いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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609:ボール

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いい大人が5人。
1mほどのバラスンボールに座ってボヨンボヨンしている。
同じような髪形、お揃いの服を着ているから、
傍から見ればさぞ、面白かろう。

が、それを見ているのは20匹の陸鳥だ。
物知らずだな人間だと笑うたんびにかなりの気を喰らっている。
ここで、笑えばどうなることか。

が、当の5人はキャッキャウフフでボヨンボヨン。
うむ。
取手を付けてまたがっればボヨンボヨンする馬になるかな?
一度乗ってみたいと思っていたんだ。
あれは子供用だったから。

さっそく変形。


「あはははははは!これで、移動できますよ?」
「お?お?おお!!!いいな!!」

遠目には馬に乗ってるってみえるかしら?
おバカにしか見えなか。



結局、みなでがっつり食べて、お酒も飲んで、
再度尋問をはじめてもだんまりだ。


「食べれんのでしょ?羽毛もないしな。んー。
臭いって血が?肉が?なんでだろう?
どんな臭いなんですか?」
「ただ臭いというだけだな。王都の下町の一番臭いにおいの強烈なものだな。
肉を食う動物は臭いよ。そう思うとトラはうまくはないが臭くはなかったな。」
「やっぱり、雑食は臭いと。
あ!あの本に載ってない?」
「!陸鳥とは書いていなかったが、ピクトの荒野の項目はあったぞ?
ああ!これか!

脚速き獣、馬並みに賢いとだけだな。」


ピーーーーーーー!!!
馬以上だ!!


「それはないな。馬は博識だぞ?
もちろんキャムロンのことも知っていたしな。
そう思えば人は物知らずだ。
では、これぞということを教えてくれるか?
物知らずな人間に。
それと引き換えに、放してやろうか?
くだらんことだと、その首周りの皮、玉虫色できれいだ、
そしてその爪もな。それを装飾品としてもらおう。
ん?死ぬということだ。
血を流さない処分法は知ってる。
ここは人間の方が知恵があるな。
ものによっては、さっきの干し肉と水、もっと出してやるぞ?キトロスもな。
さ、どうする?」

この駆け引きはあとで師匠とガイライに褒められた。
が、毎回食料が豊富にあるわけじゃやないから、
圧で押し通してもいいんですよ、とのこと。



早い者勝ちのようにこれはという話をあげていく。
いつ?だれが?何人で?どこからどこに?
風体もなかなかに特徴を掴んでいる。


先においしいもの情報は聞き出した。
が、一番うまいものは人間となったので、あまり参考にならない。

では、食べるけどそんなにおいしくないものは?と聞くと
ギーの卵だと。
それをうまいと言って食べる人はやはり物知らずだと言われた。
後は気になるところで、砂がうまいと。


「やっぱり!!」
「愛しい人、おそらく違うぞ?」
「え?そうかな?
食べた後はどうするの?吐き出すの?そのまま?」

そのままだそうだ。
消化を助けるため?
ガッスルの砂ずりはおいしいからね。
陸鳥のそこはおいしいかも。
会話がここまで成立しているものを食べるのはやはり抵抗があるな。
これから気を付けよう。

しかし、砂か。
まさか大量に派生した虫とかいわないよね?
どっかの国ではミネラルを補給するために砂を食べると聞いたことがあるから
それかな?
動物もミネラル摂取の為たべているとか。
特定の場所の砂だけだといった。
じゃ、そこから湧き出る水があったらおいしいのかも!


師匠とガイライは情報の確認で、
王都とこことを往復している。
ニックさんは常に威圧を掛けている。

街道外をそれこそ、陸鳥で移動する道からかなり外れて、
マティスとわたしは野営地づくりだ。
露天風呂も作っている。

詳しくわたしが聞く必要もない。

遠くにタフト街道の月より明るい光が見える。
これはこれできれいだ。



殺すつもりもないので、
それなりに干し肉とキトロス、水とを出し、
最後の1匹の話が終わった。


「師匠?大体は聞けました?」
「ええ。これ、鍛錬よりも、先に10番門街に行きたいですね。
例の参戦者たちが泊まるようですよ?
コットワッツの宝石類のお披露目を見に。」
「じゃ、外部の?」
「いえ、国内の方々も。」
「へ?わざわざ泊りで?」
「コットワッツのものよりタフト街道の方が
より良いものが有ると、タフト側が誘ったようですね。」
「領主?」
「いえ、別口です。」
「おお!いろいろだーねー。」







「陸鳥はいらんな。試しに食べてみるか?」
ニックさんが聞いてくる。
「いやーさすがにそれはちょっと嫌かな?
食べる動物とは話ができるっていうのはダメだから。
どうします?話ができるっていうの解除しますか?
スーやくーちゃん、ビャクにはこういうのはこういうのしませんよ?
今回は特別ってことで。」
「ま、そうだな。ガイライ!ワイプ!
話はこのままできるようにしてもらうか?」

戻ってきた2人に確認している。
とりあえずそのままということで。

では、皆さん解散ですよということに。

まー、あらゆる悪態をつかれました。
月無し石と音石君を仕込まれているのにね。
んー、ちょっと酷いか。
が、仕方なし。
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