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序章
しおりを挟む僕は目だ。
世界を見る目だ。
神の目となって、世界を神の代わりに見るのだ。
僕には記憶がない。いつの間にか、ある場所に、今のままの姿で立っていた。だが、別に僕は自分の事については全く興味がない。知ろうとも探ろうとも思わない。
人は夢を見る。夢を見ている間は記憶を整理しているとも言われる。僕には記憶がない。片付ける物が何もない部屋ですることなんかないみたいに。失礼な、旅で得た思い出はちゃんと僕の頭の中の引き出しにしまってあるはずなのに。まあ、疲れ過ぎたら夢を見ないといった話も聞いたことあるので腑に落ちさせるために根も歯もないような話を信じよう。
さて、夢は見ないはずなんだが、どうも寝ている間、僕の声で頭の中にそう話しかけてくる。
変な話だ。神は信じなくもないがそれを絶対としているわけでもない。というか、率直な感想。意味がわからない。
僕は不死身なだけでただの旅人、人間だ。
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