33 / 44
33 もう結構ですわ
(俯瞰視点)
その招待が来たとき、カレルは少しだけ胸を撫で下ろした。
王都の伯爵家で開かれる、小規模な茶会。
大きな夜会ではない。若い令息令嬢を数人ずつ集める程度の、軽い社交の場だ。
父にはまだ表立って出るなと言われている。
だがこの程度なら、と思った。
むしろこういう小さな場でこそ、少しずつ誤解をほどけるのではないか。
自分はそこまでひどい男ではないと、落ち着いて話せば伝わるのではないか。
……そう考えた時点で、もう半分ずれている。
だがカレル自身は気づいていなかった。
◇
春の夕方、伯爵家の小広間は花の匂いで満ちていた。
磨かれた床、淡い色の壁布、窓辺に活けられた白と薄桃の花。
灯りはまだ柔らかく、差し込む夕陽に金の縁取りが溶けている。
華やかすぎず、親しい者だけを招いた場にふさわしい整い方だった。
カレルは入室した瞬間、いくつかの視線がこちらへ向くのを感じた。
知った顔が多い。
以前なら、それだけで少し気が楽になったはずだった。
「カレル様、お久しぶりですわ」
声をかけてきたのは、栗色の髪をした子爵令嬢だった。
にこやかではある。だが笑みが目まで届いていない。
「ご無沙汰しています」
「お元気そうで何よりです」
そのあとが続かない。
以前なら、最近はどちらへ、何をなさっていたの、という軽い会話になるはずなのに、彼女はそこで扇を軽く動かしただけで、別の令嬢へ視線を流してしまった。
カレルはかすかな居心地の悪さを覚えた。
別の令息に挨拶する。
相手は礼を返す。だがそのあと、ほんの一瞬の間が空く。
何を話せばいいのかわからない。
そんな空気が、笑顔の裏から透けて見えた。
気のせいではなかった。
茶会の半ば、カレルは伯爵夫人に紹介されて、ひとりの令嬢の隣に座ることになった。
侯爵家とは少し離れた位置だが、由緒はあり、穏やかな評判の家の娘だ。
明るい金茶の髪に、落ち着いた緑のドレスがよく似合っていた。
たぶん、少し前までなら、ここから普通に縁談の芽が育ったのだろう。
「最近はどのようにお過ごしですの?」
令嬢がそう尋ねたので、カレルは慎重に答えた。
「家で少し、落ち着いて物事を考える時間を持っています」
「まあ、そうですの」
声音はやわらかい。
けれどそのやわらかさは、距離を取るためのものだとすぐわかった。
「いろいろと、お疲れが出たのでしょうね」
「……ええ、少し」
令嬢は静かにカップを置いた。
「大変でしたわね」
「ありがとうございます」
そこで、カレルは思った。
やはり、少し話せばわかってもらえるのではないかと。
「誤解も多いのです」
口にした瞬間、自分でも少し早いと思った。
だが止められなかった。
「私はただ、相手に不誠実でいたくなかっただけで」
「そうなのですか」
「はい。無理に進めて、後からもっと傷つける方が――」
令嬢はそこで、ふわりと微笑んだ。
とてもきれいな、社交用の笑みだった。
「まあ。ですが」
その声はやさしい。
やさしいのに、切る時の刃みたいに薄かった。
「それをお相手の方が望まれなかったのでしょう?」
「それは……」
「でしたら、もう結構ではなくて?」
カレルは言葉を失った。
令嬢は微笑んだまま、続ける。
「わたくし、難しいことはよくわかりませんの。ただ、過ぎたご縁のお話を、今さら“本当はわかってほしかった”と仰る殿方は、少し面倒ですわね」
その一言で、周囲の空気まで薄く冷えた気がした。
大声ではない。誰かが咎めることもない。
けれど近くにいた二、三人は確実に聞いている。
「私は別に、面倒を――」
「ええ、もちろん」
令嬢はさらりと遮った。
「ですから、どうぞお気になさらず。わたくしも、このようなお話は得意ではありませんの」
もう終わりだった。
彼女はそれ以上、カレルの方を見なかった。
その代わり隣の夫人へ、庭の花の話をやわらかく振る。
会話の流れはきれいに戻り、そこへ彼の入り込む余地だけがなくなった。
カレルは背中にじわりと汗をかいた。
室内は暑くない。むしろ春先の夕方らしく、少し冷えるくらいだ。
それなのに、首の後ろだけが嫌に熱い。
茶会が終わるまでの時間は、長かった。
誰も露骨に失礼ではない。
礼は尽くされる。
だが、それだけだ。
◇
帰りの馬車に乗り込んだとき、カレルはようやく深く息を吐いた。
胸の奥がむかむかする。
怒りなのか、恥なのか、自分でも判然としない。
――少し面倒ですわね。
あの令嬢の声音が耳に残って離れない。
侮辱されたわけではない。罵られたのでもない。
ただ、見限られたのだ。
しかも“最初から候補に入れない”という形で、あっさりと。
屋敷に戻ると、母が応接間にいた。
「どうでしたの」
柔らかな問いかけだったが、期待の響きはない。確認だけだ。
カレルは外套を脱ぎながら、苛立ちを隠しきれずに言った。
「皆、妙に構えるのです。少し話しただけで、まるで私が――」
「面倒な男だと?」
母が先に言った。
カレルは動きを止めた。
母はため息をつき、カップをソーサーへ戻した。
「王都では今、そういう見方が広がっております」
「母上まで」
「わたくしまで、ではありません」
その声は静かだった。
でも、慰める気は少しもなかった。
「お前は、自分が悪人ではないから、もう少しましに扱われるべきだと思っているのでしょう」
「……」
「けれど、悪人でないことと、結婚相手として願い下げであることは両立しますのよ」
カレルは何も言えなかった。
母は続ける。
「それに、今回一番まずいのは、お前が“説明すればわかってもらえる”と思っているところです」
その言葉に、胸の奥が冷たく沈む。
「お前が求めているのは理解ではなく、免責です」
「そんなことは」
「あります」
言い切られた。
「そして、それを女性に求める癖が透けて見える限り、まともな家ほど引きますわ」
母はカレルを見た。
その目には怒りよりも、ひどく疲れた色があった。
「今はもう、お前に新しい縁談を探す以前の問題です」
その一言が、何より重かった。
新しい縁談を探す以前。
つまり、いまの自分は候補ですらないのだ。
◇
カレルはその夜、自室で長く眠れなかった。
外では風が窓を鳴らしていた。
王都の春の夜は国境よりいくらかやわらかいはずなのに、今の彼にはただ落ち着かない音にしか聞こえない。
少し話せばいいと思った。
誤解を解けばいいと思った。
だが現実には、話したことで余計に“面倒な男”として輪郭が濃くなっただけだった。
彼はまだ、完全には理解していない。
だが少なくとも一つだけ、ようやくわかり始めていた。
自分はもう、黙って座っているだけで縁談が寄ってくる立場ではないのだと。
その招待が来たとき、カレルは少しだけ胸を撫で下ろした。
王都の伯爵家で開かれる、小規模な茶会。
大きな夜会ではない。若い令息令嬢を数人ずつ集める程度の、軽い社交の場だ。
父にはまだ表立って出るなと言われている。
だがこの程度なら、と思った。
むしろこういう小さな場でこそ、少しずつ誤解をほどけるのではないか。
自分はそこまでひどい男ではないと、落ち着いて話せば伝わるのではないか。
……そう考えた時点で、もう半分ずれている。
だがカレル自身は気づいていなかった。
◇
春の夕方、伯爵家の小広間は花の匂いで満ちていた。
磨かれた床、淡い色の壁布、窓辺に活けられた白と薄桃の花。
灯りはまだ柔らかく、差し込む夕陽に金の縁取りが溶けている。
華やかすぎず、親しい者だけを招いた場にふさわしい整い方だった。
カレルは入室した瞬間、いくつかの視線がこちらへ向くのを感じた。
知った顔が多い。
以前なら、それだけで少し気が楽になったはずだった。
「カレル様、お久しぶりですわ」
声をかけてきたのは、栗色の髪をした子爵令嬢だった。
にこやかではある。だが笑みが目まで届いていない。
「ご無沙汰しています」
「お元気そうで何よりです」
そのあとが続かない。
以前なら、最近はどちらへ、何をなさっていたの、という軽い会話になるはずなのに、彼女はそこで扇を軽く動かしただけで、別の令嬢へ視線を流してしまった。
カレルはかすかな居心地の悪さを覚えた。
別の令息に挨拶する。
相手は礼を返す。だがそのあと、ほんの一瞬の間が空く。
何を話せばいいのかわからない。
そんな空気が、笑顔の裏から透けて見えた。
気のせいではなかった。
茶会の半ば、カレルは伯爵夫人に紹介されて、ひとりの令嬢の隣に座ることになった。
侯爵家とは少し離れた位置だが、由緒はあり、穏やかな評判の家の娘だ。
明るい金茶の髪に、落ち着いた緑のドレスがよく似合っていた。
たぶん、少し前までなら、ここから普通に縁談の芽が育ったのだろう。
「最近はどのようにお過ごしですの?」
令嬢がそう尋ねたので、カレルは慎重に答えた。
「家で少し、落ち着いて物事を考える時間を持っています」
「まあ、そうですの」
声音はやわらかい。
けれどそのやわらかさは、距離を取るためのものだとすぐわかった。
「いろいろと、お疲れが出たのでしょうね」
「……ええ、少し」
令嬢は静かにカップを置いた。
「大変でしたわね」
「ありがとうございます」
そこで、カレルは思った。
やはり、少し話せばわかってもらえるのではないかと。
「誤解も多いのです」
口にした瞬間、自分でも少し早いと思った。
だが止められなかった。
「私はただ、相手に不誠実でいたくなかっただけで」
「そうなのですか」
「はい。無理に進めて、後からもっと傷つける方が――」
令嬢はそこで、ふわりと微笑んだ。
とてもきれいな、社交用の笑みだった。
「まあ。ですが」
その声はやさしい。
やさしいのに、切る時の刃みたいに薄かった。
「それをお相手の方が望まれなかったのでしょう?」
「それは……」
「でしたら、もう結構ではなくて?」
カレルは言葉を失った。
令嬢は微笑んだまま、続ける。
「わたくし、難しいことはよくわかりませんの。ただ、過ぎたご縁のお話を、今さら“本当はわかってほしかった”と仰る殿方は、少し面倒ですわね」
その一言で、周囲の空気まで薄く冷えた気がした。
大声ではない。誰かが咎めることもない。
けれど近くにいた二、三人は確実に聞いている。
「私は別に、面倒を――」
「ええ、もちろん」
令嬢はさらりと遮った。
「ですから、どうぞお気になさらず。わたくしも、このようなお話は得意ではありませんの」
もう終わりだった。
彼女はそれ以上、カレルの方を見なかった。
その代わり隣の夫人へ、庭の花の話をやわらかく振る。
会話の流れはきれいに戻り、そこへ彼の入り込む余地だけがなくなった。
カレルは背中にじわりと汗をかいた。
室内は暑くない。むしろ春先の夕方らしく、少し冷えるくらいだ。
それなのに、首の後ろだけが嫌に熱い。
茶会が終わるまでの時間は、長かった。
誰も露骨に失礼ではない。
礼は尽くされる。
だが、それだけだ。
◇
帰りの馬車に乗り込んだとき、カレルはようやく深く息を吐いた。
胸の奥がむかむかする。
怒りなのか、恥なのか、自分でも判然としない。
――少し面倒ですわね。
あの令嬢の声音が耳に残って離れない。
侮辱されたわけではない。罵られたのでもない。
ただ、見限られたのだ。
しかも“最初から候補に入れない”という形で、あっさりと。
屋敷に戻ると、母が応接間にいた。
「どうでしたの」
柔らかな問いかけだったが、期待の響きはない。確認だけだ。
カレルは外套を脱ぎながら、苛立ちを隠しきれずに言った。
「皆、妙に構えるのです。少し話しただけで、まるで私が――」
「面倒な男だと?」
母が先に言った。
カレルは動きを止めた。
母はため息をつき、カップをソーサーへ戻した。
「王都では今、そういう見方が広がっております」
「母上まで」
「わたくしまで、ではありません」
その声は静かだった。
でも、慰める気は少しもなかった。
「お前は、自分が悪人ではないから、もう少しましに扱われるべきだと思っているのでしょう」
「……」
「けれど、悪人でないことと、結婚相手として願い下げであることは両立しますのよ」
カレルは何も言えなかった。
母は続ける。
「それに、今回一番まずいのは、お前が“説明すればわかってもらえる”と思っているところです」
その言葉に、胸の奥が冷たく沈む。
「お前が求めているのは理解ではなく、免責です」
「そんなことは」
「あります」
言い切られた。
「そして、それを女性に求める癖が透けて見える限り、まともな家ほど引きますわ」
母はカレルを見た。
その目には怒りよりも、ひどく疲れた色があった。
「今はもう、お前に新しい縁談を探す以前の問題です」
その一言が、何より重かった。
新しい縁談を探す以前。
つまり、いまの自分は候補ですらないのだ。
◇
カレルはその夜、自室で長く眠れなかった。
外では風が窓を鳴らしていた。
王都の春の夜は国境よりいくらかやわらかいはずなのに、今の彼にはただ落ち着かない音にしか聞こえない。
少し話せばいいと思った。
誤解を解けばいいと思った。
だが現実には、話したことで余計に“面倒な男”として輪郭が濃くなっただけだった。
彼はまだ、完全には理解していない。
だが少なくとも一つだけ、ようやくわかり始めていた。
自分はもう、黙って座っているだけで縁談が寄ってくる立場ではないのだと。
あなたにおすすめの小説
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
皆さん勘違いなさっているようですが、この家の当主はわたしです。
和泉 凪紗
恋愛
侯爵家の後継者であるリアーネは父親に呼びされる。
「次期当主はエリザベスにしようと思う」
父親は腹違いの姉であるエリザベスを次期当主に指名してきた。理由はリアーネの婚約者であるリンハルトがエリザベスと結婚するから。
リンハルトは侯爵家に婿に入ることになっていた。
「エリザベスとリンハルト殿が一緒になりたいそうだ。エリザベスはちょうど適齢期だし、二人が思い合っているなら結婚させたい。急に婚約者がいなくなってリアーネも不安だろうが、適齢期までまだ時間はある。お前にふさわしい結婚相手を見つけるから安心しなさい。エリザベスの結婚が決まったのだ。こんなにめでたいことはないだろう?」
破談になってめでたいことなんてないと思いますけど?
婚約破棄になるのは構いませんが、この家を渡すつもりはありません。
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。