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734:転職
しおりを挟む敷地外を進んでいくと、ちょっとした広い空間に出る。
敷地外とは言うが、誰も使ってはいない。
資材置き場で使ってもいいとのこと。
これは資産院に確認したとか。
誰も権利を持っていない場所、すなわち我らが王の土地だ。
「んじゃ、使っても問題ないよね?
文句があるなら直接言いに来いということだ。」
モウ様は素晴らしい笑顔でおっしゃっていた。
テーブルとイスもある。
ここだな。
「さ、こちらに。
えーっと、飲み物はコーヒーでいいですか?」
「「え?」」
「ぼくの尊敬する方がですね、
こういう時にはお茶とお茶菓子を出すものだと。
その時に、粗末なものですがっていうんですって!」
「「?」」
「わかんないですよね?実際には、はじめて食べるもので、
とってもおいしいんですよ?」
「・・・・モウ殿のことか?」
「あ!わかりますか!
あの方はほんとにおいしいものを作ってくれるんですよ!
実際に作っているのはマティス様なんですけどね。」
「剣のマティス?が、作る?」
「そうなんですよ。ぼくもびっくりしました。
でも、モウ様が作るのもおいしいんですよ?
これは、ぼくがいつも頑張ってるからって頂いたものです。
食べましょ!」
小さな背負子を背負っている。
コットワッツ従者の標準装備だ。
「・・・・ランドセルだ。
ピカピカのぉお、一年生!ビシ!!
ぶひゃはははははは!!」
と、モウ様はひとしきり笑っていたが。
らんどせる?
そこから、簡易コンロとカンターウォーマー、
お茶菓子を出す。
鍛錬後に2人がまだ寝ている間に、セサミナ様たちと打合せ。
その時にモウ様から頂いたものだ。
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「食べる食べないかをよく観察してね。
毒の有無はわかるんだよね?
食べたふりをして食べてないとかね。
で、先に食べるか、食べないか、持って帰るか。
もっと欲しいっていうのなら出してあげて?
で、食べずに持って帰ろうとしたり、
家族にあげたいっていうのなら、手土産を持たせてね。
カップ君を引き抜きたいっていうのが大前提だ。
表向きはね。実際にそうかもしれないけど?
それはないの?うふふふふ。ありがとう。
コットワッツの内情を知りたいというのもあるだろう。
もちろんわたしのこともね。
カップ君が知っていることを話してもいいんよ?
異国から来たって言っても、どこまで理解できるか。
移動もできる。ひとも物も。
自分ができることは言っちゃダメ。いい?
マトグラーサ関係もだ。
同じ村出身、仕事を世話してもらった、
そうだね、隠匿ができるのは
その天文院の隠密が気付いてるだろう?
それの腕を買ってもらったって言えばいい。
弟達もだ。
で、これね。クッキーとおかき。
おかき、バリバリにチーズ入れてみたよ。
ジュグラム入り。
マトグラーサの人に喜ばれると思うよ?
これ好きなんだ。で、焼き菓子ね。
パウンドケーキの方はコットワッツのお遣い物だから、
カップケーキの方で。
おにぎりも焼きおにぎりもね。ツナも入ってるよ。
それと・・・」
「愛しい人?そんなにあの背負子には入らないし、
出すのもおかしいぞ?」
「あ!そうだね。じゃ、カップ君専用の小袋に入れとこうね。」
「姉さん?
それで、カップに声をかけて来たものたちが、
姉さんの基準、おいしそうに、礼儀正しく、
尚且つ、家族に買って帰りたいなんて言ったらどうするんですか?」
「ん?間抜けじゃなければ引き抜きだね。
夜会も領国同士の会合もないのに、
カップ君の引き抜きと言うありきたりな名目で、
コットワッツ管理地に入ってくるんだよ?
間抜けか、どうしてもこっちとつながりが欲しいってことだ。
転職したいのかも?
今話題のコットワッツ!わたしの才能をのばせるところだー!とかね。」
「それはどう考えても間抜けだ。」
「あはははは!そうだね。
2重スパイになるかもしれないね。
スパイ、密偵ね。
向こうを裏切って、こっちに寝返ったように見せて、
実はやっぱり向こうとつながってるとか?
両方にうまいこと情報を流して生きているとか?
金で動くものは金を出している間は裏切らないとかね。」
「・・・・どれも間抜けです。」
「そりゃそうだ。どうして今なのか?
ずっと考えて来たことなのか、誰かにそそのかされたのか?
気になるところはそこらへんかな?
で、良き人材ならこちらに欲しい。」
「どうして?カップがこちら来てくれたおかげで、
十分すぎるほどなんですよ?」
「我が主で、我が臣、そしてわたしの弟よ。
小さな村ならいい。扱うものが砂漠石だけだったらいい。
だけど、これからは冷蔵庫、冷凍庫、そして宝飾関連。
タオルとゴム、ガラス。それと運送業。
手が足りない。あなたの負担が大きすぎる。
すべてがうまくいくとは限らない。
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それは見込んでいる。
が、何をするにも手と足、頭がいるんだよ。
全部が全部1人で見ることはないんだ。
確保できる時に確保して置くべきだ。
たとえそれが罠だとしてもだ。
いまだからできることだ。
来年はそれどころじゃない。
こちらの手の内、移動とかねそれがばれてもどうにもできない。
わたしのこと?懇切丁寧に説明しても理解できない。
見抜けるだろ?
見抜けないというのなら、それの鍛練にもなる。
身内に危害が及ぶことは我々護衛赤い塊が許さない。
ね?」
「はい!」
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