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603:一番門から5番門
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タフトは領土の中央をタフト街道と呼ばれる、
いわば、大きな商店街がある。
その終点はグラシオル大陸の中央。
そこまでに検問があり、通行料がいる。
門の数は20。
人は一人、20リング、馬5リング、荷車3リングだ。
売り物の値段は王都の3倍から200倍。
マティスが話してくれた水筒はまだ安い方だったのだ。
物はいいらしい。
マティスもその水筒は長く使ったそうだ。
「そうか!いいものはお高いけど、一生ものなんだね!
そう考えるといい買い物ができるかも!」
「モウちゃん。甘いな。それは相手が王都軍だったからだよ。
それでも、3倍の値段なんだ。相手を見て金額を変えてくるからな。」
「でもいいものなんでしょ?」
「それはそうだが、作っている作り手にその金額が行くわけではない。
じゃ、作ってる奴らから直接買うほうが、安く、いいものが買えるだろ?
それが裏街道だよ。」
「おお!」
まずは、1から5番門まで、正規な道を進んでいく。
お財布係りはわたしだ。
「なんですか?それ?」
「団体行動してるときにお金をバラバラで払ったら時間かかるでしょ?
だから一人がまとめて払うの。このなかのお金はみんなのお金なの。
と、いうことで、検問に払うお金とかを徴収します。
1人とりあえず500リングね。」
「それはわたしが払いますよ。」
「ダメだよ、ガイライ。こういうのはきっちりとね。」
ジャリジャリとなるけど、このお財布は収納袋。
首から下げておいう。
さっそく1番門。ここを通るだけで、5人で100リングだ。
1リング1万円っていう感覚だったが、100万円はないだろう。
ここでは100リング1万円と考えればいいかな?
5番門までは王都人が買いものに来るようで、
比較的安いらしい。
わたしには高いけど。あれか、お高いセレブのスーパーみたいな?
チョコが1つ、1000円で売ってるような?
センスはいいのだろう。が、やはり高い。
百貨店の定価の10倍?
通りは広いのだ。馬車は5台余裕で通れる。
6番門にそのまま行く馬車は真ん中で、後は左右に。
6番門の前で折り返しだそうだ。
基本馬車からこれを、それをと言って買う。
徒歩の客もいるが、後ろにゆっくりと馬車が付いてきている。
馬車無しの客は後ろに従者はいる。
6番門まではそんなに長い距離ではない。
なんというか、まさしくウィンドウショッピング。
親戚のおじさんたちを引き連れて。
客引きなんぞはないのに、店先に商品を並べ、
声掛けもないのでかなり楽しい。
店の人は奥にいるだけ。買う時に店に入る。
この方式良いな。
「愛しい人、楽しそうだ。」
「うん。気がねなく見れるしね。これなんだろう?」
「これは卵置きですね。」
「エッグスタンド?ゆで卵置き?ん?」
「違いますよ。トビヘビのです。貴族は専属を持ってます。
これに置いて、孵るまで自慢する、飾るためのものです。」
「それダメだってビャクが言ってたよね?」
ガイライとニックさんは3つのトビヘビの卵を見つけたので
孵そうとしている。
ビャクに注意点を聞けば、雨の日まで食べるな、
要はあまり触るなということ。
孵るのは雨の日、その時に驚くほど鳥肉を食べるから、
これは多いなという倍は用意しとけと言われた。
その後、置く場所は?という話になったので、
再び聞けば、土の中と似たよなところがいいとのこと。
暗く、暖かいところがいいそうだ。
なので、真綿の布団を竹かごに入れて、絹の被いを作った。
あの、昔懐かしい食べ物をカバーする傘のようなもの。
フードカバーって名前だったかな?うちではご飯の傘って呼んでたけど。
可愛らしくフリルもつけた。
一部はめくれるようになっているので中の様子もわかる。
樹石のカイロまではいらないそうだ。
「そうですね。だから、トビヘビの数は少ないんですね。」
「今どう?」
「気のせいかもしれないんですが、動くんですよ、卵。
印をつけた位置が毎日変わるんです。」
「おもしろいね!」
でも、普通にエッグスタンドは欲しいな。
カリオストロ伯爵の朝食をやってみたい。超半熟卵が食べたい。
おいくら?
「値段とか聞いていいの?」
値札も書いてないし、
買っていく人も聞いていないのだ。
「聞くのはかまいませんが、
聞いて買わないのは、その、あまりよろしくないですね。」
「おお!デルサートル1番街とはまた違った感じですね。」
「あなた、金額聞いて買わなかったんですか?」
「うん、高いんだもん。」
「店の人、変な顔してたでしょ?」
「庶民には高くて買えないけど、
教えてくれてありがとって言いましたよ?」
お礼を言われて変な顔したんじゃなくて、
聞いたのに買わないからだったんだ。
それはお恥ずかしい。
「モウちゃん、見るだけにしとけ。
あとで案内するから。」
「はーい。」
荷重10、膜は張って酸素半分。
これで、普通にあるき、会話をして行く。
幸いして石畳だ。沈むことはない。
食器、布、食料品、武器、馬、その他モロモロの道具。
それを買っていく人たちを見ていたけど、
小さな袋を渡しているだけだ。
ずっしりしているけど、リングだとしたら、500も入っていないだろう。
リングではないのかな?
「中身、確かめてないけど?
リングだと思ったら銅貨だったらどうするんだろ?」
みなが目が点になった。
そんなことをする人間はいないし、そなことそもそも考えが付かないと。
「そんなことないよ?だって、リング箱の取り換え事件があったでしょ?
わたしだったら、あの時点ではきっちり詰めるね。
で、運び出すときにちょろまかす。
魔法の水筒がない前提だけど。」
「どうして?」
「運び出すときには資産院の手から離れるから。
その後の責任はコットワッツだ。
しかも、また、箱を数えたりはしないね。
じゃ、2箱ぐらいとってもばれないから。
例え、コットワッツ側が足りなかったって言ったって、
知らんがな、ですよ。責任の所在が分からない。
あの時点でやってしまった資産院の失敗だよ?」
「資産院って言わないでください。あれは元副院長の犯罪です。」
「ああ、そうだね。これは失礼。うふふふふ。」
「とにかく、あれは銅貨でもリングでもないですよ。
砂漠石に刻印がしています。
袋も資産院の封印がしています。」
「小切手みたいな?それの偽装は?」
「小切手というものがどんなものかわからないですが。
偽装はできませんよ?
ほら、中身は見なくても、石にかざしているでしょ?あれでわかります。
もっと先に行くと資産院経由ですね。」
あのこっぱずかしい言葉が飛び交うのか!
「モウ?わたしも資産院に預けている資産は有りますよ?
なにか欲しいものが見つかれば言ってください。
母に何か贈り物をしたい。」
「ええ子やー。じゃ、遠慮なく頼んじゃうね。
食べ物屋さんに入りたいな。」
「愛しい人?どうして?」
「それはね、マティスの料理のおいしさを再確認したいし、
こんな食べ方もあるんだーって勉強するためですよ?
エスワさんの料理も食べて勉強になるでしょ?
教えてくれるかどうかはわかんないけど。そこは食べて舌で覚えるのよ。」
「なるほど!ガイライ!行こう!!」
「いいな!ガイライのおごりか!裏に行けばうまいものもあるが、
ここももちろんうまい!高いけどな。
それが人の金となるとさらにうまい!行こう!」
「わかるー!!」
6番門までで一番うまい店、つまり、一番お高い店に入ることになった。
みな同じ服を着ている5人組。
一見さんはお断りかと思ったらそうでもない。
素敵な個室に案内された。
料理とお酒はお任せで。
祝いの食事だと伝えている。
なんの?とまでは聞かない。
それなりの料理を持ってくるだろうということ。
「今日はただ、歩いただけだ。
6番から20番まで、どんどん派手になり、
店先には商品は並んでいない。
タフト街道で買い物したといわれるのはここまでだろう。
モウちゃんが話していた、その商人の奥さんもここまでだろうな。」
「じゃ、ここで、値引きセールがあったってこと?
なかったね。」
「スーの話が本当だとしても数年に一度なんでしょ?
今度その奥方に何年前か聞いといてもらえますか?」
「そうだね、うん。聞いてみる。」
「今日はここに泊るのか?」
「飯食ったら、とりあえず、6番に入って外に出る。
そこで野営だな。」
「はい!
お風呂とお便所は設置してもいいですか?」
「あー、そうだな。仕方がないな。いいぞ。」
「よかった。」
道中はやっぱり帰っていたのだ。
仕方がないよね。
買い物客がどうしていたかはわからないけど。
「その、みんなはどうしてたの?
あと、買い物客とか?」
「店で借りるんだろう?客は。
俺たちは、今日はまだしてない。」
「え?びょ、病気になるよ?」
「そんなに水分は取らないないし、そういうからだになるんだよ。
寝る前に出せればいい。」
「すごい!師匠も?」
「わたしは2、3日大丈夫ですよ?」
「いや、それは病気だ!!あんだけ食べるのに!!」
「いや、そうなってるんで。」
「ちょっと、そこらへんは詳しく聞きたいけど、
女性がこういう話をするのは、
良くないってテール君にたしなめられてるから、
うん、やめとく。ご飯前だしね。」
「テール殿って、ボルタオネ領主ですよね?
はははは!!さすが、3歳に領主になられることはありますね!」
「彼は、わたしに求婚してくれたんですよ?
マティスが唯一だと言ったら諦めてくれましたが。」
「それも素晴らしい!」
そんな話をしつつ、やっと料理が出てきた。
大皿料理だ。
コースじゃないのね。
「おさかなもある!カニも!どうやって運んだんだろ?」
「氷室馬車がございます。
俊足馬、8頭にて眠らずに走ります。
会わずの月が終わりましたらすぐに出発で。
お客様は良い時にお越しくださいました。」
嫌味なく説明してくれた。
んー、冷凍馬車を売り込みたい。しかし、タフト領主には宣伝したはず。
「それはすごいですね。」
「ええ。しかし、これから、いつでも良い魚、カニが食せますよ?
コットワッツ製の冷凍馬車をご存じですか?それを購入しましたから。」
「それもすごい!」
お料理はこっちに来てから食べたものの中でも上位に入るもの。
素材のお味だけ、濃い味ではなく、本当においしい。
が、一位ではない。
一位はやはりクジラ肉だ。
ちなみにマティスの料理はランク外だ。
魚のポアレ、カニのみそを和えたもの、ポットとじゃがいもの煮物、
ステーキ、ハンバーグもあった。
「愛しい人?嬉しそうだ。そんなにおいしいか?」
「おいしいよ?おいしく食べようって努力したのがわかるもの。
魚も骨を取っているし、生臭くないでしょ?
どんだけお金をかけたかわからないけど、
馬車にに詰めれるだけの氷を入れて運んでいるんだよ?
その食べるために努力してるでしょ?
魚を冷やしきっているから生臭くないのかもしれないね。
お金がかかるのは仕方がないけどね。
そうか、おいしくなるのは知ってても、
先にタフトのようにお金を掛ければそうだろうって
思っちゃてるからかな?だから誰も試さないとか?」
「?」
「例えばさ、すごく強い人がいるとするでしょ?
んーマティスよりも師匠よりももっとね。で、あまりにも強すぎるとさ、
そこに行きつく努力を放棄するというか、
あの人たちはものすごく努力をしたからそうなったのであって、
凡人のわたしがやってもどうせ、そこまで強くなれないって考えちゃうの。
ふふ、ニックさんの甥っ子さんのように、努力するのを躊躇するタイプね。
ああ、マティスたちはそれに近づこうと努力するでしょ?
そうならない人もいるってこと。
それが食に関しても大抵そうなのかな?」
「面白い考え方ですね。
お金を出して食べれるなら自分でしようとも思わないですしね。
わたしは。」
「わたしも!母さんがしてくれるからね。
もー、ほんと、わたしのなんていうの?家事をしているところを、
母さんと友達に見せたい!!
きっと、明日は雨が降る、いや、嵐が来るっていうね!」
「雨?あらし?」
「いつもしないことをすると雨が降るっていうの。嵐っていうのない?
雨と風がそれはもう、ひどい。立ってられないくらい。
木もおれるし、川は氾濫するし。大波は来るしね。
津波、海雪崩はあるんでしょ?どんな時に?地震?」
「地震と、あとは前触れなく。」
「いや、地震も前触れないでしょ?」
「一月前には通達が来る。大体年末だな。」
「なにそれ?んー、地震。地面が揺れる。それはなんで起きるか知ってる?」
「・・・・それを知っているのは中央天文院だけです。」
「あー、そうなんだ。うん。年末気を付けよう。
それはどれぐらいの揺れ?コットワッツの変動みたい?
王都で感じたぐらい?」
「そうですね。同じぐらいと言われればそうですね。」
「マティスは?砂漠でも感じるの?」
「ああ。年末だろ?揺れるな。」
「どれぐらい?表現しにくいか。」
「ゆらゆらがもっと細かく、長い。今日やってやろう。」
「あ、そうなの?うん。お願いします。 」
「なんだ?そのゆらゆらって?」
「ああ、それは
「鍛練!鍛錬ですよ!!気にしないで!!」
恥ずかしい!
「そう、そうか。」
食事も進み、お酒も進む。
最後はやっぱり甘味だ。
「プリン!!」
出て来たのはプリンだった。
「卵にこだわりがございまして。
ニワトリではなく、陸鳥の卵でございます。」
「陸鳥!それは珍しい!」
「今この時期だけの物です。本当にお客様がたは良い時期いらっしゃった。」
「どんな鳥ですか?」
「ニワトリと違って飛ばないんですが、走るのが速いですね。」
「アヒル?」
「アヒルより、首が長くて、足も長い。
飛ばないので羽根は短いです。」
「飛ばないのに鳥?」
「愛しい人の故郷のように詳しくは分類されていないんだ。
飛ぶからトリ、羽に毛があるからトリとなる。」
「マティスは知ってる?絵に書ける?」
「もちろん。」
書いてもらったのはどこかで見たことのあるような鳥。
どこで?
「どこかで見たことあるような気がする。」
「故郷でもいるのではないか?」
「いや、だったらすぐに言える。
鳥?
とり?
あー!!水飲み鳥の帽子のないの!
あはははははは!!見たい!これみたいな!!」
「それがいるところに野営するか?
今夜の鍛錬はそいつを捕まえることにしよう。」
「え?食べるの?」
「・・・・食べない。裏街道を移動するには有ったほうが便利だからな。
乗るんだよ。」
「おお!それは楽しそうだ。」
「あははは!楽しいかどうかは、ま、お楽しみにだな。」
なんだろ?すごく臭いとか?狂暴とか?_
いや、このプリンに使ってるくらいだ。一部は家畜化されていると見た!
それにわたしは動物には好かれるはず!
みんなが少し笑っているのが気になった。マティスもだ。
ムカつくから、プリンは移動して没収だ!
んーうまい!!
いわば、大きな商店街がある。
その終点はグラシオル大陸の中央。
そこまでに検問があり、通行料がいる。
門の数は20。
人は一人、20リング、馬5リング、荷車3リングだ。
売り物の値段は王都の3倍から200倍。
マティスが話してくれた水筒はまだ安い方だったのだ。
物はいいらしい。
マティスもその水筒は長く使ったそうだ。
「そうか!いいものはお高いけど、一生ものなんだね!
そう考えるといい買い物ができるかも!」
「モウちゃん。甘いな。それは相手が王都軍だったからだよ。
それでも、3倍の値段なんだ。相手を見て金額を変えてくるからな。」
「でもいいものなんでしょ?」
「それはそうだが、作っている作り手にその金額が行くわけではない。
じゃ、作ってる奴らから直接買うほうが、安く、いいものが買えるだろ?
それが裏街道だよ。」
「おお!」
まずは、1から5番門まで、正規な道を進んでいく。
お財布係りはわたしだ。
「なんですか?それ?」
「団体行動してるときにお金をバラバラで払ったら時間かかるでしょ?
だから一人がまとめて払うの。このなかのお金はみんなのお金なの。
と、いうことで、検問に払うお金とかを徴収します。
1人とりあえず500リングね。」
「それはわたしが払いますよ。」
「ダメだよ、ガイライ。こういうのはきっちりとね。」
ジャリジャリとなるけど、このお財布は収納袋。
首から下げておいう。
さっそく1番門。ここを通るだけで、5人で100リングだ。
1リング1万円っていう感覚だったが、100万円はないだろう。
ここでは100リング1万円と考えればいいかな?
5番門までは王都人が買いものに来るようで、
比較的安いらしい。
わたしには高いけど。あれか、お高いセレブのスーパーみたいな?
チョコが1つ、1000円で売ってるような?
センスはいいのだろう。が、やはり高い。
百貨店の定価の10倍?
通りは広いのだ。馬車は5台余裕で通れる。
6番門にそのまま行く馬車は真ん中で、後は左右に。
6番門の前で折り返しだそうだ。
基本馬車からこれを、それをと言って買う。
徒歩の客もいるが、後ろにゆっくりと馬車が付いてきている。
馬車無しの客は後ろに従者はいる。
6番門まではそんなに長い距離ではない。
なんというか、まさしくウィンドウショッピング。
親戚のおじさんたちを引き連れて。
客引きなんぞはないのに、店先に商品を並べ、
声掛けもないのでかなり楽しい。
店の人は奥にいるだけ。買う時に店に入る。
この方式良いな。
「愛しい人、楽しそうだ。」
「うん。気がねなく見れるしね。これなんだろう?」
「これは卵置きですね。」
「エッグスタンド?ゆで卵置き?ん?」
「違いますよ。トビヘビのです。貴族は専属を持ってます。
これに置いて、孵るまで自慢する、飾るためのものです。」
「それダメだってビャクが言ってたよね?」
ガイライとニックさんは3つのトビヘビの卵を見つけたので
孵そうとしている。
ビャクに注意点を聞けば、雨の日まで食べるな、
要はあまり触るなということ。
孵るのは雨の日、その時に驚くほど鳥肉を食べるから、
これは多いなという倍は用意しとけと言われた。
その後、置く場所は?という話になったので、
再び聞けば、土の中と似たよなところがいいとのこと。
暗く、暖かいところがいいそうだ。
なので、真綿の布団を竹かごに入れて、絹の被いを作った。
あの、昔懐かしい食べ物をカバーする傘のようなもの。
フードカバーって名前だったかな?うちではご飯の傘って呼んでたけど。
可愛らしくフリルもつけた。
一部はめくれるようになっているので中の様子もわかる。
樹石のカイロまではいらないそうだ。
「そうですね。だから、トビヘビの数は少ないんですね。」
「今どう?」
「気のせいかもしれないんですが、動くんですよ、卵。
印をつけた位置が毎日変わるんです。」
「おもしろいね!」
でも、普通にエッグスタンドは欲しいな。
カリオストロ伯爵の朝食をやってみたい。超半熟卵が食べたい。
おいくら?
「値段とか聞いていいの?」
値札も書いてないし、
買っていく人も聞いていないのだ。
「聞くのはかまいませんが、
聞いて買わないのは、その、あまりよろしくないですね。」
「おお!デルサートル1番街とはまた違った感じですね。」
「あなた、金額聞いて買わなかったんですか?」
「うん、高いんだもん。」
「店の人、変な顔してたでしょ?」
「庶民には高くて買えないけど、
教えてくれてありがとって言いましたよ?」
お礼を言われて変な顔したんじゃなくて、
聞いたのに買わないからだったんだ。
それはお恥ずかしい。
「モウちゃん、見るだけにしとけ。
あとで案内するから。」
「はーい。」
荷重10、膜は張って酸素半分。
これで、普通にあるき、会話をして行く。
幸いして石畳だ。沈むことはない。
食器、布、食料品、武器、馬、その他モロモロの道具。
それを買っていく人たちを見ていたけど、
小さな袋を渡しているだけだ。
ずっしりしているけど、リングだとしたら、500も入っていないだろう。
リングではないのかな?
「中身、確かめてないけど?
リングだと思ったら銅貨だったらどうするんだろ?」
みなが目が点になった。
そんなことをする人間はいないし、そなことそもそも考えが付かないと。
「そんなことないよ?だって、リング箱の取り換え事件があったでしょ?
わたしだったら、あの時点ではきっちり詰めるね。
で、運び出すときにちょろまかす。
魔法の水筒がない前提だけど。」
「どうして?」
「運び出すときには資産院の手から離れるから。
その後の責任はコットワッツだ。
しかも、また、箱を数えたりはしないね。
じゃ、2箱ぐらいとってもばれないから。
例え、コットワッツ側が足りなかったって言ったって、
知らんがな、ですよ。責任の所在が分からない。
あの時点でやってしまった資産院の失敗だよ?」
「資産院って言わないでください。あれは元副院長の犯罪です。」
「ああ、そうだね。これは失礼。うふふふふ。」
「とにかく、あれは銅貨でもリングでもないですよ。
砂漠石に刻印がしています。
袋も資産院の封印がしています。」
「小切手みたいな?それの偽装は?」
「小切手というものがどんなものかわからないですが。
偽装はできませんよ?
ほら、中身は見なくても、石にかざしているでしょ?あれでわかります。
もっと先に行くと資産院経由ですね。」
あのこっぱずかしい言葉が飛び交うのか!
「モウ?わたしも資産院に預けている資産は有りますよ?
なにか欲しいものが見つかれば言ってください。
母に何か贈り物をしたい。」
「ええ子やー。じゃ、遠慮なく頼んじゃうね。
食べ物屋さんに入りたいな。」
「愛しい人?どうして?」
「それはね、マティスの料理のおいしさを再確認したいし、
こんな食べ方もあるんだーって勉強するためですよ?
エスワさんの料理も食べて勉強になるでしょ?
教えてくれるかどうかはわかんないけど。そこは食べて舌で覚えるのよ。」
「なるほど!ガイライ!行こう!!」
「いいな!ガイライのおごりか!裏に行けばうまいものもあるが、
ここももちろんうまい!高いけどな。
それが人の金となるとさらにうまい!行こう!」
「わかるー!!」
6番門までで一番うまい店、つまり、一番お高い店に入ることになった。
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一見さんはお断りかと思ったらそうでもない。
素敵な個室に案内された。
料理とお酒はお任せで。
祝いの食事だと伝えている。
なんの?とまでは聞かない。
それなりの料理を持ってくるだろうということ。
「今日はただ、歩いただけだ。
6番から20番まで、どんどん派手になり、
店先には商品は並んでいない。
タフト街道で買い物したといわれるのはここまでだろう。
モウちゃんが話していた、その商人の奥さんもここまでだろうな。」
「じゃ、ここで、値引きセールがあったってこと?
なかったね。」
「スーの話が本当だとしても数年に一度なんでしょ?
今度その奥方に何年前か聞いといてもらえますか?」
「そうだね、うん。聞いてみる。」
「今日はここに泊るのか?」
「飯食ったら、とりあえず、6番に入って外に出る。
そこで野営だな。」
「はい!
お風呂とお便所は設置してもいいですか?」
「あー、そうだな。仕方がないな。いいぞ。」
「よかった。」
道中はやっぱり帰っていたのだ。
仕方がないよね。
買い物客がどうしていたかはわからないけど。
「その、みんなはどうしてたの?
あと、買い物客とか?」
「店で借りるんだろう?客は。
俺たちは、今日はまだしてない。」
「え?びょ、病気になるよ?」
「そんなに水分は取らないないし、そういうからだになるんだよ。
寝る前に出せればいい。」
「すごい!師匠も?」
「わたしは2、3日大丈夫ですよ?」
「いや、それは病気だ!!あんだけ食べるのに!!」
「いや、そうなってるんで。」
「ちょっと、そこらへんは詳しく聞きたいけど、
女性がこういう話をするのは、
良くないってテール君にたしなめられてるから、
うん、やめとく。ご飯前だしね。」
「テール殿って、ボルタオネ領主ですよね?
はははは!!さすが、3歳に領主になられることはありますね!」
「彼は、わたしに求婚してくれたんですよ?
マティスが唯一だと言ったら諦めてくれましたが。」
「それも素晴らしい!」
そんな話をしつつ、やっと料理が出てきた。
大皿料理だ。
コースじゃないのね。
「おさかなもある!カニも!どうやって運んだんだろ?」
「氷室馬車がございます。
俊足馬、8頭にて眠らずに走ります。
会わずの月が終わりましたらすぐに出発で。
お客様は良い時にお越しくださいました。」
嫌味なく説明してくれた。
んー、冷凍馬車を売り込みたい。しかし、タフト領主には宣伝したはず。
「それはすごいですね。」
「ええ。しかし、これから、いつでも良い魚、カニが食せますよ?
コットワッツ製の冷凍馬車をご存じですか?それを購入しましたから。」
「それもすごい!」
お料理はこっちに来てから食べたものの中でも上位に入るもの。
素材のお味だけ、濃い味ではなく、本当においしい。
が、一位ではない。
一位はやはりクジラ肉だ。
ちなみにマティスの料理はランク外だ。
魚のポアレ、カニのみそを和えたもの、ポットとじゃがいもの煮物、
ステーキ、ハンバーグもあった。
「愛しい人?嬉しそうだ。そんなにおいしいか?」
「おいしいよ?おいしく食べようって努力したのがわかるもの。
魚も骨を取っているし、生臭くないでしょ?
どんだけお金をかけたかわからないけど、
馬車にに詰めれるだけの氷を入れて運んでいるんだよ?
その食べるために努力してるでしょ?
魚を冷やしきっているから生臭くないのかもしれないね。
お金がかかるのは仕方がないけどね。
そうか、おいしくなるのは知ってても、
先にタフトのようにお金を掛ければそうだろうって
思っちゃてるからかな?だから誰も試さないとか?」
「?」
「例えばさ、すごく強い人がいるとするでしょ?
んーマティスよりも師匠よりももっとね。で、あまりにも強すぎるとさ、
そこに行きつく努力を放棄するというか、
あの人たちはものすごく努力をしたからそうなったのであって、
凡人のわたしがやってもどうせ、そこまで強くなれないって考えちゃうの。
ふふ、ニックさんの甥っ子さんのように、努力するのを躊躇するタイプね。
ああ、マティスたちはそれに近づこうと努力するでしょ?
そうならない人もいるってこと。
それが食に関しても大抵そうなのかな?」
「面白い考え方ですね。
お金を出して食べれるなら自分でしようとも思わないですしね。
わたしは。」
「わたしも!母さんがしてくれるからね。
もー、ほんと、わたしのなんていうの?家事をしているところを、
母さんと友達に見せたい!!
きっと、明日は雨が降る、いや、嵐が来るっていうね!」
「雨?あらし?」
「いつもしないことをすると雨が降るっていうの。嵐っていうのない?
雨と風がそれはもう、ひどい。立ってられないくらい。
木もおれるし、川は氾濫するし。大波は来るしね。
津波、海雪崩はあるんでしょ?どんな時に?地震?」
「地震と、あとは前触れなく。」
「いや、地震も前触れないでしょ?」
「一月前には通達が来る。大体年末だな。」
「なにそれ?んー、地震。地面が揺れる。それはなんで起きるか知ってる?」
「・・・・それを知っているのは中央天文院だけです。」
「あー、そうなんだ。うん。年末気を付けよう。
それはどれぐらいの揺れ?コットワッツの変動みたい?
王都で感じたぐらい?」
「そうですね。同じぐらいと言われればそうですね。」
「マティスは?砂漠でも感じるの?」
「ああ。年末だろ?揺れるな。」
「どれぐらい?表現しにくいか。」
「ゆらゆらがもっと細かく、長い。今日やってやろう。」
「あ、そうなの?うん。お願いします。 」
「なんだ?そのゆらゆらって?」
「ああ、それは
「鍛練!鍛錬ですよ!!気にしないで!!」
恥ずかしい!
「そう、そうか。」
食事も進み、お酒も進む。
最後はやっぱり甘味だ。
「プリン!!」
出て来たのはプリンだった。
「卵にこだわりがございまして。
ニワトリではなく、陸鳥の卵でございます。」
「陸鳥!それは珍しい!」
「今この時期だけの物です。本当にお客様がたは良い時期いらっしゃった。」
「どんな鳥ですか?」
「ニワトリと違って飛ばないんですが、走るのが速いですね。」
「アヒル?」
「アヒルより、首が長くて、足も長い。
飛ばないので羽根は短いです。」
「飛ばないのに鳥?」
「愛しい人の故郷のように詳しくは分類されていないんだ。
飛ぶからトリ、羽に毛があるからトリとなる。」
「マティスは知ってる?絵に書ける?」
「もちろん。」
書いてもらったのはどこかで見たことのあるような鳥。
どこで?
「どこかで見たことあるような気がする。」
「故郷でもいるのではないか?」
「いや、だったらすぐに言える。
鳥?
とり?
あー!!水飲み鳥の帽子のないの!
あはははははは!!見たい!これみたいな!!」
「それがいるところに野営するか?
今夜の鍛錬はそいつを捕まえることにしよう。」
「え?食べるの?」
「・・・・食べない。裏街道を移動するには有ったほうが便利だからな。
乗るんだよ。」
「おお!それは楽しそうだ。」
「あははは!楽しいかどうかは、ま、お楽しみにだな。」
なんだろ?すごく臭いとか?狂暴とか?_
いや、このプリンに使ってるくらいだ。一部は家畜化されていると見た!
それにわたしは動物には好かれるはず!
みんなが少し笑っているのが気になった。マティスもだ。
ムカつくから、プリンは移動して没収だ!
んーうまい!!
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転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
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※カクヨムにも投稿しています
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