いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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512:説明下手

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「セサミナ殿とガイライ殿にはわたしが話します。」
「ん?お願いします。」

やはり話下手、説明下手なのだろうか?
師匠が話した内容は王様が来て、妖精の酒を持っていったことだけ。
笑い上戸のあたりは省いていた。
が、服の趣味が悪いということと、
10リングすら持っていないということは話していた。
加減が難しいな。


「王が来ましたか。」
「服の趣味?どのような服だったか聞いても?」
「え?いつもの服だよ?じゃないとわたしも認識できないよ。
別人ってことはないけどね。あの目は特徴ある。
どこみてるかわからない目だから。」
「あれを趣味が悪いと?そう、そうなのかな?」

エルビスプレスリーみたいな、
ジュディオングみたいなひらひらが付いているのだ。

「え?着たいの?」
「着たいというか、あれは妖精の羽根を模していて、
飛ぶというか。」
「妖精には羽根?あんなんだったけ?
というか、羽あった?」

小型はあった。背中に。
大型は?

「あの服のように腕から出るんですよ。」
「おお!デビルウィング!!いや、あれは背中だ。」
「名前があるんですか?」
「そそ。そうか。」

デビルマンでもよかったな。
あだ名。
名前を付けたことは言わないようだ。
では、言わなくてもいいということ。



「それで、姉さんの記憶というか、それがなかったことになったと?」
「それはちょっと違いますね。
気にならないというか、優先順位が最下位になるということでしょうか?
かなり下まで行くので、思い出すまで時間がかかる。
なので、上部のある記憶で補っていきますね。
これ、数学ではよくあるんですよ。よく使う数式に当てはまてしまう。
だから、それらを無視して、どんどん沈んでいけば、たどり着く。
あの定理の時もそうでした。
が、それが終着点だというのがわからないと潜れない。
定理は結果があるので、そこまで潜ればいい。
今回の場合はモウ自身を見たので潜れたと。」
「上のジャグジーや、シャツを見ても何も思わなかった。
兄さんが作ったものだと。」
「わたしはセサミナが作ったんだと思ったぞ?」
「わたしはさすがコットワッツだとしか。」
「そこで、話さないのがまた問題ですね。
話す必要がないという気持ちになっている。」


あの時どうだったと話している間、ソヤは寝息を立てていた。
というより、師匠の気合で気を失い、
ゆっくり眠れという言霊で、爆睡だ。
半分過ぎにボルタオネ一行が来るから、その前に、屋上を修復修繕。
ガイライ達は先に元館があった場所を借りに行った。
交渉次第では買うことになる。
「お金は?」
「あるんだよ。王都で働くって言うのは、桁が違うんだよ。
心配するな。」

ほんとだろうか?
師匠の顔をみると頷いているからそうなのだろう。
財政難というのはそういうところからきているのでは?と思う。


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘





半分前になぜかオート君がやって来た。
各領国の滞在区画、及び滞在館は資産院の管理だからだ。
それがものすごく申し訳なさそうな顔をしている。


「先に。
この区画はボルタオネ領国の滞在区画となりました。
引き渡しは今日、月が昇るまでに。
約定では資産院ある限りコットワッツの滞在区画と定められていましたが、
隣接する森が、ボルタオネの領土となる関係上、協議の結果、この区画も
ボルタオネの管理地となることが望ましい、
それに加え、ボルタオネの滞在地との交換等も
コットワッツが了承したとのこと。
よってここはボルタオネの滞在区画となります。
なお、新たなるコットワッツの滞在地ですが、
当然、旧ボルタオネ滞在地となるのですが、
管理上の不備が見つかりましたので、一時閉鎖。
新たに王都管理地を提供いたします。
その場所は区画番号316-38です。
少し遠いですが、ご了承願いたい。」
「オート院長!あなた!やらかしましたね!!」
「お前がいないからだろ!!
呼びに行くも何もどうすることもできなかったし、
筋も通っていた。
不備も何も、あとはわたしが認めるだけの状態だった。」
「カップ!」
「あっという間でした!離れられない!
モウ様かマティス様を呼ぶ暇もなかった!!
気をオート院長に集中しないとどうなっていたかわからない!!」
「カップを責めるな。
わたしを守ってくれていたんだ。疎くてもそれくらいはわかる。
お前がいても時間稼ぎができるだけで、結局ここになる。
ごねるだけ資産院とコットワッツの印象が悪くなるんだ。」
「中央院?」
「そうだ。それと天文院も来た。」
「オート院長、ワイプ殿。場所はどこでもいいんですよ。
本当です。それで、その場所はどこですか?
番号で言われてもわからないんですよ。」
「外れですよ。ここと同じように。
旧王都と言ってもいい。誰も住んでいないので、汚物の回収も来ない。
井戸も枯れていますよ。」
「モウ、あの場所の近くですよ。これはいいな。」
「あ、そうなの?じゃ、いい場所だ。」
「そのようですね。オート院長、確かに。
ご心配をかけましたね。また、寄ってください。」
「セサミナ殿、そう言っていただけると助かります。
これが鍵となります。
ワイプ!お前も戻ってこい。」
「そうですね。カップ?誰が来たかは覚えていますね?
どこのだれかだけ確認してください。」
「はい。」
「では、オート殿にはわたしが付きましょう。
ニック、引っ越し先の交渉を任せていいか?」
「かまわんよ。俺のほうがいいだろう。」
「オート?気に病むな。何もかもワイプが悪いんだから。」
「マティス殿。しかし、天文院まで出張ってくるのは。」
「謁見の襲撃を防いだのが気にくわないんだろ?
この程度ならかわいいもんだ。カップもな。
優先順位を間違えなかった、偉いぞ。」
「ありがとうございます。」

カップ君は嬉しそうだ。
マティスと師匠はうまく飴と鞭を使い分ける。


しかし、電話の開発が必要だな。


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