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古き森のまもりびと
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古き森は、静寂の魔法にかけられたかのように静まり返っていた。この静けさが、ラティシェにとっては、不吉の前触れに感じられた。
今日十歳を迎える娘クリシテァを連れ、母ラティシェは誕生日祝いの飾りに用いる月光花を摘みに、村外れの池のほとりに来ていた。
二人揃いの綿織物の羽織には新緑色の精緻な染めが施され、獣革の靴にも技を凝らした刻み模様。素朴だが丁寧な作りの衣服をまとっている。
滑らかな栗色の頭髪も、揃いで綺麗に編み上げられている。見目の整った美しい母娘であった。
「おかあさん! いっぱい摘めたよ!」
「まあ……! それだけあれば、きっと素敵な星空の絨毯になるわ。」
クリシテァが手にしていた、淡い光を放つ摘みたての月光花。
ふと。その花びらの一枚が微かな陰りを見せた事にラティシェは気づいた。
恐る恐る指先を花に触れた途端。花弁は黒い糸のような呪いの痕跡を急速に浮かび上がらせた。
深い森に生い茂る大木の洞に、池の奥底に、苔むした岩の陰に、暗い気配を感じる。
母ラティシェは息をのみ、悟った。
〝あれ〟は、もうそこまで来ている。毎年冬の夜に現れる、魂喰らう魔物『異形』が──、今年に限って、これほど早く、クリシテァに芽生え始めた特異な『力』に引かれて姿を現そうとしているのだ。
少女の肩に、鮮やかな深紅の小鳥がとまり、ピィッ! と鋭く鳴いた。
「どうしたの?〝ムゥ〟」
少女は心配そうに鳥を覗き込む。
「ムゥも感じているのね」
ラティシェは娘の花を慌ただしく籠につめながら言う。
「戻りましょう、クリシテァ。じきに暗くなるわ。影が濃くなる前に」
ムゥは二人の頭上を素早く旋回し、先んじて村の方向へ羽ばたく。
「あ! まって、ムゥ!」
二人は足早に、逃げるように帰途についた。
────
古き森の奥深く、古の結界に守られ、人が住まうただひとつの村があった。
村に住まうのはフォロア族。彼らは外の人からはそう呼ばれる、森と強く結びついた強い魔力を持つ人々で、長く先細った耳と、自然の力を操ることで見分けることができる。
その中でも、少女クリシテァのもつ力は稀有なものであった。
深紅の羽根持つ魔鳥──、滅多に人前に姿を現さぬ『炎獄鳥』の雛を懐かせるほどに、従魔の素質を持っているのだ。
────
族長イシリツォもまた、母娘の帰りを待つ間に影の気配を察し、結界の維持に全魔力を注いでいた。
逞しい体躯、長い黒髪を首の後ろで結わえ、族長たる証である魔法石彫の首飾りが鈍い光を放っている。
屋敷は森と調和するような曲線を帯びた精緻な木彫の建築で、姪の誕生日を祝う飾り付けがなされている。
しかし、祝宴の用意は中途で置かれ、集まった村人たちは族長を囲んで祈り、魔力を注いでいた。
イシリツォの焦燥が頂点に達したのは、村の広場にラティシェとクリシテァが飛び込んできた、まさにその瞬間だった。
「無事か、ラティシェ! 結界を──」
イシリツォの言葉を遮るように、村を取り囲む結界の縁から、無数の黒い塊が滲み出るように現れた。
「『異形』が入ってきたぞ……!」
「なんだこの数は……!」
縁に居合わせた村人たちが悲鳴を上げる。
それは、人の手のひらほどの大きさから大型の獣ほどの大きさまでの、夥しい数の影の塊『異形』たちだった。それらは結界の僅かな綻びを突き破り、村人たちに向かって襲いかかってきた。
「落ち着け! 奴らは熱に弱い!炎の術で払え……!」
イシリツォは屋敷を飛び出すや、慄く人々に向かって叫び、自らは土を操る魔法で『異形』をせき止める。
混乱しつつも必死に炎の魔法を繰り出す者ら、魔力の弓矢を放つ者らが、『異形』を次々と撃退していった。
すべて討ち払ったかに思え、人々が安堵の息をつきかけた、その時だった。
ドオオォン、という地響きと共に、先ほどまで異形が滲み出ていた結界の裂け目が、爆発するように大きく引き裂かれた。
そこから現れたのは、これまでの他の『異形』とは比べ物にならない、黒い粘土のような身体をうねらせる巨大な影。その恐ろしい形相は、まるで深き闇そのものが具現化したかのようだった。
巨大な『異形』は、迷うことなく、まっすぐクリシテァの居る方向へと向かっていた。
家々を、齢を重ねた大木をも容易くなぎ倒し、人々の抵抗も虚しく。
イシリツォの怒鳴り声が響く。
「ラティシェ! クリシテァを連れて逃げろ!
彼奴はその子の従魔の力を狙っている!」
クリシテァは叔父の剣幕に、母にしがみついていたその手をぎゅっと握りしめる。
「逃げられないわ、イシリツォ。
この影はクリシテァを得られるまで、森そのものを食い尽くしても止まらない」
ラティシェの声は静かだったが、その瞳にはすでに決意の色が満ちていた。
精鋭の魔術師たちが十数名、族長の館の前に立ちはだかり、数々の魔法をぶつけ足止めをはかる。
道を阻まれた影が地響きのような唸りを上げた。
そして身震いをした影から、ふたつの長い角のようなものが生え始めたかと思うと、それは空を覆い尽くすように拡がり、翼の形を呈してきた。
「あれは、ドラゴンの……!
彼奴め、竜族をも取り込んでいるのか!?」
「翼竜の力だ! 飛ばれたら手が付けられんぞ!」
呆然とする娘に母は言った。
慈しみの瞳をまっすぐ娘に向けて。
「私はいつもあなたのそばに居る。
あなたがどこにいても。だから──」
ラティシェは抱きしめた娘の胸をそっと、しかし力強く押し離し、その肩で悲しげに鳴く紅い小鳥の体を優しく両手に包んだ。
「──ごめんなさい、ムゥを借りるわね」
「なぜ?私を一人にしないで!おかあさ──」
娘の声を遮るように物陰から飛び出した母は、異形に向かい歩み出す。
手にある小鳥ムゥに、古の言葉を口ずさみながら。
「──エウルヴリド・フィラス・ロウルディエ」
それはフォロア族にも知る者の少ない、ラティシェの持つ『秘法』。魔獣に自らの全てを捧げる術の詠唱だった。
イシリツォの叫びが聞こえる。
「やめろ、ラティシェ! やめてくれ……!」
突如。ムゥを包んだ母の手が眩く光り、そしてその身体が内側から燃え上がった。
「──!?」
クリシテァは声にならない叫びをあげる。
激しい炎と光とが『異形』を照らし、その異様な姿をあらわにする。
それはうごめく粘土のような身体を激しくよじらせ、苦しげに悶える。
生えかけの翼を暴れさせ、その黒い身体のあらゆる箇所に紅い目玉が現れてぎょろぎょろと辺りを見回し、クリシテァを見つけると、すべての視線が注がれた。
炎の中から声が響く。
「娘は渡しません」
炎は渦を巻き、その中で母の姿はかすむ。
衣服は既に焼け落ち、その皮膚は、振り乱れた髪は、肉と骨は、炎と光に砕かれつつあった。
苦悶の表情のさなか、クリシテァの瞳に映ったのは、母の顔が炎の渦のなかに崩れ去る間際、かすかに娘へ向けた後悔のない微笑み。
炎の渦は激しさを増し、その一端が『異形』に触れると、濁流の如くその巨体を飲み込んだ。
巨大な黒い姿は、炎と光に包まれ悶えていたが、それも長くはつづかず、ついに動きを止めた。
もはや炎と光の玉となったそれは徐々にその大きさを収縮してゆく。
「いかん、皆伏せろ!」
イシリツォが叫ぶ。
刹那。辺りが昼間のように明るくなったかと思うと、地を揺るがす轟音。そしてその後に、耐えがたいほどの静けさが戻った。
「異形の主を、倒したのか……? ラティシェ……」
イシリツォは茫然と呟き、震える拳を額にあてた。
生き残った村人たちの視線が、光が消えた場所へと集まる。
異形のいたその場所には、もはや丸く土のえぐれた焼け跡のみがあるかに見えた。
しかし、クリシテァがハッとしたように涙に濡れた顔を上げると、焼け跡の中心へと駆け寄り、黒く染まった土を手でかき分けた。
そこには幼き子の手とかわらぬ大きさの、鈍く虹色に輝く繭のようなものがあった。
少女はとめどなく流れる涙を拭うこともせず、その繭をいつまでも抱きしめた。
────
十六の誕生日を迎える今日、少女は旅立つ。
「おーい! クリス!」
仲間の呼ぶ声が聞こえる。
「行こう、ムゥ」
深紅の魔鳥が少女の肩で、その身の丈ほどもある翼を広げて応えた。
今日十歳を迎える娘クリシテァを連れ、母ラティシェは誕生日祝いの飾りに用いる月光花を摘みに、村外れの池のほとりに来ていた。
二人揃いの綿織物の羽織には新緑色の精緻な染めが施され、獣革の靴にも技を凝らした刻み模様。素朴だが丁寧な作りの衣服をまとっている。
滑らかな栗色の頭髪も、揃いで綺麗に編み上げられている。見目の整った美しい母娘であった。
「おかあさん! いっぱい摘めたよ!」
「まあ……! それだけあれば、きっと素敵な星空の絨毯になるわ。」
クリシテァが手にしていた、淡い光を放つ摘みたての月光花。
ふと。その花びらの一枚が微かな陰りを見せた事にラティシェは気づいた。
恐る恐る指先を花に触れた途端。花弁は黒い糸のような呪いの痕跡を急速に浮かび上がらせた。
深い森に生い茂る大木の洞に、池の奥底に、苔むした岩の陰に、暗い気配を感じる。
母ラティシェは息をのみ、悟った。
〝あれ〟は、もうそこまで来ている。毎年冬の夜に現れる、魂喰らう魔物『異形』が──、今年に限って、これほど早く、クリシテァに芽生え始めた特異な『力』に引かれて姿を現そうとしているのだ。
少女の肩に、鮮やかな深紅の小鳥がとまり、ピィッ! と鋭く鳴いた。
「どうしたの?〝ムゥ〟」
少女は心配そうに鳥を覗き込む。
「ムゥも感じているのね」
ラティシェは娘の花を慌ただしく籠につめながら言う。
「戻りましょう、クリシテァ。じきに暗くなるわ。影が濃くなる前に」
ムゥは二人の頭上を素早く旋回し、先んじて村の方向へ羽ばたく。
「あ! まって、ムゥ!」
二人は足早に、逃げるように帰途についた。
────
古き森の奥深く、古の結界に守られ、人が住まうただひとつの村があった。
村に住まうのはフォロア族。彼らは外の人からはそう呼ばれる、森と強く結びついた強い魔力を持つ人々で、長く先細った耳と、自然の力を操ることで見分けることができる。
その中でも、少女クリシテァのもつ力は稀有なものであった。
深紅の羽根持つ魔鳥──、滅多に人前に姿を現さぬ『炎獄鳥』の雛を懐かせるほどに、従魔の素質を持っているのだ。
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族長イシリツォもまた、母娘の帰りを待つ間に影の気配を察し、結界の維持に全魔力を注いでいた。
逞しい体躯、長い黒髪を首の後ろで結わえ、族長たる証である魔法石彫の首飾りが鈍い光を放っている。
屋敷は森と調和するような曲線を帯びた精緻な木彫の建築で、姪の誕生日を祝う飾り付けがなされている。
しかし、祝宴の用意は中途で置かれ、集まった村人たちは族長を囲んで祈り、魔力を注いでいた。
イシリツォの焦燥が頂点に達したのは、村の広場にラティシェとクリシテァが飛び込んできた、まさにその瞬間だった。
「無事か、ラティシェ! 結界を──」
イシリツォの言葉を遮るように、村を取り囲む結界の縁から、無数の黒い塊が滲み出るように現れた。
「『異形』が入ってきたぞ……!」
「なんだこの数は……!」
縁に居合わせた村人たちが悲鳴を上げる。
それは、人の手のひらほどの大きさから大型の獣ほどの大きさまでの、夥しい数の影の塊『異形』たちだった。それらは結界の僅かな綻びを突き破り、村人たちに向かって襲いかかってきた。
「落ち着け! 奴らは熱に弱い!炎の術で払え……!」
イシリツォは屋敷を飛び出すや、慄く人々に向かって叫び、自らは土を操る魔法で『異形』をせき止める。
混乱しつつも必死に炎の魔法を繰り出す者ら、魔力の弓矢を放つ者らが、『異形』を次々と撃退していった。
すべて討ち払ったかに思え、人々が安堵の息をつきかけた、その時だった。
ドオオォン、という地響きと共に、先ほどまで異形が滲み出ていた結界の裂け目が、爆発するように大きく引き裂かれた。
そこから現れたのは、これまでの他の『異形』とは比べ物にならない、黒い粘土のような身体をうねらせる巨大な影。その恐ろしい形相は、まるで深き闇そのものが具現化したかのようだった。
巨大な『異形』は、迷うことなく、まっすぐクリシテァの居る方向へと向かっていた。
家々を、齢を重ねた大木をも容易くなぎ倒し、人々の抵抗も虚しく。
イシリツォの怒鳴り声が響く。
「ラティシェ! クリシテァを連れて逃げろ!
彼奴はその子の従魔の力を狙っている!」
クリシテァは叔父の剣幕に、母にしがみついていたその手をぎゅっと握りしめる。
「逃げられないわ、イシリツォ。
この影はクリシテァを得られるまで、森そのものを食い尽くしても止まらない」
ラティシェの声は静かだったが、その瞳にはすでに決意の色が満ちていた。
精鋭の魔術師たちが十数名、族長の館の前に立ちはだかり、数々の魔法をぶつけ足止めをはかる。
道を阻まれた影が地響きのような唸りを上げた。
そして身震いをした影から、ふたつの長い角のようなものが生え始めたかと思うと、それは空を覆い尽くすように拡がり、翼の形を呈してきた。
「あれは、ドラゴンの……!
彼奴め、竜族をも取り込んでいるのか!?」
「翼竜の力だ! 飛ばれたら手が付けられんぞ!」
呆然とする娘に母は言った。
慈しみの瞳をまっすぐ娘に向けて。
「私はいつもあなたのそばに居る。
あなたがどこにいても。だから──」
ラティシェは抱きしめた娘の胸をそっと、しかし力強く押し離し、その肩で悲しげに鳴く紅い小鳥の体を優しく両手に包んだ。
「──ごめんなさい、ムゥを借りるわね」
「なぜ?私を一人にしないで!おかあさ──」
娘の声を遮るように物陰から飛び出した母は、異形に向かい歩み出す。
手にある小鳥ムゥに、古の言葉を口ずさみながら。
「──エウルヴリド・フィラス・ロウルディエ」
それはフォロア族にも知る者の少ない、ラティシェの持つ『秘法』。魔獣に自らの全てを捧げる術の詠唱だった。
イシリツォの叫びが聞こえる。
「やめろ、ラティシェ! やめてくれ……!」
突如。ムゥを包んだ母の手が眩く光り、そしてその身体が内側から燃え上がった。
「──!?」
クリシテァは声にならない叫びをあげる。
激しい炎と光とが『異形』を照らし、その異様な姿をあらわにする。
それはうごめく粘土のような身体を激しくよじらせ、苦しげに悶える。
生えかけの翼を暴れさせ、その黒い身体のあらゆる箇所に紅い目玉が現れてぎょろぎょろと辺りを見回し、クリシテァを見つけると、すべての視線が注がれた。
炎の中から声が響く。
「娘は渡しません」
炎は渦を巻き、その中で母の姿はかすむ。
衣服は既に焼け落ち、その皮膚は、振り乱れた髪は、肉と骨は、炎と光に砕かれつつあった。
苦悶の表情のさなか、クリシテァの瞳に映ったのは、母の顔が炎の渦のなかに崩れ去る間際、かすかに娘へ向けた後悔のない微笑み。
炎の渦は激しさを増し、その一端が『異形』に触れると、濁流の如くその巨体を飲み込んだ。
巨大な黒い姿は、炎と光に包まれ悶えていたが、それも長くはつづかず、ついに動きを止めた。
もはや炎と光の玉となったそれは徐々にその大きさを収縮してゆく。
「いかん、皆伏せろ!」
イシリツォが叫ぶ。
刹那。辺りが昼間のように明るくなったかと思うと、地を揺るがす轟音。そしてその後に、耐えがたいほどの静けさが戻った。
「異形の主を、倒したのか……? ラティシェ……」
イシリツォは茫然と呟き、震える拳を額にあてた。
生き残った村人たちの視線が、光が消えた場所へと集まる。
異形のいたその場所には、もはや丸く土のえぐれた焼け跡のみがあるかに見えた。
しかし、クリシテァがハッとしたように涙に濡れた顔を上げると、焼け跡の中心へと駆け寄り、黒く染まった土を手でかき分けた。
そこには幼き子の手とかわらぬ大きさの、鈍く虹色に輝く繭のようなものがあった。
少女はとめどなく流れる涙を拭うこともせず、その繭をいつまでも抱きしめた。
────
十六の誕生日を迎える今日、少女は旅立つ。
「おーい! クリス!」
仲間の呼ぶ声が聞こえる。
「行こう、ムゥ」
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