いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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833:安否

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「セサミナ様?」
「スクレール家前当主だ。火事で亡くなったことになっている。
聞いただろ?
ああ、父上がかなり世話になったそうだ。
王都に来た時はかならず父と挨拶に伺った。
わたしが領主になってからは、これからは無用と。」
「?」
「別にわたしを疎んじたわけではなく、
スクレール家とかかわりがあるということが
今後のコットワッツ発展の邪魔になるからといわれた。
そんなことはないんだが、なにも言わずそのようにした。
わたしの代で一切の王族、貴族関係と手を切ったんだ。
なので、かなり自由にできていただろ?
どこかとかかわりがあるとそこからつながりができてしまう。
スクレール家に迷惑をかけることになるんだ。」
「?」
「ははは!今はわからなくていい。世話になったということだけ。
そしてその恩義は返しきれていない。」
「それは!え?ハニカさんの奥方だというのはご存じだったので?」
「いや。それも姉上から聞いてだ。
スクレール家は王族でも上位。
いまはタンダード殿が当主だ。また、後で話もしよう。
リガーナ殿が外でつかまっているな。
うまく説明してくれているようだ。
ただどうなったか知りたかった輩は帰っていく。
残りはいるかいらないか。
いらないものが大半だろうな。
声は違和感はないようだな。防音は助かった。
あとは聞かれてもいい。解除して。
さあ、始めよう。
ああ、始めましょう?ドーガーさん?」
「ふは!はい!」



そのあとに続けて入ってきたものは、
ワイプ殿が連れて行ってくれた食堂の女将と、
ハンバーグ屋、ルタレンさんだ。

「ごめんなさいね。
前にモウさんのこと知り合いだって自慢しちゃったのよ!
そしたら、撃たれた話を聞いて!
どうなったか皆が聞いてくるの!!
こっちも心配でね!
命に問題はない?念のため治療?
そうなの?
これ、あのときおいしいって言ってくれたものと、
やわらかいものね。
食べてもらって。
また、食べに来てね?
あら?これ?いいの?
うれしいわ!」

「ええ。皆が心配して。
シートもです。
彼は下町のものなので、ここには来れないでしょ?
馬車で待機してます。
会合ではかなり儲けさしてもらったのに、
その後の話で。
うれしさも飛んでいきましたよ。
そうですか。問題はない?
わかりました。
鉄皿も追加注文したいが、ナソニールの金物屋は国替えをしたみたいで。
逆に誰もあの皿を再現できない。
え?ああ、スパイルに?
そうでしたか。そうなると運送費がかさみますね。
コットワッツで?
ええ、作っていただけるのなら何処でも。
わかりました。
え?サイ?
ゴムの手袋?え?
冷凍馬車!ええ!コットワッツに!
わかりました。すぐにでも!
ああ、申し訳ない、仕事の話になってしまった。
セサミナ様とモウ様、
皆様によろしくお伝えください。
これ!噂になっているものですね?
わたしどもでもこれ、売り出すんです。
まずはモウ様に食べていただこうと。
どうぞお納めください。」


都下の食堂の女将、
王都の食堂、ハンバーグ屋の主人が外に出ると、
モウ様の安否だけを知りたがったものは帰っていった。


次に入って来たのは王族、タレンテ家。
現当主はブラート殿は名前を聞くだけ。
軍隊長ルパラ隊長が統率する王族上位家。
当主よりも軍隊長の方が上だということを把握できているのだろうか?

ルパラ隊長を抱きしめたモウ様はかっこ良かったが、
我々はマティス様が飛び出すんじゃないかと、
かなり焦った。

ルパラ殿の父親、トウキンは失脚している。

その前からコットワッツにちょっかいをかけてきた、
ガイライ殿の次に軍隊長となったクラサの家はおそらく王都にもいないだろう。

その王族が医家を連れてきたという。
何処がだ?うらやましい筋肉だな!
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