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24 終わった後の食事は何より美味しい
湯治宿の本館は、離れよりずっと人の気配がある。
古い床板。湯気のこもった廊下。薬草と薪の匂い。
厨房の方から、鍋の蓋が鳴る音がする。
さっきまでいた離れは、火が入っていても冷たかった。あの二人の声があったからかもしれない。
言い訳と、泣き声と、こちらを責めるための甘い言葉。あれは火より部屋を冷やす。
本館の食堂に入ると、空気が違う。
大きな暖炉の前に、厚い木の卓がある。椅子は不揃い。磨き込まれているが、脚に傷もある。窓の外は霧で白い。
その白さの手前に、橙色の灯りがいくつも揺れている。
「こちらへ」
宿の女将が、暖炉に近い席を指す。私は座る前に、手に持っていた包みを見た。
銀杯。銀スプーン。兄の眼鏡。母の首飾り。祖母のブローチ。ヘンリーのがらがら。家政鍵。肖像画。
どれも、今は布に包まれている。それでも重い。
「私が預かります」
ジェイが言う。
「いいえ」
「では、卓の内側に置きましょう」
「そうするわ」
足元に置くのは嫌だった。ジェイはすぐに椅子を一脚引き寄せ、そこへ荷を置き、自分の外套を背から外して上に掛けた。
「誰にも触らせません」
「ええ」
それだけで、少し息が入る。
女将が温かい布を持ってきた。手を拭く。指先が、自分で思っていたより冷えていた。
すぐに、湯気の立つ皿が置かれた。まず、スープ。
深い皿に、薄い金色のスープが入っている。玉葱と蕪、それから細く裂いた鶏肉。上には刻んだ香草が少し。
匙を入れると、底からやわらかく煮えた麦が出てくる。
ひと口飲む。
「……」
声が出ない。温かい。ただ温かいだけで、胸のあたりが変になる。
昼から何もまともに味がしなかった。パンも、肉も、ただ身体を動かすために入れただけだった。
これは違う。
玉葱の甘みがある。鶏の脂が薄く浮いていて、でも重くない。蕪は匙で押すと崩れるくらいやわらかい。
麦が少し歯に当たって、やっと噛むことを思い出す。
「……おいしい」
思わず、口から出た。ジェイが匙を止める。
「ええ」
「……今まで、何を食べていたのかしら」
「燃料です」
「ひどい言い方」
「でも、そうでした」
「そうね」
また一口飲む。今度はちゃんと味が分かる。
熱い。舌を少し焼く。でも、その熱さがありがたい。
次に、厚く切ったパンが出る。焼きたてではない。けれど、暖炉の前で炙ってある。
表面はかりっとして、中はまだ少し水分が残っている。添えられたバターを塗ると、すぐに溶ける。
かじる。バターの塩気。小麦の甘み。焦げた端の香ばしさ。
思わず、もう一口いく。
「アマンダ嬢」
「何」
「急に食べると、あとで苦しくなります」
「分かっているわ」
そう言いながら、また少し食べる。
ジェイは何か言いかけて、やめて自分のパンにもバターを塗る。
それから、一口。彼も止まる。
「どうしたの」
「……いえ」
「口に合わない?」
「逆です」
ジェイはパンを見下ろす。
「ようやく、自分が空腹だったと分かりました」
「でしょう」
「はい」
その返事が、いつもより少しだけ弱い。疲れているのだ。この人も。
兄を追い、父に書き、権利停止を告げ、書面を作り、逃げ道を塞いだ。ずっと正しく立っていた。
正しく立つのも、体力を使う。
女将が次の皿を置く。鹿肉と根菜の煮込みだった。深い茶色の汁に、肉と人参、芋、茸が沈んでいる。
匙ではなく、木の小さなナイフとフォークがつく。肉に触れると、ほろりと崩れた。
噛むと、獣の濃い味がある。でも臭くない。
赤葡萄酒と胡椒、それから何か甘いもの。干した果物かもしれない。
芋は汁を吸っている。人参は甘い。茸は噛むと、じゅっと熱い汁が出る。
「これは」
二口目を食べてから、女将を見る。
「おいしいわ」
女将がほっとしたように笑う。
「古い宿ですが、煮込みだけは昔からの味でございます」
「煮込みだけ?」
「あと焼き林檎も少し」
「それもお願い」
言ってから、自分で驚く。食べる気がある。ちゃんとある。
ジェイはこちらを見る。その目が少しだけやわらぐ。
「何」
「いえ」
「今、少し笑ったでしょう」
「そう見えたなら、たぶん」
「たぶん?」
「安心しました」
そこで、こちらの手が止まる。
「私が食べているから?」
「はい」
まっすぐ答えられると困る。
「ジェイ様も食べて」
「食べています」
「もっと」
「では」
彼は素直に煮込みを食べる。匙ではなく、パンで皿の端の汁を拭う。その動きが妙に自然で、少し意外だった。
「そういうことをするのね」
「します」
「伯爵家の次男なのに」
「腹が減っている時、煮込みの汁を残す理由がありません」
正しい。とても正しい。私は少し笑う。たぶん、今日初めてまともに笑った。
ジェイも気づいたらしい。
けれど何も言わない。そのままパンを食べる。ありがたい。今、笑ったことを指摘されたら、泣きそうになる。
どんどん食べる。スープ。パン。煮込み。
熱い茶も来る。蜂蜜が少し入っている。喉を通ると、身体の中の細いところまで温まる。
最後に、焼き林檎。小ぶりの林檎を半分に割って、芯を抜き、そこに蜂蜜と砕いた胡桃を詰めて焼いたものだった。皮は少ししわが寄っている。匙を入れると、果肉がとろりと崩れる。湯気と一緒に、甘酸っぱい香りが上がる。
口に入れる。熱い。甘い。酸っぱい。胡桃がかりっと当たる。
「……兄さんの果樹園の林檎の方が、たぶんおいしいわ」
「はい」
「でも、これはこれでおいしい」
「はい」
「持って帰ったら、兄さん食べるかしら」
「食べると思います」
「ヘンリーはまだ無理ね」
「いずれ」
「そうね。いずれ」
その言葉が、思ったより胸に残る。いずれ。
ヘンリーは大きくなる。今日のことを覚えてはいないだろう。でも、今日持ち出されたものは戻る。
兄の家は、鍵を替える。母親は、書面の上で切り離される。それでも、ヘンリーは生きる。
兄と。私と。家の者たちと。それから。
向かいに座るジェイを見る。彼は焼き林檎を匙で割っている。丁寧だ。何をしていても、手順を飛ばさない。
「ジェイ様」
「はい」
「今日は助かったわ」
「私もです」
「あなたも?」
「一人では、兄を止めきれなかったかもしれません」
「そう?」
「はい。アマンダ嬢がいたから、兄がごまかせなかった」
「私は怒っていただけよ」
「怒りを、必要なところへ向けていました」
その言い方が、少し困る。
「そう見えた?」
「はい」
「実際は、途中で何度も叫びたかったわ」
「叫んでもよかったと思います」
「そうしたら、たぶん止まらなくなった」
「では、止めます」
「止められる?」
「努力します」
少し間が空く。
それから、二人とも同時に茶を飲む。何だかおかしくて、私はまた少し笑う。今度はジェイも、ほんの少し笑った――笑った、と思う。口元だけだが。
食事が終わる頃、足元の荷を見る。外套の下で、回収したものが静かに置かれている。
逃げ道でばらまかれたもの。宿代にされたもの。預けられたもの。売られかけたもの。
今は、戻るのを待っている。
「明日、帰るのね」
「はい。まずエルフォードへ」
「フェンウィックへは?」
「父の使いが兄を引き取ります。私は、回収品と書類をエルフォードへ届ける方が先だと思います」
「あなたの家の問題でもあるのに」
「だからです」
ジェイは茶器を置く。
「フェンウィック家がしたことを、エルフォード家へ返す必要があります」
「クリスがしたことでしょう」
「フェンウィック家の長男がしたことです」
「……そういうところ、頑固ね」
「よく言われます」
「誰に」
「兄に」
少しだけ、空気が変わる。ジェイは茶の表面を見る。
「昔から、融通が利かないと」
「いいんじゃない」
私は言う。
「今日、その融通の利かなさにずいぶん助けられたわ」
ジェイの目が、こちらに戻る。
「なら、よかった」
今度の声は、少し低い。
食堂の暖炉で、薪が崩れる。火の粉が小さく上がる。
女将が食器を下げに来る。私は最後の茶を飲みきる。
お腹が温かい。手も温かい。頭は、少しぼんやりしてきた。まずい。気を抜くと、一気に眠くなる。
「アマンダ嬢」
「何」
「もう休みましょう」
「まだ書類を」
「明日の朝に確認します」
「でも」
「勝つために休みます」
ああ。それを言われると、聞くしかない。
「分かったわ」
立ち上がる。少し、足元が揺れた。
ほんの少しだ。
けれどジェイの手がすぐに出る。肘を支えられる。
「大丈夫?」
大丈夫ですか、ではなかった。私はその違いに気づく。
気づいたけれど、すぐには返せない。
「大丈夫」
そう答える。ジェイは一拍置いてから手を離す。
「では、部屋まで」
「お願い」
荷はグレイヴスが持つ。ジェイは私の少し横を歩く。
廊下は暖かい。湯の匂いがする。どこかで誰かが、小さく笑っている。人が暮らしている音だ。
あの二人が退屈だと言ったものに、よく似ている。
私はそれが、今、とてもありがたい。
古い床板。湯気のこもった廊下。薬草と薪の匂い。
厨房の方から、鍋の蓋が鳴る音がする。
さっきまでいた離れは、火が入っていても冷たかった。あの二人の声があったからかもしれない。
言い訳と、泣き声と、こちらを責めるための甘い言葉。あれは火より部屋を冷やす。
本館の食堂に入ると、空気が違う。
大きな暖炉の前に、厚い木の卓がある。椅子は不揃い。磨き込まれているが、脚に傷もある。窓の外は霧で白い。
その白さの手前に、橙色の灯りがいくつも揺れている。
「こちらへ」
宿の女将が、暖炉に近い席を指す。私は座る前に、手に持っていた包みを見た。
銀杯。銀スプーン。兄の眼鏡。母の首飾り。祖母のブローチ。ヘンリーのがらがら。家政鍵。肖像画。
どれも、今は布に包まれている。それでも重い。
「私が預かります」
ジェイが言う。
「いいえ」
「では、卓の内側に置きましょう」
「そうするわ」
足元に置くのは嫌だった。ジェイはすぐに椅子を一脚引き寄せ、そこへ荷を置き、自分の外套を背から外して上に掛けた。
「誰にも触らせません」
「ええ」
それだけで、少し息が入る。
女将が温かい布を持ってきた。手を拭く。指先が、自分で思っていたより冷えていた。
すぐに、湯気の立つ皿が置かれた。まず、スープ。
深い皿に、薄い金色のスープが入っている。玉葱と蕪、それから細く裂いた鶏肉。上には刻んだ香草が少し。
匙を入れると、底からやわらかく煮えた麦が出てくる。
ひと口飲む。
「……」
声が出ない。温かい。ただ温かいだけで、胸のあたりが変になる。
昼から何もまともに味がしなかった。パンも、肉も、ただ身体を動かすために入れただけだった。
これは違う。
玉葱の甘みがある。鶏の脂が薄く浮いていて、でも重くない。蕪は匙で押すと崩れるくらいやわらかい。
麦が少し歯に当たって、やっと噛むことを思い出す。
「……おいしい」
思わず、口から出た。ジェイが匙を止める。
「ええ」
「……今まで、何を食べていたのかしら」
「燃料です」
「ひどい言い方」
「でも、そうでした」
「そうね」
また一口飲む。今度はちゃんと味が分かる。
熱い。舌を少し焼く。でも、その熱さがありがたい。
次に、厚く切ったパンが出る。焼きたてではない。けれど、暖炉の前で炙ってある。
表面はかりっとして、中はまだ少し水分が残っている。添えられたバターを塗ると、すぐに溶ける。
かじる。バターの塩気。小麦の甘み。焦げた端の香ばしさ。
思わず、もう一口いく。
「アマンダ嬢」
「何」
「急に食べると、あとで苦しくなります」
「分かっているわ」
そう言いながら、また少し食べる。
ジェイは何か言いかけて、やめて自分のパンにもバターを塗る。
それから、一口。彼も止まる。
「どうしたの」
「……いえ」
「口に合わない?」
「逆です」
ジェイはパンを見下ろす。
「ようやく、自分が空腹だったと分かりました」
「でしょう」
「はい」
その返事が、いつもより少しだけ弱い。疲れているのだ。この人も。
兄を追い、父に書き、権利停止を告げ、書面を作り、逃げ道を塞いだ。ずっと正しく立っていた。
正しく立つのも、体力を使う。
女将が次の皿を置く。鹿肉と根菜の煮込みだった。深い茶色の汁に、肉と人参、芋、茸が沈んでいる。
匙ではなく、木の小さなナイフとフォークがつく。肉に触れると、ほろりと崩れた。
噛むと、獣の濃い味がある。でも臭くない。
赤葡萄酒と胡椒、それから何か甘いもの。干した果物かもしれない。
芋は汁を吸っている。人参は甘い。茸は噛むと、じゅっと熱い汁が出る。
「これは」
二口目を食べてから、女将を見る。
「おいしいわ」
女将がほっとしたように笑う。
「古い宿ですが、煮込みだけは昔からの味でございます」
「煮込みだけ?」
「あと焼き林檎も少し」
「それもお願い」
言ってから、自分で驚く。食べる気がある。ちゃんとある。
ジェイはこちらを見る。その目が少しだけやわらぐ。
「何」
「いえ」
「今、少し笑ったでしょう」
「そう見えたなら、たぶん」
「たぶん?」
「安心しました」
そこで、こちらの手が止まる。
「私が食べているから?」
「はい」
まっすぐ答えられると困る。
「ジェイ様も食べて」
「食べています」
「もっと」
「では」
彼は素直に煮込みを食べる。匙ではなく、パンで皿の端の汁を拭う。その動きが妙に自然で、少し意外だった。
「そういうことをするのね」
「します」
「伯爵家の次男なのに」
「腹が減っている時、煮込みの汁を残す理由がありません」
正しい。とても正しい。私は少し笑う。たぶん、今日初めてまともに笑った。
ジェイも気づいたらしい。
けれど何も言わない。そのままパンを食べる。ありがたい。今、笑ったことを指摘されたら、泣きそうになる。
どんどん食べる。スープ。パン。煮込み。
熱い茶も来る。蜂蜜が少し入っている。喉を通ると、身体の中の細いところまで温まる。
最後に、焼き林檎。小ぶりの林檎を半分に割って、芯を抜き、そこに蜂蜜と砕いた胡桃を詰めて焼いたものだった。皮は少ししわが寄っている。匙を入れると、果肉がとろりと崩れる。湯気と一緒に、甘酸っぱい香りが上がる。
口に入れる。熱い。甘い。酸っぱい。胡桃がかりっと当たる。
「……兄さんの果樹園の林檎の方が、たぶんおいしいわ」
「はい」
「でも、これはこれでおいしい」
「はい」
「持って帰ったら、兄さん食べるかしら」
「食べると思います」
「ヘンリーはまだ無理ね」
「いずれ」
「そうね。いずれ」
その言葉が、思ったより胸に残る。いずれ。
ヘンリーは大きくなる。今日のことを覚えてはいないだろう。でも、今日持ち出されたものは戻る。
兄の家は、鍵を替える。母親は、書面の上で切り離される。それでも、ヘンリーは生きる。
兄と。私と。家の者たちと。それから。
向かいに座るジェイを見る。彼は焼き林檎を匙で割っている。丁寧だ。何をしていても、手順を飛ばさない。
「ジェイ様」
「はい」
「今日は助かったわ」
「私もです」
「あなたも?」
「一人では、兄を止めきれなかったかもしれません」
「そう?」
「はい。アマンダ嬢がいたから、兄がごまかせなかった」
「私は怒っていただけよ」
「怒りを、必要なところへ向けていました」
その言い方が、少し困る。
「そう見えた?」
「はい」
「実際は、途中で何度も叫びたかったわ」
「叫んでもよかったと思います」
「そうしたら、たぶん止まらなくなった」
「では、止めます」
「止められる?」
「努力します」
少し間が空く。
それから、二人とも同時に茶を飲む。何だかおかしくて、私はまた少し笑う。今度はジェイも、ほんの少し笑った――笑った、と思う。口元だけだが。
食事が終わる頃、足元の荷を見る。外套の下で、回収したものが静かに置かれている。
逃げ道でばらまかれたもの。宿代にされたもの。預けられたもの。売られかけたもの。
今は、戻るのを待っている。
「明日、帰るのね」
「はい。まずエルフォードへ」
「フェンウィックへは?」
「父の使いが兄を引き取ります。私は、回収品と書類をエルフォードへ届ける方が先だと思います」
「あなたの家の問題でもあるのに」
「だからです」
ジェイは茶器を置く。
「フェンウィック家がしたことを、エルフォード家へ返す必要があります」
「クリスがしたことでしょう」
「フェンウィック家の長男がしたことです」
「……そういうところ、頑固ね」
「よく言われます」
「誰に」
「兄に」
少しだけ、空気が変わる。ジェイは茶の表面を見る。
「昔から、融通が利かないと」
「いいんじゃない」
私は言う。
「今日、その融通の利かなさにずいぶん助けられたわ」
ジェイの目が、こちらに戻る。
「なら、よかった」
今度の声は、少し低い。
食堂の暖炉で、薪が崩れる。火の粉が小さく上がる。
女将が食器を下げに来る。私は最後の茶を飲みきる。
お腹が温かい。手も温かい。頭は、少しぼんやりしてきた。まずい。気を抜くと、一気に眠くなる。
「アマンダ嬢」
「何」
「もう休みましょう」
「まだ書類を」
「明日の朝に確認します」
「でも」
「勝つために休みます」
ああ。それを言われると、聞くしかない。
「分かったわ」
立ち上がる。少し、足元が揺れた。
ほんの少しだ。
けれどジェイの手がすぐに出る。肘を支えられる。
「大丈夫?」
大丈夫ですか、ではなかった。私はその違いに気づく。
気づいたけれど、すぐには返せない。
「大丈夫」
そう答える。ジェイは一拍置いてから手を離す。
「では、部屋まで」
「お願い」
荷はグレイヴスが持つ。ジェイは私の少し横を歩く。
廊下は暖かい。湯の匂いがする。どこかで誰かが、小さく笑っている。人が暮らしている音だ。
あの二人が退屈だと言ったものに、よく似ている。
私はそれが、今、とてもありがたい。
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