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673:求婚
しおりを挟む「虫?」
そうだな
なんだと言われれば虫だ
「コクの括りはアバウトだし、範囲が広い。
詳しく聞くにもわたしの知識が乏しいしのよね。
んー、これ、顔につけてもいい?」
・・・・
香人?
「なんで、マティスにそんな顔を向けるのよ!
って、マティスもおんなじ顔!
ぶひゃひゃひゃ!!あ、この笑いは下品だ、んっんっ。」
陸鳥の砂と、これを使ってファンデーションは無理だが、
フェイスパウダーは大丈夫だと思う。
その話をしたが、理解はしてくれなかった。
それは虫ではないからいいだろうが
虫の時はダメだ
あの虫とは違うが操る
望むように
「報酬で?
クジラ石はそんなのないよね?」
報酬ではない
その虫とあの虫は似て非なるものだ
「これね、桑の葉についてるものなんだ。
つけているのか、そこから発生しているのかはわからないけど。
桑の葉が好きってわけでもない。
で、コールオリンは好きみたい。
最後は海からもらった球体に集まって死んだみたいなんだ。」
それをみたのか?
「見れるようにしたの。
膜の中でね。こう、少しずつ絵にかいたみたいな?
まじかで見てないよ?」
人というのは面白いな
その白い虫はは火にくべれば同じようになる
海の玉は火と同じだ
「海の玉?」
虫が火に向かって燃え死ぬということだったんだろうか?
事細かに聞いたところで謎が深まるばかりだ。
人に悪いかそうでないかだけ教えてもらえればいい。
青い花も押し花の状態で見てもらったが、
おもしろい花だとだけ。
そこからコクとの写真撮影会に。
マティスの騎乗姿がもう、鼻血がでそう。
これはセサミンへ贈呈だ。額に入れたい。
わたしもマティス作のネグリジェ風ドレスをきて写真を撮られた。
もちろん、透けているタイプではない。
髪もおろすんですか?そうですか。
コクも欲しがる。
「どこに飾るの?」
ふふふふ
笑うだけだった。
「コクよ。
どうしてもという時はしかたがないが、
愛しい人の写し絵は誰にも見せてはいけない。
コクだからそれを譲ったんだ。いいな?」
マティスが威圧を掛けているが、
コクはそんなのどうってことない。
そうだな
では2人の写し絵もほしい
2人と、
コクを真ん中に挟んでの写真を。
いや、ほんとどこに飾るの?もっとくの?
賞金稼ぎバージョンは熊の着ぐるみを着てのポーズも取った。
もちろん真ん中はコクだ。コクにも熊耳をつけた。
たぬきの丸い耳、ちょっと大きめ。
「かわいい!!
これはセサミンにもあげていい?」
・・・・
「・・・・・。」
なにもいわないからいいだろう。
ここは呪いの森だ。
コーヒー豆はうれしいかったと、
今回のお礼にまたお裾分け。
ウォーマーでは入れられない、お高いコーヒーを飲んで別れた。
宿に戻れば、宴もたけなわ。
パーニュさんが端の方でうなだれている。
あとは宴会だ。マティスに色目を使っていた女共も飲んでいる。
化粧はしてもらっているが、それは酒を呑んで赤いのか、
頬紅なのか分からない。
奥方2人に、娘さんは2人って言ってたから、あとは息子の嫁か?
数が合わないけど、お孫さんもいるんだ、
全員来ているわけでもないな。
パーニュさんの横にいるのは母上と、
こっちに1人いた。
かわいい女の子だ。娘さんだね。
「パーニュ殿?お疲れ様。
どうですか?まずは休憩しましょう?
セセ?パーニュ殿にマッサージしてあげてくれる?
掌と腕が疲れてるから。」
「ソソ様!ソソ様!!」
なんか半泣きだ。
頑張ってるんだけど、答えが出ない。手ごたえがない。
女どもは感謝もないのだろう。
これはつらいな。
「うん。頑張ったね。大丈夫。でも、疲れてたらどうにもならないからね。
今度は自分が体験してみて?
ご母堂もお疲れ様です。甘味で疲れを取りましょう。
可愛いお嬢さんもね。」
「・・・・男です。」
「あら!可愛いからてっきりお嬢さんだと思っちゃった。
そうね、可愛いに性別関係ないね。
ちなみにうちのセセにはいつも可愛いってゆってるの。
可愛いでしょう?」
「・・・・。」
「うふふふふ。あなたも休憩しようね。」
女の子だとおもんだけど。
師匠に骨格の見分け方を教わっている。
心と体が違うのかな?
これからはかわいい子にはかわいこちゃんって呼べばいいのかな?
それも違うような。
わたしにすればみんなかわいこちゃんだ。
そのまま中庭の端でお茶会だ。
ニックさんはここの宿の主、フォンナさんと話し込んでいる。
20年分の変化を仕入れているとのこと。
2人にアップルパイとシフォンケーキを出して、
飲み物は紅茶かな?
パーニュ殿は寝椅子に座ってもらい、
まずは足湯とホットアイマスク。
床屋さんマッサージをしながら、掌のツボ押し。
二の腕をほぐしながら首周りも。
その後首にもホットタオル。
肩を揉めば、はいすっきり。
施術はマティスだ。
最後に冷たいおしいお水。
栄養剤1滴入り。
「ーーーーーー。」
その後、
同じように甘味と紅茶で一息ついた。
その間、一言も発せず。
心配そうにかわいこちゃんが見つめている。
「どうでしたか?
男の方でも、さっきのは気持ちいいでしょ?」
「ソソ様!ソソ様!」
「うん。みなさん、すっきりしているお顔になってると思うんですが、
酔って頬が赤いのか頬紅かわかんないですね。
皆さんからの反応は?」
「・・・・。」
「マッサージまではいかなかったのかな?
顔そりと眉毛と頬紅?
みんな嫌がったの?」
「・・・そうです。」
「それは仕方がないかな?なかなか異性の人に体のあちこちを
触られるのは抵抗あるからね。それが旦那でも親でも。
化粧はさせてくれたのね?」
「ええ。」
「それは良かった。本題はそこだからね。
じゃ、うまくできるかやって見せてくれる?
誰か、まだしてもらってないひとっているかな?
ああ、わたしはダメよ?わたしの化粧は専属でセセがするから。」
「・・・・・」
「パーニュ殿?もうすぐ月も沈む。
わたしたちは半分過ぎにはここを出ます。
あなたにはこれから世話になる。
化粧水を樽で仕入れることができるから。
ここで宿を開くのでしょ?おいしいご飯と女性好みの商品。
なにが不安?」
「・・・・妻たち、息子たち、娘もですが、19番門で宿を引き継ぎ、
ザスと遊女も扱うと。」
そんな話を聞いているうちに息子たちは
ゾロゾロと帰っていく。
え?礼も後片付けもなし?
なんだと思って飲み食いしていたんだろう?
ニックさんとフォンナさんもあきれてみていた。
「パーニュ殿?
もともと一族の中で、
パーニュ殿の経営方針には反対があったということかな?
女衆を集めるのに時間がかかるわけだ。
が、それは身内のこと。
それで?パーニュ殿も19番門に戻られますか?
ミフィルとの取引は今の段階でできるでしょう。
ああ、化粧水の件はうまくいけばでいいので。気になさらずに。」
「化粧法は娘や息子の嫁、わたしの妻にも施しました。
彼らが取引に使うでしょう。遊女にもしてもらうから、
逆にわたしはそれを取引の手段にはできない。」
「あらら。パーニュ殿の奥方たちも賛成なのね?」
「ええ。」
「そうですか。
えっと、それは他人がとやかく言うことではないですよね?
だけど、今回のことが発端なら、ちょっと、申し訳ないです。」
「ソソ殿?それは関係ないですよ。
いつかの時が今だっただけです。」
「ご母堂は一緒に戻らなくていいのですか?」
「わたしがもともとザス嫌いなんですよ。娼館もね。
この子はそれを引き継いだんですよ。
なにもそれがダメだとは言わない。
ただ、嫌だっただけ。
わたしの他の息子たちは娼館を営んでます。
あの宿は夫とわたしが築いたもの。
ザスと娼館を扱わないという条件で末の息子パーニュに譲りました。
が、ザスが再び入ってきた今となっては。
顔役から扱わないのなら10番門でといわれれば、仕方がありません。
あの宿はあきらめるしかない。
ここからまた始めます。」
「そうでしたか。
では、ミフィルに化粧法を披露するのは、
帰っていった人たちが?
どこまで披露したの?」
「顔そりと眉の長さを形を揃えること、
頬紅を薄っすらつけること。」
「筆で?布で?」
「布です。」
「ふーん。いいんじゃないの?」
みんなに化粧を施してから、そういわれたんだろうな。
もう、父ちゃんガックシってやつだね。
「パーニュ!いいのか?皆帰ったぞ?」
「いいんだよ。
フォンナ。ここで、宿屋してもいいだろうか?」
「そりゃかまわないよ。もともと、ここはお前の家の宿だ。
旦那様から預かっていただけなんだから。
あんまり儲からなかったのは、ははは!許してくれ。」
「フォンナ?あなたには感謝しかありませんよ?」
「奥様。こうして生きてこれたのもの奥様と亡き旦那様のおかげです。
こうしてパーニュ、パーニュ様がここに戻られるのでしたら、
俺はここ出ようと思います。」
「様付で呼ぶなと言ってるだろ?これは約束だろ?
わたしたちは兄弟なんだから!」
なんか事情があるのかな?
兄弟同然育ったとか?
腹違い?異父兄弟
「それに、出るってなんだ?わたしがここに来るからか?
敷地は広いんだ、別に宿を建てるつもりなんだ。
そこは風呂も広いし、飯も出すんだ。」
「飯ってキャムロン?」
「いや、それはここでは出してないだろ?
わたしのところでもだ。」
「旦那様の教えだからな。」
他では出してたんだね。
陸鳥も言ってたから。
「風呂って?」
「宿にな、広い風呂をつけるんだ。
男湯と女湯とあってな、これは男女別で外の景色を見ながら入る。
それで部屋にもある。これは部屋に泊ったものが一緒に入れる。
食事もここでここで作って出すんだ。いいだろ?」
「いいな!それな、いま、ササに聞いたんだよ。
なんでもイリアスの王都近くの湖に湯が沸き出るところがあって
そこに入れるんだと。それを見て来ようかなって。
湖の近くで景色もいいんだって!そこは男女は簡単な服を着て入るらしい。
それをさ、ここでもできないかなって。」
「なんだそれ!わたしの考えているのと同じじゃないか!
いいな!イリアスのことだったんですね。
さすが、サギョウグミの方々だ。見聞範囲が広い。」
弟さんのところの話だね。
こっちが知っている話を多少なりともしないと
相手も話してく話してくれないからね。
パーニュさんに話したこともそこの話だと思ってくれるかな?
2人で妄想温泉宿で盛り上がっている。
それに参加したいがそうもいかない。
「パーニュ殿?
ここで、その宿屋をするということでしたら、
ぜひ泊まりに来たいと思います。
そのためには稼がないと。
わたしたちはこれで失礼しますね。」
「え!ああ、申し訳ない!!
フォンナは親は違いますが、兄弟なんですよ。
こいつの母君がなくなってから一緒に育ったんですが、
どこか、遠慮してしまって。
でも、ほら!考えることは一緒なんですよ!!」
血のつながりはないのね。
「ええ。そのようですね。さすがご兄弟だ。わたしも楽しみです。」
「はい。ああ、違います!
今回のこと申し訳ない。一族から不満が出ていたことは分かっていたんです。
だからこそ、化粧水を樽で扱えればと考えたんですが。
そうですね、見てしまえばできる。
わたしでもできたんですから。」
「あははは!!それは謙遜しすぎですよ?
見てできるんならだれも苦労しない。
パーニュ殿はこういうの好きなんですよ。
きれいにするのがね。
それに意気込みが違う。
悪いけど、見ただけだけで、披露できると思っているあなたの一族は
ミフィルからどういわれるか。
乙女の肌でも傷をつけたら一大事だ。
せめて練習するべきですね。だから、お身内を言い方は悪いけど
実験台にといったんですよ。
このこと、彼らに伝えるかどうかはパーニュ殿がご判断してください。」
「・・・・。はい。」
「だけど、練習の成果は見たいんだけどな。
えーと、かわいこちゃん?お名前は?」
「ゼミナです。」
「そう。ゼミナちゃん?化粧したくない?」
「男です!!」
「いやいや。男でもするよ?
セセもする?」
「ソソがしてくれるのなら。」
「いや、パーニュ殿の腕を確かめたいからなんだけど。
あ、じゃ、フォンナ殿で。」
「え?」
「顔そりと眉毛整える感じかな?
これ、セセがしたマッサージと一緒にすると男のお客に受けるよ?
お風呂入ったあとにしてもらったら、さらに気持ちいい。」
「さっきのは本当に気持ちよかった。
フォンナ!してやろう!!」
「えー。」
「お!いいな!セセよ、俺にもしてくれよ。」
「えー。」
「ははは!セセしてあげて?
セセには後でわたしがしてあげるから。」
「わかった!!」
パーニュさんはフォンナさんを。
マティスはニックさんに施しながら
細かいやり方はセセが教えてくれる。
それより気になるのが、ゼミナちゃんだ。
フォンナ殿を示したら、かなりのがっかり感を出していた。
今は床屋マッサージを見学している。
横に来た母上が小さな声で教えてくれた。
「ゼミナはパーニュの末の娘です。
顔に傷があります。生まれつきなんです。
それを気にして男だと。」
「母君は?」
「出産時になくなりました。」
「そうですか。
だから、向こうについて行かなかったのかな?」
「わたしか、パーニュがいればそんなことはないのですが、
陰でいじめられていたようです。」
「それは止められなかった?」
「注意をしても心の内までは。」
「そうですか。んー、化粧に興味がないってことないよね?」
「それはあるのでしょう。
最初からパーニュの手伝いをしていましたから。」
「傷ってどんな?」
「頬に。」
「ん?なにか塗ってるの?ちょっとカピカピだけど?」
「泥を塗ってます。」
「おお!うまいね!いいね!」
「え?」
顔に泥が付いていたのだ。
子供ではないから、ん?と思ったが、なるほど。
だが、成人前のはず。大人の体だが、胸はない。
全体に細い。
わたしもやっとわかるようになってきた。
「ゼミナちゃん!ちょっとおいで?」
「え?」
「ゼミナ?いらっしゃい。」
「はい。」
おばあ様に言われればしかたがないねって感じですね。
「セミナちゃん?やっぱり女の子だ。
おばあさまに聞いちゃったよ?」
「!!」
「わたしがお化粧していい?
うん。傷のことの聞いたよ?大丈夫。
セミナちゃんがやってる方法と一緒なんだけどね。
もうちょっとわからなく出来ると思うんだけど?
それ、試してみてもいい?」
「わからない?」
「うん。やり方だと思うよ?それで、その泥?
どこにある奴かな?それ、売れるよ?」
「!!」
「だって、わたしも売ってほしいもの。
隠匿掛けたほうがいいよ?」
「!!」
「うん。今持ってる?ここでも手に入るのかな?」
おばあさまの顔を見ている。
それに気づいたご母堂は、向こうの様子を見てきます、と離れていった。
「ん?」
「これ。泥じゃないの。これ、その。」
小さな箱に入ったものを見せてくれた。
なんとなく色合いに見覚え有。
「内緒?だったら言わなくていいよ?
お父さんと相談すればいい。」
「・・・・陸鳥のうんちなの。」
とても小さい声でそう教えてくれた。
わたしも小さな声で。
「やっぱり!」
あの小高い山になっているのと同じような色だ。
でも臭くないよ?
「臭くないね?なんで?」
「洗ったの。」
「すごい!それ、自分で調べたの?
いや、その前に、
陸鳥のうんちするところにいったの?危ないよ?」
「違う。15番門外に行った時に陸鳥を飼っていたところに
山で残ってたから。
いろいろな土を取ってきて調べてたの。
臭かったけど、どうかなって。」
「すごいよ!なんて素晴らしい探求心なんだ!!
もう大絶賛だよ!食べることではわたしもいいところまで行くけど、
これを試してみようって思わないよ!!」
「・・・お姉さん、きれいだから。」
「ん?人は皆きれいなんだよ?
だからあなたもきれいだ。」
「きれいじゃない!!」
「ん?傷が気になるのね?それはうん、わかるよ。
いまはわたしも何もないけどね、ニキビ?わたしの歳じゃ吹き出物?
脂っこいもの食べると、こう、ぷつっと。
んー、若いからでないか。えっといくつ?」
「15。」
「若い!!あ!また話がそれちゃった。これは隠匿する?」
「もうあの場所にはないから。
それに、臭いの。すごく。もう触りたくない。」
「そうだね。そういうのはあるね。
まずは、これ、使っていい?」
「うん。でも、これがあれだとはだれにも言わないで。」
「了解。」
ホットタオルで今付けているものを取ってもらった。
傷というか、赤痣だ。
あとでできた傷なら言霊でもとに戻せるが、
産まれつきというのは難しいだろうな。
肌のきめはいいのよね。子供肌だ。ツルスベ。
産毛なんか剃らなくてもいい。
ああ、お口廻りだけね。
眉も少しカットするくらい。
糞。
うぐいすの糞というものが有るくらいだからいいだろう。
いや、あれは植物だけを食べさせているんだっけ?
陸鳥は雑食。ひとも食べる。
んー、主成分は砂だとしておこう。
それに、臭いどころか少しいい匂いがする。
買ったカメリ油でペースト状に。
トラの油もいいんじゃないかな?これは研究しよう。
それを筆を使って、トントンと。
仕上げは乾燥したものをさらに細かく砕く。
これに白虫を混ぜたいが、いまはいいかな。
ここにあるもので。
今度は大きな筆で。
あとは、口紅と頬紅。
紅にも油を。しっとりとね。
頬紅にも糞、名前が嫌だけど、それを混ぜて、すっとね。
髪も顔にかかっていたのは隠すためか。
それも結い上げる。
「鏡見てみ?」
少し大きめの、すこし曇った手鏡をわたす。
「鏡!あ!だれ?」
「ゼミナちゃんだよ?かわいいね。
うん、きれいじゃなくてかわいいだったね。」
鏡に自分の姿を映して喜んでいる。
その様子を見ていたご母堂も、ゼミナのうれしそうな様子を喜び、
鏡にも驚いている。
ああ、ご母堂。
年齢のしわは仕方がないのです。
「ご母堂?も少しお年に合った化粧をしましょうか?
もう少し派手目の方がいいんですよ?」
「ええ!ぜひ!」
「ゼミナちゃんも覚えればいいよ。」
「はい!」
床屋マッサージが終わった男たちもこっちにやって来た。
まずはパーニュさんが自分の娘の満面の笑顔を喜んだ。
そして妖艶な母親にも。
傷のことなんかだれも気にしていない。
ゼミナが笑顔なのを喜んでいるのだ。
フォンナさんは息を呑みゼミナのまえで跪いた。
「ああ、やっと笑っているゼミナに言える。
お前の顔の傷があってもなくてもお前を愛していることには変わりない。
愛を伝えるたびにそれを理由にお前は躊躇していたが、
もうそれはいいな?次の雨の日にどうか我が褥に。」
うぉ、公開プロポーズ。
え?成人前だよね?ここタフトはそれが主流?
その前にお父さん的にはOKなの?
あ、泣いてる。いいんだ。
とりあえず水を差すのも悪いから
皆が落ち着くまで待っていた。片付けをしながら。
「タフトって結婚はやいんだね。」
「そうだな。昔はだいたいそうだったな。
今は成人してからが多いかな?
ここ、タフトは体が大人になったら大体すぐだ。」
「え?それって子供は?子供もすぐ?」
「ソソ?そういう話は外ではしてはいけない。」
「そ、そうだね。うん。妹たちに聞くよ。」
「そうしてくれ。だがなんで?」
「え?だって、体ができてないでしょ?
大人と同じなのは身長だけだ。
胸が大きいとか小さいとか関係ない。
からだは大人かもしれないけど、精神はできてないよ?
それなのに、性交、妊娠、出産を強いるのは虐待だ。
故郷の話だけどね。」
「・・・出産時に死ぬのが多いのは成人前の母親だ。」
これはニックさんが答えてくれた。
「・・・・。今度産婆さんたちと話す機会があるから
聞いてみるよ。いや、聞いたところで何もできないけどね。
どうしてだろうって聞かれればね、
そういうこともあるって言えるだけだ。」
昔は12,13歳で結婚もあった。
平安時代とか?
明治ではないだろう?
んー?わからんな。
なんでも比べるのはダメだな。
昔はそうだったんだ。
いずれここも変わっていく。
それをするのはわたしではない。
可愛い姪っ子たちが成人前に結婚するのを、
阻止すればいい。
「ソソ様!!」
「あらら。あなたも様付で呼ぶの?呼び名はなんでもいいけどね。
なーに?」
ゼミナちゃんがこっちにやって来た。
化粧は取ってしまっている。
「これ、どうしたらいいですか?」
これというのは陸鳥の糞だ。
「どうって?隠匿を掛けるかどうか?
それはあなたがしたいように。」
「もういらないの。」
「?」
からだが大人になってから、フォンナさんに求婚された。
娼婦ではない。
娼婦になるのは成人してからだ。
娼婦、ここではお嫁さん候補ね。
それはタフトでは少なく、いきなり求婚になる。
だから隠したい、なくしたいと思っていたそうな。
そのために、いろんな土を調べる。
糞だって、臭くたってかまわなかった。。
どうしてか?
ゼミナちゃんは顔に傷があるから、
憐れんで求婚していると思ったそうだ。
これが無くなれば、フォンナさんは求婚しないと思ったそうだ。
それを確かめたいと。
なるほど。
「あってもなくても求婚してくれたから。
これはもういらない。」
「じゃ、ゼミナちゃんはよろこんでお嫁に行くのね?」
「うん!」
ここで安易におめでとうと言ってはいけない。
雨の日が終わるまでどうなるかわからないから。
ただ、にっこり笑い返しただけだ。
「これはもらってもいいかな?」
「どうするの?」
「もう少し研究しようかなって。
隠匿は掛けないよ。きっと誰も気付かない。
隠匿を掛ける権利があるのはゼミナちゃんだけだ。」
「しない。もうしたくないから。」
「あははは!そうだね。」
「だから、これはお姉さんが好きにして。きれいにしてくれたお礼です。」
「うれしいね。じゃ、遠慮なくね。」
膜を張って完全防備で水洗いしよう。
薄っすら香る匂いも気になるしね。
パーニュさんはここで宿屋をする。
料理もお風呂も提供できる、わたしが知っている宿屋だ。
是非ともプカプカの寝具を売り込みたい。
樹石もボルタオネの便座もだ。
フォンナさんは雨が降る前に、イリアスの湖を見に行く。
それにゼミナちゃんは同行する。
護衛も雇うから道中は安心らしい。
よく聞けば、タフト街道で買い物したものを襲う盗賊がいるから、
門内には護衛業がいるらしい。
それが強盗になることはないのだろうか?と思ったが、
ここで、商売をしているんだ信頼関係もあるだろう。
では、18番門外で襲ってきたのはそこの護衛業の人たちだろうか?
依頼されたのだろう。
だれに?
誰でもいいか。
慢心だけしないように。
それだけだ。
さ、カリクさんのところでごちそうになろう!
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