いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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744:愛情表現

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「すまない。もう少しかかりそうだな。」
「すっごくいい匂い!味見は?」
「ダシだけな。」
「!!!おでんだ!!!!」

マティスが作ってくれていたのはおでんだった。
懇切丁寧に説明した通り!!

おだしがおいしい!これでご飯を2膳はいける!!


ないのはちくわぐらい?
うん、致命的だけど、ないものは仕方がない!

こんにゃくの変わりはプカプカだ。
しみしみになるように切れ目も入っている。
なんていうの?鹿の子切り?
大根、すじ肉、ゆで卵に、イカタコも入っている!
じゃがいもも!
餅巾着は?カンランで?
ん?こっちは?ロールキャベツ!!

「素敵ステーキ旦那様だ!!」
「チクワというのがわからないから、かまぼこを入れたぞ?
要は魚のすり身だろ?」
「そう!だとおもう!!」
「ははは!
しかし、ちょっとしみ込みが足りないな。
もう少し煮込もう。待てるか?先に味のしみているものだけでも食べるか?」
「ううん。待ってる!!あ、でもお肉をひとかけだけ。」
「ほら。」
「んーーー!!うーまーいーー!!」

もうあれだ。
全人類、全世界を敵に回してもマティスを守る!
そう誓ってしまう。

その誓いを胸元に頭ぐりぐりで示した。

「ふふ。うまかったか?」
「うん。うれしい。
おでんがおいしいのはもちろんだけど、わたしのために、
つくってくれたことがすごくうれしい。
ありがとう、マティス。」
「ああ、愛しい人。
あなたが喜んでくれることがうれしいんだ。」
「わたしもうれしくてマティスもうれしいって思ってくれるのが
いちばんうれしいね。」
「そうだ、そうだな。」
「「うふふふふふ。」」

2人でぐりぐりしあう。
ドキュメンタリーなんかで見る動物の愛情表現のようだが、
言葉や行動、あらゆることで示したいんだな。
そう思うと、人間はもっと原始的にならないといけないのかもしれない。


もう少しということなので、鍛錬している間のこと聞く。
それぞれでお客様を出迎えているそうだ。

「ドーガーの客は館内に入れたぞ?」
「?どうやって?」
「ワビサビの上からだな。」
「上?え?
あ!師匠は?あれ?外?」
「そうだな。カップの方だろう。」
「じゃ、大丈夫だね。ちょっと行ってくる!!」
「あとは、おにぎりを作っておくか?」
「もちろん!お願いしまっす。」





なんたるちあ!!!
オープン競技場になってる!
ちょっと素敵!
いや、違う!!
これは、おーしーおーきーだーべー!!

変装せねば!!






─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「あの、その前に、動けないんですが?」
「ああ!ごめん、ごめん。
クナイを抜けばいいのよ。」

視界の端で手を払うしぐさをするモウ様。
足元に刺さった棒を回収した?
糸が付いているのか?

「あ、動く。」

すぐさま、ドーガーと共に左右陣をとる。

モウ様がシクロストの前にでる形になった。
モウ様はどうするんだ?

あの2人は?
まだいるな。
動けなかったのではなく、ただ見ているだけだったのか?

「お前がモウか?俺と勝負だ!!」
「ん?誰ぞ?」
「我が名はシクロスト!!ジンジョウに勝負!!」
「いや、断るよ。」
「へ?」

ジンジョウのまじないはモウ様に効かないのか?
いや、当たり前か。

「なんだよ!ジンジョウっていえばいいんじゃないのか!」
「ん?どこ情報?」
「モウ様!ジンジョウの勝負ですよ!」

ドーガーが言う。

「?ああ!ジンジョウ!尋常ね。
それはあれだよ?お互いが勝負をしたいってことで成り立つ話だ。
わたしはしたくない。で、わたしに利はない。
合っても嫌だ、めんどい。
もう一つ言うと、そろそろご飯の時間だ。
あんたも家に帰りなさい。
よそ様の家でご飯をお呼ばれするなら、
きちんと保護者の方の了承を得て、なおかつ、その方からこちらに
連絡がないといけない。
お家でご飯を用意してくれてたら悪いし、心配するでしょ?
ん?独立してるのかな?
あれ?ぼく、いくつ?」

「貴様!!!!」
「姉さん!姉さん!さすがにそれは!」
「え?お嬢ちゃんだった?」
「違います!彼はおそらく、我々よりも年上ですよ?」
「うそん!すげー!アンチエイジングのプロ?
ソヤより下じゃないの?8歳ぐらいだとおもったんだけど?」
「貴様!殺す!!」
「ああ、ごめんね。
でもね、そんなことで怒ること自体がおこちゃまなのよ?
まさしく、以前のわたし。5歳児級。ね?セサミン?ルグ?」
「?いまは?」

いつも通りのモウ様なのだが?
セサミナ様もそこを疑問に思ったのか聞いている。

モウ様はこちらを振り返り、にこりと笑った。

「「「!」」」


シクロストにも瞳を見せ、掌を向けた。
動くなと?言霊?


「・・・・。兄さんには?」

セサミナ様が下を向き、震えながら聞いている。

対象は?
討てるか?

「もちろん話したよ?その時の顔を見せてあげたいぐらい。
うれしいんだろうけど、うん、おかしかった。
セサミン?セサミナ?悲しいの?どうして?
ん?ルグも、ドーガーも気を膨らませてるの?
ああ!対象ね。
これは、わかるんだね。本人には。
マティスとマティスがマティスである世界だ。
だから、変わらずにセサミナはわたしの弟であり、主であり、臣だ。
ルグとドーガーも心の臣であり、憧れのお父さんで、いたずら仲間だ。
何も変わらない。
不安にさせた?
たとえ、対象がマティスだけだとしても、
他の何か?食べ物とか?もっと別のもの?
だとしても、セサミナはわたしの可愛い家族だ。
ルグもドーガーもね。なにも変わらない。
ただ、第3者には薄情者になるだろうな。
あれ?それは最初からだったから、かわんないか。
あははははは!!!わたしは最初から緑の目だったかもしれないね。
体の変化が追い付いたってとこかな?」
「姉さん!姉さん!よかった!!」

マティス様がいないことにをいいことに
セサミナ様が抱き付いている。
が、引きはがさなくては。
これはマティス様に厳命されている。



「お前!!緑の目か!あはははは!これは面白い!
マティスが緑目だと噂があったが、お前だったんだな?あははははは!」
「ん?そうなんだけど、そんなにおもしろ情報なの?」
「異国者だものな!この大陸での緑の目の迫害をしらないんだろ?」
「ああ、それね。知らないけど、ま、想像はできるよ?で?」
「これからお前は、あらゆる方面から迫害を受けるんだぞ?
異国の石使い赤い塊モウではなく、緑目のモウとしてな!」
「緑目が迫害対象で、とっかえひっかえ命を狙われるとして、
それ、いまとどう違うの?
ああ、一般人からもってこともか。
それで、うちっところの商品を買わないんなら別にいいよ?
客が店を選ぶように、店も客を選ぶから。
あんただって、ただ、わたしと手合わせしたいってだけで、
殺そうとしてんでしょ?緑目でなくても。
わたし個人に恨みがあるわけでもないのに。
緑目に恨みがある人から狙われるってか?
それ、対象の括りがおかしいよね?
しってる?犯罪者の98%はある食べ物を日常的に食べてるんだって。
で、暴力的犯罪の90%はこの食べ物を食べてから一日以内に起きている。
怖いよね?
その食べ物ってなにか知ってる?
パンだよ。」
「!」
「ね?対象の括りがおかしいんだよ。
緑目に恨みがあるっているのは、緑目だったその人だ。
それが女か、男か、年齢は?国は?
一括りにしたらいけない。
また、話がそれたね。
言いたいことは、わたしが緑目であろうと、異国の者であろうと、
石使いであろうと、わたしには関係ないんだ。
おわかり?」
「俺は、お前に恨みがある!!」
「おお!わたしなにをやらかしたんだろ?
思い当たることは山とあるからどれがどれやら。
どれ?」
「お前のその態度だ!!」
「ああ?無礼だというのか?
屋根をぶち抜いたことは許そう。
が、お前は人様の家に勝手に入って来てるんだぞ?
そのお前になぜゆえ礼を取らなければならないんだ?
表門から入ってこい!
館に入れるかどうかはまた別の話だがな。
まずはそこからだ!!アホんだらが!!」


シクロストがまさしく飛んでいった。
モウ様の気か。アホンダラガ?
今までとは違う!ワイプ殿との鍛練の成果なのか?素晴らしい!

3人で拍手した。

「ありがとう!ありがとう!」
「素晴らしいですね!姉さん!お体も大丈夫そうだ!
やはり水を?」
「いや、後鍛練?こっちの方がきつかった。
セサミンには心配かけたね。ごめんね、ありがとう。
でも、完全復活!しかも鍛錬の成果もある!!
こうね、ぶわっと、その方向にズバッと押し出すように?それね。」
「?」
「「なるほど!」」

わたしと、ドーガーだ。
よくわかる。

「しかし、どうしようかな?
とにかく、寝かしておこうか。勝手に帰るでしょ?ごはん食べよ?」
「カップの方は?ワイプ殿に見に行ってもらっていますが?」
「問題ないでしょ?ご飯も向こうで食べてるよ。
こっちはね、新作!おでんなの!!うれしい!!」
「姉さんがそこまで言うものなのですか?」
 「あ!これは、わたし個人の感想ね。
そこまで、ごちそうってわけでもないけど、我が家ではごちそうだよ?
いこう!あ、屋根は気持ち的にあっぱっぱは嫌だから直しちゃうね。」




古の言の葉を操りしものが砂紋を刻む
我はそれを見守るもの
我もまた砂紋を刻むもの

我らが求める

糸たちに乞う

途切れしことがあろうとも必ず結びつく
それはとうとうと刻む時の流れ
途切れることのない永久の流れ
目には見えぬが確かにあるものに

砂たちに乞う

大地のいざないに反旗を翻し
目に見えぬ時の流れの糸に
身を委ね、あらゆるものの流れを現せ
降り注ぐ光を流せ

我らの願いをかなえておくれ






すごい。
砂が天井を埋めていく。
なるほど、やわらかい光が入ってくるな。


「ん!なかなかな厨ニ病が発病したね。」
「え?病なのですか?」
「そう、病なの。これは故郷からずっと患ってたのよ。
隠してたけどね。」
「姉さん!!嫌だ!」


また抱き付くが、今はいいのか?

「内緒だよ?」
「!」

(あの2人が聞いているからね。で、シクロちゃんも)
(その病は?問題ないもの?)
(んー、なんかさ、若かりし頃に恥ずかしい思考に陥ったことない?
世界は我が手にあるとか、自分の能力は封印されているとか?
この左手に闇の力が!とか?)
(・・・・なんとなくわかりました)
(ふふふ。そのことを故郷では厨ニ病っていうのよ)
(ああ。しかし、それと今のが?どうして?)
(いや、恥ずかしくない?素直に砂、戻ってって言えばいいところを
なんか、さも当然のように言葉を並べるんだよ?恥ずかし!!)
(すいません、それはよくわからない。とにかく、素晴らしい言葉だったとしか)
(そうなの?ま、適当なんだけどね。一流の石使いっぽいでしょ?)
(石使いに等級があるのなら最上級、いえ、それ以上のものだとしか)
(そうなの?)


とにかくご飯だ。朝ごはんですよ。
朝からおでん!
それこそが、素晴らしい!!


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