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495:2段階選択法
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プリンを食べ終えた後、2つの領国は会合の館に出発。
皆にお土産として、タオルと茶葉、
焼いたクッキーは半分は持ち帰りで、
半分はここで食べたのだ。
お土産のクッキーは小さな巾着に油紙で作った袋に入れている。
会合が長引くようなら、ポッケに忍ばせるのがいいですよと、
ファンファンに言えば、さっそく腰に結んでいた。
皆が真似て腰に下げていた。
この袋は蜘蛛の糸が織り込んでいいる。
口に入れれば、ほろりと溶ける。
水分が多少欲しくなるが、口の中の水分を持っていかれることはない。
あとは、ガムと飴。お茶葉入り。
これはカーチとマーロが気に入ったようだ。
テールの分は果実の物に替えてある。
彼へのお土産は山盛りだ。
お子様ランチに付けた木彫りのおもちゃは
ファンファンもお気に入り。
同じように持って帰るそうだ。似顔絵入りの旗も。
「香木を扱っていた方はご存じかもしれませんが、
お茶葉もお香のように焚きますと良き香りがします。
今お飲みのお茶の香りですね。」
食後はほうじ茶だ。
固い根元の方で作っている。
ほうじ茶ラテもいいな。
あの中央院のひとに教えてあげよう。
わたしたちは馬待ちと片付け。
片付けが終わるころチャーたちが帰ってきた。
荷物を運んでもらうので、
会合前に戻してくれるように頼んでいたのだ。
その人が乗ってきた馬と、その人にも休憩してもらう。
「この仕事、ものすごい争奪戦だったんですよ。
馬もですよ?」
コットワッツの館に行けば振る舞いがある。
馬はブラッシングをしてもらえる。
「そうなんですか?しかし、これはお仕事なんですよ?
お食べになったものの感想や要望を紙に、文字か絵でかいてくださいな。
ね?お仕事でしょ?」
「ええ、お仕事ですね!!
んー、量は多めで、日持ちがするもの・・・。」
同じようなアンケートは今回の会談でも取っている。
ざっと読んだだけだが、肉がうまいというのが多い。
切り方、焼き方もあるが、下処理もあるだろう。
上水道、下水道というのは文明の利器の塊なのだと改めて思う。
ここではうまく砂漠石を使う工夫があればいいのに。
そういえば糞尿泥棒はどうなったんだろうか?
あれらを大量に食べる、もしくは分解するものでもあればいいのに。
いや、そうなると生態系が崩れるか。
中央院の厩係りの人を見送ってわたしたちも出発の準備だ。
館は収納だ。
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「異議あり!!」
2回目である。
「なにに?赤い衣裳だろ?
寒さがあるかもしれないからと毛皮のコートも用意した。
飾りは海の赤だ。いいだろ?」
ウサギの奥さんよりきわどい。
あの赤いシンプルなドレスが最終形態になっている。
服というより布?
「赤い塊は護衛です。これでは動けません!!」
「もちろんだ。なので、横に切れ目を入れているだろう?」
「ええ、足開くと見えるよね?蹴りを繰り出したら見えるよね?」
「なので、これを穿けばいい。」
黒のストッキング?どうやって作った?
「あの店の主人に頼んだんだ。
1足5リングで作ってくれた。この柄はダメだが、
無地の物を売り出すそうだ。柄は別料金をもらうということだ。
格安にしてくれたぞ?」
5万円のストッキング?
昔に痩せるストッキングというのを2万円で買ったことがある。
履くのにも苦労するし、気を付けていたのに爪で伝線した。泣いた。
それなのに5万円!蔦模様が入っている。
ん?ラメ?
「ダイヤか!!」
「ああ、一番小さいものだがな。
それはトックスに縫い付けてもらったんだ。」
・・・いつの間に。
「靴の踵は高いがふと目で安定感はある。
ここにも金剛石、ダイヤモンドはつけているぞ?」
「ああ、姉さん。
装飾石の名前は、姉さんが教えてくれた名前を使うことにしましたから。」
それはいいのよ。金剛石が磨かれてダイヤモンドになるというのは。
金剛石もこちらの音ではディアマルトだ。似てなくはない。
そんなことはいいの!
「・・・営業の一環ですか?」
「そうですね。申し訳ないのですが。」
「・・・ダイヤの宣伝だとしてもよ?宣伝するモデル、
んーこの場合見本か?
それがわたしになるわけだ。が、それを良しとする人はいいけど、
わたしを気にくわないとか、根本的に、生理的に受け入れられない人には
宣伝どころが、売れないよ?
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いといってね、いやな奴は当然嫌なんだが、
その来ている服まで憎らしく思うというか、なんというか。
わたしも好みでない俳優が宣伝していた商品は買わなかった。
それ自身はいいものだったのにもかかわらずだ。
宣伝というのは宣伝をする人物にかなり影響されるよ?」
「ええ。姉さんのことを気に入らないという人に、
ダイヤを売る必要はありません。」
「あー、そう来るか。はい、頑張ります。」
「姉さんは姉さんの思うままでいてください。」
今回のトックスさんの良心はどこだろうか?
・・・おなか、腰回りが真綿でしょうか?あったかです。
ああ、血赤サンゴのネックレスとピアスがきれいです。
わたし以外の人が来ていたなら大絶賛なのに!
「どうだ?ダメか?」
「素敵です。ありがとうマティス。おかしくない?笑われない?」
「どうして?次は赤が流行るぞ?」
「そんな人の真似してどうすんの?」
「フレシアの女店主には話しておいたぞ?」
ああ、マティスの情報で世界が動く。
それも己の趣味でだ。
しかし、護衛なのにこのパーティー仕様はやはりおかしくない?
「今回、夜会に呼ばれてるよね?
それには?」
「もちろん護衛として出ていただきたい。」
「そうだよね。その時にこれは着る。が、会合はダメだ。
護衛の着る服ではない!ドーガー!どう思う?」
「え?わたしの意見ですか?
そ、そうですね。目のやり場に困ります。
いえいえ!これは一般論です!」
「ほら!会合でこんなの来たらお下品なんだよ!
夜会の時の服だ。だから今は着ない!」
「そうか?そういわれればそうかもしれないな。
では、これを。大会予選の時の服を真似ている。
私と全くのお揃いだ。ちょっと似せてドーガーのもだ。
コットワッツの従者と護衛の服だな。」
「いいよ!それいいよ!!さすがマティスだ。
じゃ、これは夜会の時ね。」
「ああ。」
・・・・ん?
夜会だって護衛で行くんだからドレスを着ることはない。
あ!!やられたっ。
「マティス?セサミンもだね?ドーガーもかな?
必要ならきちっと着こなします!それが売り上げにつながるならね。
2段階選択法は取らないように!」
「「「????」」」
・・・素か。
「トックスが同じように言っていたな。
服を見せる順番も指示されたんだ。どういうことだ?」
トックス、お前か。
・・・そうだよね、トックスさんは良心はあるけど、
服命だもんね。
どうしてくれようか。
「愛しい人?」
「ううん。じゃ、着替えようね。お揃いっていうのはいいよね。」
今回は最初からトックスプロデュースだ。
セサミンもかっこいいし、ドーガーも、
上品に宝石を使っている。さすがだ。
護衛赤い塊の服はもちろん赤です。
赤いレーザージャケットです。
すごく柔らかいし、軽い。
なんだろ?
「クジラだ。」
おお!染めの技術がすごいな。
マティスはわたしのアクセサリーを付けてくれています。
いつもの奴は外して、白い透明なもの。
「クジラ?」
「そうだ。」
「ありがたいね。骨も皮も使えるのは。
なんといってもお肉がいいものね。」
「クジラ肉は先日頂いたお肉よりうまいのですか?」
髪を後ろに撫でつけてちょっとおしゃれに決めているドーガーが聞いてくる。
先日というのはサイの血抜き方法を変えたものか。
「うまい。非常にうまい。そしてそれ以上になると
肉はもういらないと思うから、干し肉をかじらなければ、
翌日から草食動物になるほどうまい。」
「え?もういらないってこと?」
「そうだ。恐ろしい肉という名だ。
いずれ皆で食べような。干し肉も、トカゲ、サイ、熊、蛇と用意しようか。
あ!熊の左手食べてないね!」
「あれは雨の日のお楽しみだ。」
「おお!!ということで、それ以外のお肉ね。
雨の日前にしようね。雨の日の後は茸祭りに筍祭り!
新年はチョコレート祭りもあるしね。
ドーガーが一番最初に食べるんだから。」
「おおおお!!!!!
はー、我が心は常にチョコレートのお傍に!」
「うわ!とうとうチョコレートに忠誠を誓ったよ!どうなの?これ?」
「なんとも。しかし、わからないこともないので。」
セサミンも楽しそうだ。
わたしも楽しくてマティスに笑顔を向けた。
「ふふ。楽しいね。
そういえば、わたしの匂いはチョコレートに似てるらしいよ?
テール君がゆってた。」
「彼奴は愛しい人に求婚していたな。」
「聞こえてたの?」
「当然だ。が、私を認め、潔く身を引いたからな。
さすがというところか。」
「テール殿がですか?やはり領主なのですね。
しかし、カーチのあの態度がなんとも。」
「だね。匂いを遮断されたからか、そういう作戦なのか。」
「マーロも驚いていたぞ?」
「会合の館全体に膜張ってみようか?」
「できますか?」
「内部からだと難しいけど、館全体を。
で、人の出入りはできるように。張った後に、
風で強制的に空気の入れ替え。
うん、できると思う。」
気圧を少し上げればいのかな?うん。ドーム方式。
急いで出発すれば、
人数が多いためか会合の館前で大渋滞だった。
チャーたちを労って見送り、コンテナ級の箱を下す。
それが各領国、わしゃわしゃとやっているから大変だ。
「ねーちゃん!!」
わたしをねーちゃんと呼ぶのは誰ぞ?
振り返れば大人のような少年、お醤油少年だ。
子供はわたしがどんな格好をしていても見抜く。
「おお!お久!元気?今回の会合も?」
「うん、手伝いだよ。今回は特産品を売れるんだろ?」
「うん。マトグラーサはあれだね。
どうも連絡の伝達がうまくいかないようだね。」
「へ?」
「うん、へだよ。セサミナ様!」
各領国の荷物は金蘭豪華だ。
コットワッツは箱はどうでもいい、中身で勝負。
で、少年が持ってきた荷車はうん、荷車だ。
「おそらくですが、特産品を募集したのでしょう。
それで、選りすぐりの物を持ってきていると思いますよ。
で、彼は勝手についてきたと。」
「勝手じゃないよ?道中あいつらの飯の世話なんかしたんだよ?」
「んー、なんて言ってた?」
「連れていってやるから手伝えって。ここで売れなきゃただ働きだよ。」
「そんな人いっぱいいるの?」
「俺だけだ。」
「あー。で、持ってきたもの売ってくれるって?」
「自分で売れってマトグラーサの場所に置くなって。
食べ物は置かないからって。」
「で?」
「場所探してるんだ。でも、みんな向こうに行けっていうから。
知ってる人、ねーちゃんがいたから!!」
「おばちゃん、マトグラーサ滅ぼし指数が60になったよ。」
「100ではないのか?100で満点だろ?残念だ。」
「うん、ツイミさんとこの実家があるし、少年がいるからね~。」
「俺、ソヤっていうんだ。」
「うん、ソヤ。で、何持ってきたの?」
「もちろん、豆の塩漬けだよ。
で、もしかしたらねーちゃんいたら買ってくれるかなって、
同じように作ったのもある。買う?」
「買わせていただきましょう!すべてだ!!」
「やった!!」
「モウ?彼を雇いましょう。少し話もしたい。」
「ええ。そうしていただければ。
が、豆、大豆ですね。これは?」
「あの地域は米と豆を作ってますよ。」
「ああ、素晴らしい。さすが、我が主。」
「へー、ねーちゃんの雇主?そっちは?」
「この人はわたしの夫ですよ。」
「ああ、そんな感じだね。」
「少年!これをやろう。」
マトグラーサの人は、ツイミさんもそうだが、その人が喜ぶ言葉を使う。
マティスはおそらく移動させたのであろうクッキーをソヤに渡していた。
「これなに?食べ物?まさか、これが代金とか言わないよね?」
「まさか!あの荷車?あれを含めて前回と同じ、5リングでいいかな?」
「え?今回はそんなにないよ?豆が多い。」
「いいよ。で、ちょっとお仕事しない?
これから会合なんだ。で、荷物の番してくれない?
ちょっと人数が少ないから。手伝ってくれると助かる。
もちろん、それは別料金払うよ。
でね、うちはコットワッツ領国、こちらは領主セサミナ様、
お傍付き次席ドーガー殿、わたしたちは雇われの護衛赤い塊と名乗ってる、
マティスとモウ、ああ、わたしの名前がモウね。
コットワッツはちょっとみんなからなんというか、
あの手この手で嫌がらせというかなんというか。
でね、荷物、コットワッツの荷物を盗みに来る輩もいると思うの。
で、盗られないようにはするけど、
誰もいないんじゃ、いかにも盗んでくださいって感じでしょ?
それもどうなのって。
で、見張りをしていてほしいの。それは5リング。合計10リング。
それから会合が終わったらここで、見本市というか、
各領国で品物の売ったり買ったりするからそれも手伝ってほしい。
おわったら、この塩漬けのことで話があるの。
ああ、それはマティスが食べてほしいってあげたものだから、関係なく食べて?
飲み物も置いておくから。
どうかな?」
「すっげ!10?正直2リング、いや、もしかしたら3ぐらいいくかもは思ったよ?
で、5リング!
で、その倍!うん!見張るよ!だれにも盗ませない!!
これも食べていい?あまい!!すごい!!」
「そう?それはよかった。でね。きっと、誰かが来てこういうかもしれない。
おまえ、ちょっと、向こうにっていってろって。
で、当然、ソヤは断ってくれるでしょ?」
「もちろん。」
「でもね、向こうは、
じゃ、10リング、20リング、
ううん、もっとのお金をくれるかもしれない。」
「え?」
「でもね、頑張って断って?そのかわり、お口開けて?
おいしいものあげるから?」
「え?これより?」
「うん、たぶんね。」
「うん!あー!!」
口に入れるのはマティスだ。
皆にお土産として、タオルと茶葉、
焼いたクッキーは半分は持ち帰りで、
半分はここで食べたのだ。
お土産のクッキーは小さな巾着に油紙で作った袋に入れている。
会合が長引くようなら、ポッケに忍ばせるのがいいですよと、
ファンファンに言えば、さっそく腰に結んでいた。
皆が真似て腰に下げていた。
この袋は蜘蛛の糸が織り込んでいいる。
口に入れれば、ほろりと溶ける。
水分が多少欲しくなるが、口の中の水分を持っていかれることはない。
あとは、ガムと飴。お茶葉入り。
これはカーチとマーロが気に入ったようだ。
テールの分は果実の物に替えてある。
彼へのお土産は山盛りだ。
お子様ランチに付けた木彫りのおもちゃは
ファンファンもお気に入り。
同じように持って帰るそうだ。似顔絵入りの旗も。
「香木を扱っていた方はご存じかもしれませんが、
お茶葉もお香のように焚きますと良き香りがします。
今お飲みのお茶の香りですね。」
食後はほうじ茶だ。
固い根元の方で作っている。
ほうじ茶ラテもいいな。
あの中央院のひとに教えてあげよう。
わたしたちは馬待ちと片付け。
片付けが終わるころチャーたちが帰ってきた。
荷物を運んでもらうので、
会合前に戻してくれるように頼んでいたのだ。
その人が乗ってきた馬と、その人にも休憩してもらう。
「この仕事、ものすごい争奪戦だったんですよ。
馬もですよ?」
コットワッツの館に行けば振る舞いがある。
馬はブラッシングをしてもらえる。
「そうなんですか?しかし、これはお仕事なんですよ?
お食べになったものの感想や要望を紙に、文字か絵でかいてくださいな。
ね?お仕事でしょ?」
「ええ、お仕事ですね!!
んー、量は多めで、日持ちがするもの・・・。」
同じようなアンケートは今回の会談でも取っている。
ざっと読んだだけだが、肉がうまいというのが多い。
切り方、焼き方もあるが、下処理もあるだろう。
上水道、下水道というのは文明の利器の塊なのだと改めて思う。
ここではうまく砂漠石を使う工夫があればいいのに。
そういえば糞尿泥棒はどうなったんだろうか?
あれらを大量に食べる、もしくは分解するものでもあればいいのに。
いや、そうなると生態系が崩れるか。
中央院の厩係りの人を見送ってわたしたちも出発の準備だ。
館は収納だ。
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「異議あり!!」
2回目である。
「なにに?赤い衣裳だろ?
寒さがあるかもしれないからと毛皮のコートも用意した。
飾りは海の赤だ。いいだろ?」
ウサギの奥さんよりきわどい。
あの赤いシンプルなドレスが最終形態になっている。
服というより布?
「赤い塊は護衛です。これでは動けません!!」
「もちろんだ。なので、横に切れ目を入れているだろう?」
「ええ、足開くと見えるよね?蹴りを繰り出したら見えるよね?」
「なので、これを穿けばいい。」
黒のストッキング?どうやって作った?
「あの店の主人に頼んだんだ。
1足5リングで作ってくれた。この柄はダメだが、
無地の物を売り出すそうだ。柄は別料金をもらうということだ。
格安にしてくれたぞ?」
5万円のストッキング?
昔に痩せるストッキングというのを2万円で買ったことがある。
履くのにも苦労するし、気を付けていたのに爪で伝線した。泣いた。
それなのに5万円!蔦模様が入っている。
ん?ラメ?
「ダイヤか!!」
「ああ、一番小さいものだがな。
それはトックスに縫い付けてもらったんだ。」
・・・いつの間に。
「靴の踵は高いがふと目で安定感はある。
ここにも金剛石、ダイヤモンドはつけているぞ?」
「ああ、姉さん。
装飾石の名前は、姉さんが教えてくれた名前を使うことにしましたから。」
それはいいのよ。金剛石が磨かれてダイヤモンドになるというのは。
金剛石もこちらの音ではディアマルトだ。似てなくはない。
そんなことはいいの!
「・・・営業の一環ですか?」
「そうですね。申し訳ないのですが。」
「・・・ダイヤの宣伝だとしてもよ?宣伝するモデル、
んーこの場合見本か?
それがわたしになるわけだ。が、それを良しとする人はいいけど、
わたしを気にくわないとか、根本的に、生理的に受け入れられない人には
宣伝どころが、売れないよ?
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いといってね、いやな奴は当然嫌なんだが、
その来ている服まで憎らしく思うというか、なんというか。
わたしも好みでない俳優が宣伝していた商品は買わなかった。
それ自身はいいものだったのにもかかわらずだ。
宣伝というのは宣伝をする人物にかなり影響されるよ?」
「ええ。姉さんのことを気に入らないという人に、
ダイヤを売る必要はありません。」
「あー、そう来るか。はい、頑張ります。」
「姉さんは姉さんの思うままでいてください。」
今回のトックスさんの良心はどこだろうか?
・・・おなか、腰回りが真綿でしょうか?あったかです。
ああ、血赤サンゴのネックレスとピアスがきれいです。
わたし以外の人が来ていたなら大絶賛なのに!
「どうだ?ダメか?」
「素敵です。ありがとうマティス。おかしくない?笑われない?」
「どうして?次は赤が流行るぞ?」
「そんな人の真似してどうすんの?」
「フレシアの女店主には話しておいたぞ?」
ああ、マティスの情報で世界が動く。
それも己の趣味でだ。
しかし、護衛なのにこのパーティー仕様はやはりおかしくない?
「今回、夜会に呼ばれてるよね?
それには?」
「もちろん護衛として出ていただきたい。」
「そうだよね。その時にこれは着る。が、会合はダメだ。
護衛の着る服ではない!ドーガー!どう思う?」
「え?わたしの意見ですか?
そ、そうですね。目のやり場に困ります。
いえいえ!これは一般論です!」
「ほら!会合でこんなの来たらお下品なんだよ!
夜会の時の服だ。だから今は着ない!」
「そうか?そういわれればそうかもしれないな。
では、これを。大会予選の時の服を真似ている。
私と全くのお揃いだ。ちょっと似せてドーガーのもだ。
コットワッツの従者と護衛の服だな。」
「いいよ!それいいよ!!さすがマティスだ。
じゃ、これは夜会の時ね。」
「ああ。」
・・・・ん?
夜会だって護衛で行くんだからドレスを着ることはない。
あ!!やられたっ。
「マティス?セサミンもだね?ドーガーもかな?
必要ならきちっと着こなします!それが売り上げにつながるならね。
2段階選択法は取らないように!」
「「「????」」」
・・・素か。
「トックスが同じように言っていたな。
服を見せる順番も指示されたんだ。どういうことだ?」
トックス、お前か。
・・・そうだよね、トックスさんは良心はあるけど、
服命だもんね。
どうしてくれようか。
「愛しい人?」
「ううん。じゃ、着替えようね。お揃いっていうのはいいよね。」
今回は最初からトックスプロデュースだ。
セサミンもかっこいいし、ドーガーも、
上品に宝石を使っている。さすがだ。
護衛赤い塊の服はもちろん赤です。
赤いレーザージャケットです。
すごく柔らかいし、軽い。
なんだろ?
「クジラだ。」
おお!染めの技術がすごいな。
マティスはわたしのアクセサリーを付けてくれています。
いつもの奴は外して、白い透明なもの。
「クジラ?」
「そうだ。」
「ありがたいね。骨も皮も使えるのは。
なんといってもお肉がいいものね。」
「クジラ肉は先日頂いたお肉よりうまいのですか?」
髪を後ろに撫でつけてちょっとおしゃれに決めているドーガーが聞いてくる。
先日というのはサイの血抜き方法を変えたものか。
「うまい。非常にうまい。そしてそれ以上になると
肉はもういらないと思うから、干し肉をかじらなければ、
翌日から草食動物になるほどうまい。」
「え?もういらないってこと?」
「そうだ。恐ろしい肉という名だ。
いずれ皆で食べような。干し肉も、トカゲ、サイ、熊、蛇と用意しようか。
あ!熊の左手食べてないね!」
「あれは雨の日のお楽しみだ。」
「おお!!ということで、それ以外のお肉ね。
雨の日前にしようね。雨の日の後は茸祭りに筍祭り!
新年はチョコレート祭りもあるしね。
ドーガーが一番最初に食べるんだから。」
「おおおお!!!!!
はー、我が心は常にチョコレートのお傍に!」
「うわ!とうとうチョコレートに忠誠を誓ったよ!どうなの?これ?」
「なんとも。しかし、わからないこともないので。」
セサミンも楽しそうだ。
わたしも楽しくてマティスに笑顔を向けた。
「ふふ。楽しいね。
そういえば、わたしの匂いはチョコレートに似てるらしいよ?
テール君がゆってた。」
「彼奴は愛しい人に求婚していたな。」
「聞こえてたの?」
「当然だ。が、私を認め、潔く身を引いたからな。
さすがというところか。」
「テール殿がですか?やはり領主なのですね。
しかし、カーチのあの態度がなんとも。」
「だね。匂いを遮断されたからか、そういう作戦なのか。」
「マーロも驚いていたぞ?」
「会合の館全体に膜張ってみようか?」
「できますか?」
「内部からだと難しいけど、館全体を。
で、人の出入りはできるように。張った後に、
風で強制的に空気の入れ替え。
うん、できると思う。」
気圧を少し上げればいのかな?うん。ドーム方式。
急いで出発すれば、
人数が多いためか会合の館前で大渋滞だった。
チャーたちを労って見送り、コンテナ級の箱を下す。
それが各領国、わしゃわしゃとやっているから大変だ。
「ねーちゃん!!」
わたしをねーちゃんと呼ぶのは誰ぞ?
振り返れば大人のような少年、お醤油少年だ。
子供はわたしがどんな格好をしていても見抜く。
「おお!お久!元気?今回の会合も?」
「うん、手伝いだよ。今回は特産品を売れるんだろ?」
「うん。マトグラーサはあれだね。
どうも連絡の伝達がうまくいかないようだね。」
「へ?」
「うん、へだよ。セサミナ様!」
各領国の荷物は金蘭豪華だ。
コットワッツは箱はどうでもいい、中身で勝負。
で、少年が持ってきた荷車はうん、荷車だ。
「おそらくですが、特産品を募集したのでしょう。
それで、選りすぐりの物を持ってきていると思いますよ。
で、彼は勝手についてきたと。」
「勝手じゃないよ?道中あいつらの飯の世話なんかしたんだよ?」
「んー、なんて言ってた?」
「連れていってやるから手伝えって。ここで売れなきゃただ働きだよ。」
「そんな人いっぱいいるの?」
「俺だけだ。」
「あー。で、持ってきたもの売ってくれるって?」
「自分で売れってマトグラーサの場所に置くなって。
食べ物は置かないからって。」
「で?」
「場所探してるんだ。でも、みんな向こうに行けっていうから。
知ってる人、ねーちゃんがいたから!!」
「おばちゃん、マトグラーサ滅ぼし指数が60になったよ。」
「100ではないのか?100で満点だろ?残念だ。」
「うん、ツイミさんとこの実家があるし、少年がいるからね~。」
「俺、ソヤっていうんだ。」
「うん、ソヤ。で、何持ってきたの?」
「もちろん、豆の塩漬けだよ。
で、もしかしたらねーちゃんいたら買ってくれるかなって、
同じように作ったのもある。買う?」
「買わせていただきましょう!すべてだ!!」
「やった!!」
「モウ?彼を雇いましょう。少し話もしたい。」
「ええ。そうしていただければ。
が、豆、大豆ですね。これは?」
「あの地域は米と豆を作ってますよ。」
「ああ、素晴らしい。さすが、我が主。」
「へー、ねーちゃんの雇主?そっちは?」
「この人はわたしの夫ですよ。」
「ああ、そんな感じだね。」
「少年!これをやろう。」
マトグラーサの人は、ツイミさんもそうだが、その人が喜ぶ言葉を使う。
マティスはおそらく移動させたのであろうクッキーをソヤに渡していた。
「これなに?食べ物?まさか、これが代金とか言わないよね?」
「まさか!あの荷車?あれを含めて前回と同じ、5リングでいいかな?」
「え?今回はそんなにないよ?豆が多い。」
「いいよ。で、ちょっとお仕事しない?
これから会合なんだ。で、荷物の番してくれない?
ちょっと人数が少ないから。手伝ってくれると助かる。
もちろん、それは別料金払うよ。
でね、うちはコットワッツ領国、こちらは領主セサミナ様、
お傍付き次席ドーガー殿、わたしたちは雇われの護衛赤い塊と名乗ってる、
マティスとモウ、ああ、わたしの名前がモウね。
コットワッツはちょっとみんなからなんというか、
あの手この手で嫌がらせというかなんというか。
でね、荷物、コットワッツの荷物を盗みに来る輩もいると思うの。
で、盗られないようにはするけど、
誰もいないんじゃ、いかにも盗んでくださいって感じでしょ?
それもどうなのって。
で、見張りをしていてほしいの。それは5リング。合計10リング。
それから会合が終わったらここで、見本市というか、
各領国で品物の売ったり買ったりするからそれも手伝ってほしい。
おわったら、この塩漬けのことで話があるの。
ああ、それはマティスが食べてほしいってあげたものだから、関係なく食べて?
飲み物も置いておくから。
どうかな?」
「すっげ!10?正直2リング、いや、もしかしたら3ぐらいいくかもは思ったよ?
で、5リング!
で、その倍!うん!見張るよ!だれにも盗ませない!!
これも食べていい?あまい!!すごい!!」
「そう?それはよかった。でね。きっと、誰かが来てこういうかもしれない。
おまえ、ちょっと、向こうにっていってろって。
で、当然、ソヤは断ってくれるでしょ?」
「もちろん。」
「でもね、向こうは、
じゃ、10リング、20リング、
ううん、もっとのお金をくれるかもしれない。」
「え?」
「でもね、頑張って断って?そのかわり、お口開けて?
おいしいものあげるから?」
「え?これより?」
「うん、たぶんね。」
「うん!あー!!」
口に入れるのはマティスだ。
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