂漠石の成分が行ってるってことかな?」
「?」
樹を抜いて帰って来たこと、石が出たこと、その話をする。
「なるほど、それはありうる話だな。
じゃ、青い食べ物と、砂漠石を一緒に食べてもらったら青い糸?
もしくは砂漠石を食べる青い生き物?カエルか?」
「カエルも砂漠石食べるの?」
「食べると言われている。実際食べているところを見たことがないがな。
砂漠石を咥えていることがあるんだ。
長い距離を飛ぶの石を使ってるって話もあるがな。」
「その砂漠石はどこから取ってるんだろうね?
やっぱりマトグラーサ?いま、石は取れないよね?何年も前から。一応。」
「そうだな。その時期には取れるとか?渓谷で取れるか?」
「渓谷?マトグラーサとジットカーフの間にある?
なんでそこがカエルと関係あるんだ?」
「その渓谷の壁一面にずさーっとカエルがへばりついてた。」
「!見たのか?どうやって!いや、それは聞かないほうがいいな。
なんでそれを狩ってこなかったんだ?」
「なんか色が浅い?鮮やかじゃなかったから。」
「色?そうか、色か。カエルといえば、あの青だからな。
あれ以外はダメだろうな。」
「この青でしょ?」
ガイライからもらった1枚を出す。
「おお!これだよ!え?狩ったのか?」
「ううん。ガイライにもらったの。4枚。」
「4枚!!さすがガイライの旦那だ!いいな!!」
「これはあげれないけど、雨の日前に頑張って狩ってくるよ!
ドレス分。」
「楽しみだが無理はするな?」
「うん。でね、これは商売。フレシアで絹地仕入れてきたんだ。
今、青が流行りって。
なんでも、王都の武の大会後に青のドレスを着た人がいて
それがものすごくきれいだったんだってさ。」
「そりゃ、奥さんのことだろ?」
「いや、違うかもしれない。・・・いや、たぶんそう。
あの時青のドレスはわたしだけだった。
キャー、恥ずかしい!でもさすがトックスさん!」
「あははは!着てる奥さんがきれいだったからだよ。」
「きゃー、マティス!照れるね。」
「事実だ。」
「もう!こういうときは両方褒めるの!」
「もちろん、トックスのドレスが素晴らしく、
愛しい人が素晴らしかったからだ。」
「それなら、旦那の意匠もよかったからだろ?」
「ふふふ。トックスに褒められるとうれしいな。」
「あはは、そうかい。で?フレシアは絹の本場。
ナルーザは絹糸だからな。織と染はフレシアだ。
どんなの仕入れてきたんだ?」
とりあえず、全部出す。
「これを買ったか!高かっただろ?」
マティスが選んだ絹地に飛びつく。
「10リングだ。」
「なに!!これは?」
「それは1リングだ。」
「うわー。そうか。これ、ジットカーフで仕入れれば300だ。
王都では200リングだった。
あんときは見本の小さな切れがあるだけで売ってなかったがな。
ドレス生地は50リングだな。」
「え?20っていってなかった?」
「こっちの方が質がいい。いい店で買えたんだな。交渉もしたのか?」
「お蚕様の?練習したけど、その店はそんなのはいいって。
交渉なしでその値段だったよ?」
「次もそこで買えばいい。よほど品に自信があるってことだ。」
「そうか。いい感じの人だったよ。おまけで端切れもいっぱいくれたの。
あと、真綿とオーガンジーみたいなの。」
「これはわかる。これは?」
真綿は確かこう、端をもって2人で引っ張る?
それを積み重ねてお布団。
そう説明する。
「たしか、羽毛を真綿で包むってのがあったよ?」
「マワタ?綿?」
「んー、綿は木でしょ?うちの故郷では綿というと、こっちの方で、
木の方は後から入って来たんだったかな?
で、ほんとの綿って意味で真綿。
ん?これなにか知ってますよね?」
「綿だろ?それを伸ばしたもの?」
「蚕ですよ。蚕の繭。糸を引き出さないで
崩れたものとかをこう、伸ばしたもの。
あれ?じゃ、お蚕様はやっぱり繭を作ってるんだ。」
「!!!!奥さん、これ買う時なんか言ったか?
店の奴もなんか言ったか?」
「いや、あんときはマティスがその布見つけて興奮して、
店を買い占める勢いだったから、その感じで、
じゃ、あれもこれもって。なにも言ってないし、
店の人はこれも?って顔したけど、
あるだけ全部っていったら嬉しそうだったよ?」
「いいか、今の話、誰にも言うな。これは綿だ。あの綿を薄くしたものだ。
いいな?」
「え?違うよ?ほら、手にかぶせるだけでぽかぽかするでしょ?
保温性がいいんだよ。」
「わかってる!わかってるが、これは綿だ。いいな?旦那も!」
「・・・愛しい人。これはそういうものらしい。綿だ。」
「う、うん。綿だ。」
なんか、ダメっぽいもんだったみたい。
しかし、興味がある素材なので、半分だけお買い上げ。
あと、10リングの布地、白と黒と赤以外、
ドレス生地は各色、オーガンジーも各色。
後は豚の皮、20。
400リングです。
「いや、3倍以上だ。
そんな悪徳商人じゃないよ?わたしたち。」
「いや、破格値だ。運送費を考えてみろ。
これだけ大量だと馬もいるし、それを操る人もいる。
盗賊よけに人も雇わないといけない。
逆にこれだけのものをこの値で買う、俺の方が悪徳だ。」
「そうなの?悪徳商人トックス、なんかぴったりだけど。」
「がはははは!その名もいいな!」
「もう!じゃ、それでお願いします。あ、そこの名物鳥料理、
マティスが作ったのがあるんです。鳥の米詰め。
窯に入れて温めてって。食べてくださいね。」
「お!それはうれしいな。食べたことがあるんだ。
フレシアにいったときにな。
産地でも絹地はこんなに安くは手に入らなかった。
よっぽどいい店を見つけたんだよ。
あれはうまかった。うれしいね。そうだ、あのぱい?あれもな。
礼が遅くなったな。それにこの小物、ありがとよ。」
襟の後ろに付けていてくれたようだ。
取外しが簡単にできるようにしているのはさすがだな。
ピンブローチの裏止めに使っているのだ。
おしゃれだ。
デザートはプリンのプニカ添えを冷蔵庫に入れて、
決死の思いでおこたつから出た。
布を広げたり、見たりするのも誰も動いていないのだ。
みんなフヨフヨと宙に浮いていた。
そんなのはトックスさんは疑問に思わない。
トックスさんも食の祭りは客としていくので、
外れにテントがあるからそこに来てくださいとご招待した。
ちょっと早いけど説明もあるので、講堂前の門に進む。
ルグが待っててくれた。
白ワインのコンポートは定番。
このまま乾燥させてドライフルーツ。
あとは、残った皮の利用法。
「腹下しだけだったら、便秘気味のときにいいけどね。
他の成分があれば怖いから。
ここのお薬関係はやっぱり王都?」
「大中央院だ。腹下しは薬草だな。」
「やっぱり、植物関係はこれからだね。
スー兄に聞いてみよう。あとは馬さんたちにもね。
そうだ、ここでプリンを出してるお店って何件あるんだろ?」
「14件だと聞いたぞ?以前ワイプに。」
「おお!師匠なら全部廻ってるもんね。それ以降に増えたとしても、
んー、20?予備を入れて25樽分のプニカを用意したらいいかな?
ザバスさんのところに小さい樽あったでしょ?あれにいれたらいいかな?
食べ方を売るって形にしたんだ。で、すぐに使えるように、
加工済みのプニカをお付けしますって。」
「元はタダだからな。加工代も、一気に作っているしな。
結局樽代だけだろ?」
「そうなんよ。べつにタダでもいいけどね、そこは商売で。
あの樽に100個入るかな?チェリーの缶詰っていくらぐらいだったかな?
樽代込みで1銀貨。1000円?ちょっと高い?
100個入りだからいいか。
それを100個作れば10リング!どうかな?」
「ん?それとは別に食べ方の方法を売るのか?」
「いや、込みだよ。方法なんて実際商売にならないよ。
それを最初に売るときに、
時にかかった経費を上乗せできればいいかなって。」
「安くないか?」
「いや、こんなもんでしょ?説明して、その樽をセサミンが売るなり、
あげるなりすればいい。あ、師匠は買うって言ってた!」
「良し、ワイプには10リングで売ろう、1樽!」
「あはははは!暴利だ!ひどーい!」
「何を言うか、密偵がいること教えてやったし、手紙の内容も把握、
その手数料も入ってる。」
「そうか。あれ?カップ君たちはマトグラーサから戻ってないのかな?
てか、師匠は何しにここに来てんだろ?食の祭りのため?」
「そうだろうな。ワイプが見逃すはずがない。
なんだかんだいって、こっちに来てるんだ。」
「さすが、師匠だ!」
「・・・愛しい人、聞いてくれ。」
「ん?なに?」
「私はワイプに愛しい人がさすがだと言わないように努力したい。
私の方がさすがだと言われたい。」
「へ?どうして?比べてると思っていたの?違うよ?
マティスは唯一なんだから比べようがないでしょ?
師匠は純粋に尊敬してるんだよ?迷いのない生き方だ。
そうありたいって思うんだ。
マティスもそうでしょ?迷いなくわたしと生きていこう。
師匠はそのお手本だよ?」
「・・・そうなのか?」
「そうだよ?マティスはいつもさすがだし、
その上好き好き大好きだからね。」
「!いいな!それは!」
「でしょ?じゃ、樽を買いにザバスさんとこ行こうか?
大人のお菓子が出来てるかもしれないしね。」
ザバスさんのところは食の祭りにでない。
ハンバーガーとラーメン、クッキーなどの
領主主催の食の紹介があり、
そこに他領国の食べ物の売り込み、そして新作の食品の売り込みだ。
街にお店を持っている人は、わざわざ露店で売りはしない。
領主館に来ていた人はお店を持たない人たちだ。
「で?この大きさで100?」
「あるだけでいいですよ?」
「ふふん。マティスの奥さんよ?舐めてもらっては困るね。
この手合いはいつでも在庫をそろえておくもんだ。
どうやって持って帰るかを考えておきな!」
「さすがです!!」
「愛しい人?騙されるな、おそらく売れ残りだな。
ほら、あの密封容器が出ている。
これにとって代わって余り気味なんだ。」
「え?あ!ほんとだ!これ、メジャートの?」
「余計なことをいうなよ!ま、実際そうなんだがな。
知ってたのか?メジャートの器屋が売り込んできた。
おすすめコーナーに置いたらあっという間だ。
で、木の樽が余ってる。ま、そういうことだ。
裏に回ってくれ。かなりの量だぞ?」
「あ、荷車ありますから。あとは?マティス?」
「飴とガムだろ?ザバス、大人の菓子は?」
「お!それよ!あるぜ?しかし、店に出したら子供が間違って買うからな。
そのとき気付けばいいが、忙しい時は金をここに置いていくだけで
持って帰る子がいるからな、申告制だ。」
「あるんですね!買います!」
「じゃ、樽が100個で2リング、飴とガムが3銀貨、大人の菓子が2銀貨。
他の大きさの樽もつけるから、3リングでどうだ?」
「その場合は逆じゃないのか?」
「いいよ、小さいのや大きいのがあればいろいろ使えるから。
それでください。」
「まいどあり!」
大量に買ったコーヒー豆も小分けできるし、
いろいろ使えるだろう。
「お前たちはどんな店を出すんだ?
あの果物の奴か?甘いパンか?」
「いや、馬相手の店だ。
馬を預かって、馬の餌籠を売る。」
「へ?なんだそれ?楽しみにしてたのによお。」
「うふふふ。また、新作出来たら持ってきますよ。
んー、今あるのはアップルパイとミートパイかな?」
「お!聞くからにうまそうな感じだな。」
「ええ、こっちは甘いので、こっちはお肉です。
あの機械でつぶしたお肉が入ってますよ?」
「おお!領主さんがな、
あの機械、祭りの後に絶対売れるから仕入れておけって。
俺の勘もそういってる。だから、かなり仕入れた。
で、樽が邪魔なんだよ。」
「だったら安くしろよ。」
「それはダメだな。一度安くすると、それが値段になる。
値下げするのはよっぽどだ。」
「なるほど。勉強になりますね。」
ちょうど、小腹もすいたので一緒にアップルパイと、
ミートパイを食べる。
ザバスさんもおいしいと言ってくれた。
そこで、スパイルとの取引はどうしてるのか聞いてみると、
向こうから売り込みに来たり、
こっちから行くこともあるそうで、
急ぎは鳥を飛ばすそうだ。あのトリヘビ。
「ザバス様も手懐けている子がいるんですか?」
「へ?そんなのいないよ。鳥屋に頼むんだよ。
登録するときは相手と一緒じゃないとだめだがな。
一度登録すればいいからな。」
「鳥屋!これまたすごい名前!石使いに次ぐ便利で不思議屋さんだ!」
「愛しい人、そんなに便利でも不思議でもないぞ?」
「そうなの?」
「登録も少し手間だしな。その場所じゃないといけない。
鳥屋でトリヘビを借りて家まで連れて帰ってもらうんだ。
そこで、籠を開けると、トリヘビは自分の住処に戻る。場所を覚えてな。」
「そうなんだ。ここの鳥屋のトリヘビがスパイルの場所を覚えてる。
スパイルの鳥屋のトリヘビが俺の家を覚えてる。
帰るときに手紙を持たせることはできるがな。」
「面白いですね!」
「そうか?」
扉君の家には来れないだろうな。場所は様々だし。
それに移動してる場合もダメだ。
ん?あの子は覚えてるって言ったけど何をだろう?
戻ってくるまで、地下に潜らないほうがいいかな。
雨の日が終われば仕入れに行くそうなので
その時に同行させてもらうことになった。
楽しみだ。
小さめの100個の樽、その他の大きさの樽。
重ねることが出来ないから、かなりの量だ。
山積みにして、裏道を進む。
人通りがなくなるところまで押していかないといけない。
祭りの前だからか、なんだか人通りが多い。
店がある人は、自分の店のアピールをしないといけないから、
片付けたり、看板を掛けたりしている。
結局広場のはずれまで来てしまう。
「ここに小さな小屋立てようか?
休憩所。なんかするときに小屋の中ですれば
いろいろしても問題ないでしょ。」
「いや、それを作ってるのを見られる方が問題だぞ?」
「そうか。じゃ、簡易テントは?大きな奴で。」
「それならいいな。ブラスと綿地で作ろう。
地面には魚の皮を敷けばいい。
その中にまた囲いを作って扉君を置けばいいだろう。」
「おお!さすがマティスだ!」
「続きは?」
「好き好き大好き!愛してる!」
「ふふふふふ。」
バカップルである。
荷車ごと、テントに入れて、樽を消毒、というか、きれいにする。
その中にプニカを100個ずついれ、水をも入れて、フタをする。
水煮缶のようだ。
あとはプニカそのものも100個ばかり。
まだまだ大量にあるから、今年の分はある。
砂漠近くに植えて、緑の石を使えば、来年は収穫できるだろう。
こっそり今のうちに植えておこう。
月が昇る前に、荷車にいっぱいの樽を積んで
また領主館に行く。
その前にトックスさんちで時間つぶしだ。
いや、絹地の販売だ。
「トックスさーん!トックスさーん!」
また玄関先で大声を出すと、奥からどたどたと
出てきてくれた。
「お!来たか!あの糸!すごいな!」
さっそく糸の話。
まずは部屋の中でおこたに入りながらまったり。
キトロスの種菓子シリーズを出した。
「キトロスか。ドルガナだな?その種?へー。うまいな。
味を変えた?お!辛い!メイガの赤粉?うまいな!」
「その赤粉を食べて、師匠の蜘蛛、クーちゃんって名前つけたんですが、
クーちゃんが出したんですよ。」
「赤いもので赤糸?じゃ、青いものだと青?」
「んー、どうなんだろ?その赤い糸は機能としては
砂漠石の糸と同じでした?」
「ああ同じだ。」
「んー、じゃ、キトロスに砂漠石の成分が行ってるってことかな?」
「?」
樹を抜いて帰って来たこと、石が出たこと、その話をする。
「なるほど、それはありうる話だな。
じゃ、青い食べ物と、砂漠石を一緒に食べてもらったら青い糸?
もしくは砂漠石を食べる青い生き物?カエルか?」
「カエルも砂漠石食べるの?」
「食べると言われている。実際食べているところを見たことがないがな。
砂漠石を咥えていることがあるんだ。
長い距離を飛ぶの石を使ってるって話もあるがな。」
「その砂漠石はどこから取ってるんだろうね?
やっぱりマトグラーサ?いま、石は取れないよね?何年も前から。一応。」
「そうだな。その時期には取れるとか?渓谷で取れるか?」
「渓谷?マトグラーサとジットカーフの間にある?
なんでそこがカエルと関係あるんだ?」
「その渓谷の壁一面にずさーっとカエルがへばりついてた。」
「!見たのか?どうやって!いや、それは聞かないほうがいいな。
なんでそれを狩ってこなかったんだ?」
「なんか色が浅い?鮮やかじゃなかったから。」
「色?そうか、色か。カエルといえば、あの青だからな。
あれ以外はダメだろうな。」
「この青でしょ?」
ガイライからもらった1枚を出す。
「おお!これだよ!え?狩ったのか?」
「ううん。ガイライにもらったの。4枚。」
「4枚!!さすがガイライの旦那だ!いいな!!」
「これはあげれないけど、雨の日前に頑張って狩ってくるよ!
ドレス分。」
「楽しみだが無理はするな?」
「うん。でね、これは商売。フレシアで絹地仕入れてきたんだ。
今、青が流行りって。
なんでも、王都の武の大会後に青のドレスを着た人がいて
それがものすごくきれいだったんだってさ。」
「そりゃ、奥さんのことだろ?」
「いや、違うかもしれない。・・・いや、たぶんそう。
あの時青のドレスはわたしだけだった。
キャー、恥ずかしい!でもさすがトックスさん!」
「あははは!着てる奥さんがきれいだったからだよ。」
「きゃー、マティス!照れるね。」
「事実だ。」
「もう!こういうときは両方褒めるの!」
「もちろん、トックスのドレスが素晴らしく、
愛しい人が素晴らしかったからだ。」
「それなら、旦那の意匠もよかったからだろ?」
「ふふふ。トックスに褒められるとうれしいな。」
「あはは、そうかい。で?フレシアは絹の本場。
ナルーザは絹糸だからな。織と染はフレシアだ。
どんなの仕入れてきたんだ?」
とりあえず、全部出す。
「これを買ったか!高かっただろ?」
マティスが選んだ絹地に飛びつく。
「10リングだ。」
「なに!!これは?」
「それは1リングだ。」
「うわー。そうか。これ、ジットカーフで仕入れれば300だ。
王都では200リングだった。
あんときは見本の小さな切れがあるだけで売ってなかったがな。
ドレス生地は50リングだな。」
「え?20っていってなかった?」
「こっちの方が質がいい。いい店で買えたんだな。交渉もしたのか?」
「お蚕様の?練習したけど、その店はそんなのはいいって。
交渉なしでその値段だったよ?」
「次もそこで買えばいい。よほど品に自信があるってことだ。」
「そうか。いい感じの人だったよ。おまけで端切れもいっぱいくれたの。
あと、真綿とオーガンジーみたいなの。」
「これはわかる。これは?」
真綿は確かこう、端をもって2人で引っ張る?
それを積み重ねてお布団。
そう説明する。
「たしか、羽毛を真綿で包むってのがあったよ?」
「マワタ?綿?」
「んー、綿は木でしょ?うちの故郷では綿というと、こっちの方で、
木の方は後から入って来たんだったかな?
で、ほんとの綿って意味で真綿。
ん?これなにか知ってますよね?」
「綿だろ?それを伸ばしたもの?」
「蚕ですよ。蚕の繭。糸を引き出さないで
崩れたものとかをこう、伸ばしたもの。
あれ?じゃ、お蚕様はやっぱり繭を作ってるんだ。」
「!!!!奥さん、これ買う時なんか言ったか?
店の奴もなんか言ったか?」
「いや、あんときはマティスがその布見つけて興奮して、
店を買い占める勢いだったから、その感じで、
じゃ、あれもこれもって。なにも言ってないし、
店の人はこれも?って顔したけど、
あるだけ全部っていったら嬉しそうだったよ?」
「いいか、今の話、誰にも言うな。これは綿だ。あの綿を薄くしたものだ。
いいな?」
「え?違うよ?ほら、手にかぶせるだけでぽかぽかするでしょ?
保温性がいいんだよ。」
「わかってる!わかってるが、これは綿だ。いいな?旦那も!」
「・・・愛しい人。これはそういうものらしい。綿だ。」
「う、うん。綿だ。」
なんか、ダメっぽいもんだったみたい。
しかし、興味がある素材なので、半分だけお買い上げ。
あと、10リングの布地、白と黒と赤以外、
ドレス生地は各色、オーガンジーも各色。
後は豚の皮、20。
400リングです。
「いや、3倍以上だ。
そんな悪徳商人じゃないよ?わたしたち。」
「いや、破格値だ。運送費を考えてみろ。
これだけ大量だと馬もいるし、それを操る人もいる。
盗賊よけに人も雇わないといけない。
逆にこれだけのものをこの値で買う、俺の方が悪徳だ。」
「そうなの?悪徳商人トックス、なんかぴったりだけど。」
「がはははは!その名もいいな!」
「もう!じゃ、それでお願いします。あ、そこの名物鳥料理、
マティスが作ったのがあるんです。鳥の米詰め。
窯に入れて温めてって。食べてくださいね。」
「お!それはうれしいな。食べたことがあるんだ。
フレシアにいったときにな。
産地でも絹地はこんなに安くは手に入らなかった。
よっぽどいい店を見つけたんだよ。
あれはうまかった。うれしいね。そうだ、あのぱい?あれもな。
礼が遅くなったな。それにこの小物、ありがとよ。」
襟の後ろに付けていてくれたようだ。
取外しが簡単にできるようにしているのはさすがだな。
ピンブローチの裏止めに使っているのだ。
おしゃれだ。
デザートはプリンのプニカ添えを冷蔵庫に入れて、
決死の思いでおこたつから出た。
布を広げたり、見たりするのも誰も動いていないのだ。
みんなフヨフヨと宙に浮いていた。
そんなのはトックスさんは疑問に思わない。
トックスさんも食の祭りは客としていくので、
外れにテントがあるからそこに来てくださいとご招待した。
ちょっと早いけど説明もあるので、講堂前の門に進む。
ルグが待っててくれた。
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