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視線が痛いんだが?
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俺は女性が苦手だ。
大学で授業を受ける時、なるべく女性がいるところから離れるようにしている。
視線が痛い。
すげぇ見られている。気がする。
いや、絶対見られている。
だって、さっきからなんかひそひそ聞こえてるし。
(え、あんな可愛い子、この授業にいたっけ?)
(横の男誰だよ)
(まさか彼氏?〇ね)
つらい。
身に覚えないのない罵倒が聞こえてくる。
どちらかというと、俺も被害者なんだが?
そして、当の噂の本人は、気持ちよさそうに寝ていらっしゃる。
こっちも眠いのに、横でスースーと。
「んん…………」
えっ…。
こてんっ、と碓氷さんが俺の肩に頭を乗せてきた。
ジーザス。
また視線と罵倒がひどくなるなぁ。
おい、碓氷さん。起きろ。
と言いつつ、気持ちよさそうな寝顔から、あまりきつく起こせない自分はなんと甘いことだろうかと、明後日の方向を見ながら思った。
どうしてこうなった。
「まさか悠馬と学部まで同じとはねー」
こっちのセリフだ全く。
あと何ナチュラルに隣に座ってるんだよ。
すでに視線が痛いんだけども?
ってか今まで見かけたことなかったんだが。
「私あんまり学校来てないから」
おい。
キリっと決め顔をしていらっしゃるが、褒められたことじゃないからね?
「単位とかマジぎりぎりだからどうしようね?」
俺に聞くな。
「ってか私この授業初めて出るんだけど、ノート見せてくんない?」
……………は?初めて?
「うん」
どうりで今まで見たことなかったわけか。
「履修したはいいけど、出る気が起きなくてさぁ。朝からだから起きられないし」
朝と言っても二限目だが?っていうかそれならなんで履修したんだよ。
「なんか先輩にこの授業単位取りやすいって言われて取ってみたんだけど、興味ないから、しんどくて」
出た出た。こういう大学生いるよなぁ。
「ってなわけでノート見せて」
何が「ってなわけで」だ。断る。
「えー、なんでー」
なんでって、自分が出席してなかったのが悪いんだろ。
「おっぱい揉ませてあげるから」
………断る。
「今ちょっと悩んだでしょー」
ケラケラと笑う碓氷さん。まったく、この人は…。
自分の身体をもっと大切にしなさい。
「一瞬揺らぎかけた人に言われたくないですぅ」
こいつ…。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、講師の人が教室に入ってくる。
とたんに、碓氷さんはすっと前を向き、静かになる。
意外だな。案外真面目じゃないか。
「先生に媚び売っとけば、あとで単位取りやすくなるから」
おい。
動機が不純にもほどがあるだろ。
「私にかかればおじさんなんてイチコロだしね」
自身の武器の使い方が汚すぎるぞ。
「使わないより使った方がいいの」
本人が気にしないなら別に構わんけども…。
まぁ、ほどなくして彼女は眠りにつくわけだが。
真面目なのか不真面目なのか…。
「いやー、よく寝た」
言うな言うな。アホか。
「アホとはなによー。女子にモテないぞ」
構わん。
「あーもー、その反応つまんない」
知るか。
「先輩?」
授業が終わって校舎の外に出たところで、誰かに声をかけられる。
振り返ると、那智さんがそこにいた。
「隣の人って?」
「この子悠馬の知り合い?」
「え、ゆ、ゆうっ!?」
なんだろう。別に悪いことはしてないに、とても罪悪感にさいなまれている。
あぁ、胃が痛い。
この状況はどうすればいい?
俺は女性が苦手なんだよ。
大学で授業を受ける時、なるべく女性がいるところから離れるようにしている。
視線が痛い。
すげぇ見られている。気がする。
いや、絶対見られている。
だって、さっきからなんかひそひそ聞こえてるし。
(え、あんな可愛い子、この授業にいたっけ?)
(横の男誰だよ)
(まさか彼氏?〇ね)
つらい。
身に覚えないのない罵倒が聞こえてくる。
どちらかというと、俺も被害者なんだが?
そして、当の噂の本人は、気持ちよさそうに寝ていらっしゃる。
こっちも眠いのに、横でスースーと。
「んん…………」
えっ…。
こてんっ、と碓氷さんが俺の肩に頭を乗せてきた。
ジーザス。
また視線と罵倒がひどくなるなぁ。
おい、碓氷さん。起きろ。
と言いつつ、気持ちよさそうな寝顔から、あまりきつく起こせない自分はなんと甘いことだろうかと、明後日の方向を見ながら思った。
どうしてこうなった。
「まさか悠馬と学部まで同じとはねー」
こっちのセリフだ全く。
あと何ナチュラルに隣に座ってるんだよ。
すでに視線が痛いんだけども?
ってか今まで見かけたことなかったんだが。
「私あんまり学校来てないから」
おい。
キリっと決め顔をしていらっしゃるが、褒められたことじゃないからね?
「単位とかマジぎりぎりだからどうしようね?」
俺に聞くな。
「ってか私この授業初めて出るんだけど、ノート見せてくんない?」
……………は?初めて?
「うん」
どうりで今まで見たことなかったわけか。
「履修したはいいけど、出る気が起きなくてさぁ。朝からだから起きられないし」
朝と言っても二限目だが?っていうかそれならなんで履修したんだよ。
「なんか先輩にこの授業単位取りやすいって言われて取ってみたんだけど、興味ないから、しんどくて」
出た出た。こういう大学生いるよなぁ。
「ってなわけでノート見せて」
何が「ってなわけで」だ。断る。
「えー、なんでー」
なんでって、自分が出席してなかったのが悪いんだろ。
「おっぱい揉ませてあげるから」
………断る。
「今ちょっと悩んだでしょー」
ケラケラと笑う碓氷さん。まったく、この人は…。
自分の身体をもっと大切にしなさい。
「一瞬揺らぎかけた人に言われたくないですぅ」
こいつ…。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、講師の人が教室に入ってくる。
とたんに、碓氷さんはすっと前を向き、静かになる。
意外だな。案外真面目じゃないか。
「先生に媚び売っとけば、あとで単位取りやすくなるから」
おい。
動機が不純にもほどがあるだろ。
「私にかかればおじさんなんてイチコロだしね」
自身の武器の使い方が汚すぎるぞ。
「使わないより使った方がいいの」
本人が気にしないなら別に構わんけども…。
まぁ、ほどなくして彼女は眠りにつくわけだが。
真面目なのか不真面目なのか…。
「いやー、よく寝た」
言うな言うな。アホか。
「アホとはなによー。女子にモテないぞ」
構わん。
「あーもー、その反応つまんない」
知るか。
「先輩?」
授業が終わって校舎の外に出たところで、誰かに声をかけられる。
振り返ると、那智さんがそこにいた。
「隣の人って?」
「この子悠馬の知り合い?」
「え、ゆ、ゆうっ!?」
なんだろう。別に悪いことはしてないに、とても罪悪感にさいなまれている。
あぁ、胃が痛い。
この状況はどうすればいい?
俺は女性が苦手なんだよ。
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