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しおりを挟む「じゃあ次の質問をするよ。
キーツは自国の外の世界をどう聞いてるのかな?
もしくは、どう学んだかな?」
「あ、はい。
えっと、国の外ですが…
2000年前。
国に宝玉を戴いた頃に、国の周りを覆う巨大な防御結界が出来ました。
それまでは国の周りには
国を追われ徒党を組んだ罪人たちの盗賊
それと
魔法に似た力を持つ凶暴な魔獣と、それらを従える魔王。
その脅威があり簡単に他国に行く事も出来ず
自国だけでは餓死者も出すほど飢えが蔓延していたそうです。
しかし宝玉の恩恵で酪農も盛んになり
自国の中だけ…結界の中だけで、安全で豊かな生活を送れるようになりました。
隣国とは使者を招く事も無く、手紙のみで
まだ細々とやり取りが続いているらしいですが
フォトグリムア国から遠く離れた地の国々は
すべて滅亡したと言われています。」
「魔獣に魔王に…滅亡、か…」
「神に愛された王族の居る、この土地のみが
人間に生きる事が許された唯一なのだと。
隣国は、近しい土地であるから最低限、生きる事が許されているのだと。
自国の子供たちは寝物語で聞かされるほど浸透している共通認識です」
僕も、まだ幼かった頃…
母親から愛されていた、と…思う…頃に
寝物語として聞かされた覚えがあります。
僕の中でほんの少しだけ、郷愁に似た気持ちが通り過ぎました。
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