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しおりを挟むいつの間に寝入っていたのか、
肩を揺さぶられて目が覚めました。
「罪人キーツ、起きろ。」
パチパチと目を瞬かせていると
牢番と思わしき男が、水の入ったコップを押し付けて来ました。
「食料は渡せないが、今なら水を飲む事が出来る。
牢を出たら、何も口に出来ないと思え。」
「…あ。あっ、はい。ありがとうございます!」
僕が、乳飲み子だった時以来の人からの親切に驚いていると
男が不機嫌な顔になっていくので
慌てて礼を言い、水を飲み干しました。
夕べから何も飲食を取っていないので
空腹と、乾いた喉に冷たい水が美味しく感じました。
飲み終わったコップを見て、男が水を注ぎ足してくれたので
また御礼を言って飲みました。
「もう良いのか?」
「はい!ありがとうございました。
とても美味しかったです。」
「クッ…そうか」
「?」
さらに注ぎ足そうとする男に、
もう大丈夫だと、コップに手で蓋をする仕草で伝えて再度礼を述べると
男は一瞬、笑う様な声を出して返事をしました。
変な事を言っただろうかと首を傾げていたら
牢の外から、そろそろ時間だ、と声が響いて来ました。
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