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第72話:オウムの証言と、忘却という名の証拠
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アースガルド領に新設された地方裁判所。
傍聴席を埋め尽くす領民たちが見守る中、検察官ガレスは勝ち誇った顔で証言台を指し示した。
「裁判長! 被告人である紙商人、ペーターの横領は明白です! ここに決定的な目撃者がおります!」
証言台に立ったのは、身なりのいい男だった。
ガレスの手配した証人だ。
「……私は見ました。先月の15日、午後3時ちょうど。ペーターが裏帳簿を暖炉に投げ込み、金貨500枚が入った革袋を懐に入れるのを」
男は朗々と語り始めた。
その証言は具体的かつ詳細だった。
「その時、柱時計が3回鳴りました」
「金貨は王室発行の新しいものでした」
「彼は青い羽根ペンを使っていました」
「素晴らしい記憶力だ!」
ガレスが大げさに手を叩く。
「これほど鮮明な証言があるのです。被告人の有罪は揺るぎない!」
被告席のペーターは「やってない! 嘘だ!」と叫ぶが、完璧な目撃証言の前では分が悪い。
傍聴席からも「あんなに詳しく覚えているなら本当か?」という空気が流れ始める。
「……弁護人、反対尋問を」
裁判長が促すと、私は弁護席から立ち上がった。
「はい。喜んで」
私は証人の前に歩み寄った。
彼は自信満々の笑みを浮かべている。
事前にガレスから完璧な台本を渡され、一字一句暗記してきたのだろう。
「証人さん。……貴方の記憶力には感服いたしますわ。一ヶ月前のことを、まるで昨日のことのように覚えていらっしゃる」
「ええ、私は昔から記憶力がいいのでね」
「では、確認させてください。……貴方は『午後3時ちょうど』と言いましたが、なぜ時間が分かったのですか?」
「柱時計を見たからです。長針が12、短針が3を指していました」
「なるほど。では、金貨の枚数は?」
「袋の膨らみ具合と、彼が数えていた声から、500枚だと確信しています」
完璧だ。
隙がない。
だからこそ、偽物なのだ。
「……奇妙ですね」
私は首を傾げた。
「エビングハウスの忘却曲線という法則があります。……人間は、無意味な情報や感情の伴わない詳細は、1日後には74%を忘れてしまう生き物です」
私は証人の目を覗き込んだ。
「貴方は、金貨や不正という印象的な出来事だけでなく、時計の針の位置やペンの色といった、どうでもいい周辺情報まで、一ヶ月経っても100%保持している。……これは極めて不自然な過剰記憶です」
「な、何を! 記憶力が良くて悪いことがあるか!」
ガレスが野次を飛ばす。
「ええ。記憶力が良いのは結構です。……では証人さん、もう一度、最初から証言をお願いできますか?」
「は? もう一度?」
「はい。確認のためです。……あの日、何が起きたのかを」
証人は面倒くさそうに、しかしスラスラと語り始めた。
「私は見ました。先月の15日、午後3時ちょうど。ペーターが裏帳簿を暖炉に投げ込み……」
私は黙って聞いていた。
そして、彼が話し終えた時、私は法廷全体に響く声で言った。
「……一言一句、同じでしたね」
「当たり前だ! 真実だからな!」
「いいえ。それがおかしいのです」
私は傍聴席に向かって解説した。
「人間の記憶とは、録画ではありません。思い出すたびに、脳内で再構成されるものです。……だから、同じ話を二度すれば、必ず言葉の選び方や、順序、ニュアンスが微妙に変わるはずなのです」
私は証人を指差した。
「ですが、貴方の証言は、単語の選び方から息継ぎのタイミングまで、先ほどと完全に一致しました。……まるで書かれた台本を読んでいるかのように」
「っ……!」
証人の顔が引きつる。
「では、実験をしましょう。……先月の15日、その事件を目撃した後、貴方は夕食に何を食べましたか?」
「えっ? ゆ、夕食?」
「あれほど詳細に時計の針の位置まで覚えている貴方なら、自分の食事くらい覚えていますよね?」
「そ、それは……、ええと、パンと……、スープだったかな……?」
「曖昧ですね。では、その日の天気は? 私が調べた気象データによれば、その日は珍しい季節外れの雹が降ったはずですが?」
「あ……、そ、そういえば降ったような……」
「嘘ですね」
私は冷酷に切り捨てた。
「その日は快晴でした。……雹が降ったのは翌日です」
カマかけだ。
だが、台本にないことを聞かれた彼は、記憶を探るフリをして私の誘導に乗ってしまった。
「貴方は事件については異常なほど鮮明に覚えているのに、それ以外の自分の体験はあやふやで、誘導にも引っかかる。……選択的記憶の矛盾ですね」
私はガレス検察官を振り返った。
「ガレス殿。……貴方が書いた脚本は素晴らしい出来でしたが、演者が大根役者でしたわね。アドリブに対応できていません」
「ぐ、ぐぬぬ……!」
ガレスは顔を真っ赤にして拳を震わせた。
証人は「ち、違う! 俺は本当に!」と叫ぶが、もう誰も信じていない。
あまりにも流暢すぎる証言は、かえって作られたものであることを露呈させてしまったのだ。
「裁判長。証言の信用性は崩壊しました。……人間の記憶は忘れることが自然であり、完璧すぎる記憶こそが偽造の証拠なのです」
裁判長が木槌を叩く。
「……弁護人の主張を認める。証言は採用しない! 検察側の立証は不十分として、被告人は無罪!」
歓声が上がる。
無実の罪を着せられそうになった商人ペーターが、涙を流して感謝してくる。
「ありがとうございます、マリアンヌ様! 本当に……、本当に!」
「いいのよ。……真実はね、少しほつれていて、あやふやなものなの。綺麗に整いすぎた物語には、必ず裏がある」
私はガレス検察官に一瞥をくれた。
彼は逃げるように法廷を去っていった。
自白も偽証も封じられた旧体制派の司法。
彼らにはもう、無実の人間を陥れる手札は残されていない。
「さて、セバス。……これで法廷闘争も一段落ね」
「はい。……ですがお嬢様、少々目立ちすぎましたな。そろそろ物理的な反撃が来るかもしれませんぞ」
「望むところよ。……こっちは地質学者だもの。物理攻撃なら専門分野だわ」
アースガルドの法廷に、新しい正義の基準が生まれた日。
それは、嘘つきたちが最も恐れる科学という名の裁判官が着任した日でもあった。
傍聴席を埋め尽くす領民たちが見守る中、検察官ガレスは勝ち誇った顔で証言台を指し示した。
「裁判長! 被告人である紙商人、ペーターの横領は明白です! ここに決定的な目撃者がおります!」
証言台に立ったのは、身なりのいい男だった。
ガレスの手配した証人だ。
「……私は見ました。先月の15日、午後3時ちょうど。ペーターが裏帳簿を暖炉に投げ込み、金貨500枚が入った革袋を懐に入れるのを」
男は朗々と語り始めた。
その証言は具体的かつ詳細だった。
「その時、柱時計が3回鳴りました」
「金貨は王室発行の新しいものでした」
「彼は青い羽根ペンを使っていました」
「素晴らしい記憶力だ!」
ガレスが大げさに手を叩く。
「これほど鮮明な証言があるのです。被告人の有罪は揺るぎない!」
被告席のペーターは「やってない! 嘘だ!」と叫ぶが、完璧な目撃証言の前では分が悪い。
傍聴席からも「あんなに詳しく覚えているなら本当か?」という空気が流れ始める。
「……弁護人、反対尋問を」
裁判長が促すと、私は弁護席から立ち上がった。
「はい。喜んで」
私は証人の前に歩み寄った。
彼は自信満々の笑みを浮かべている。
事前にガレスから完璧な台本を渡され、一字一句暗記してきたのだろう。
「証人さん。……貴方の記憶力には感服いたしますわ。一ヶ月前のことを、まるで昨日のことのように覚えていらっしゃる」
「ええ、私は昔から記憶力がいいのでね」
「では、確認させてください。……貴方は『午後3時ちょうど』と言いましたが、なぜ時間が分かったのですか?」
「柱時計を見たからです。長針が12、短針が3を指していました」
「なるほど。では、金貨の枚数は?」
「袋の膨らみ具合と、彼が数えていた声から、500枚だと確信しています」
完璧だ。
隙がない。
だからこそ、偽物なのだ。
「……奇妙ですね」
私は首を傾げた。
「エビングハウスの忘却曲線という法則があります。……人間は、無意味な情報や感情の伴わない詳細は、1日後には74%を忘れてしまう生き物です」
私は証人の目を覗き込んだ。
「貴方は、金貨や不正という印象的な出来事だけでなく、時計の針の位置やペンの色といった、どうでもいい周辺情報まで、一ヶ月経っても100%保持している。……これは極めて不自然な過剰記憶です」
「な、何を! 記憶力が良くて悪いことがあるか!」
ガレスが野次を飛ばす。
「ええ。記憶力が良いのは結構です。……では証人さん、もう一度、最初から証言をお願いできますか?」
「は? もう一度?」
「はい。確認のためです。……あの日、何が起きたのかを」
証人は面倒くさそうに、しかしスラスラと語り始めた。
「私は見ました。先月の15日、午後3時ちょうど。ペーターが裏帳簿を暖炉に投げ込み……」
私は黙って聞いていた。
そして、彼が話し終えた時、私は法廷全体に響く声で言った。
「……一言一句、同じでしたね」
「当たり前だ! 真実だからな!」
「いいえ。それがおかしいのです」
私は傍聴席に向かって解説した。
「人間の記憶とは、録画ではありません。思い出すたびに、脳内で再構成されるものです。……だから、同じ話を二度すれば、必ず言葉の選び方や、順序、ニュアンスが微妙に変わるはずなのです」
私は証人を指差した。
「ですが、貴方の証言は、単語の選び方から息継ぎのタイミングまで、先ほどと完全に一致しました。……まるで書かれた台本を読んでいるかのように」
「っ……!」
証人の顔が引きつる。
「では、実験をしましょう。……先月の15日、その事件を目撃した後、貴方は夕食に何を食べましたか?」
「えっ? ゆ、夕食?」
「あれほど詳細に時計の針の位置まで覚えている貴方なら、自分の食事くらい覚えていますよね?」
「そ、それは……、ええと、パンと……、スープだったかな……?」
「曖昧ですね。では、その日の天気は? 私が調べた気象データによれば、その日は珍しい季節外れの雹が降ったはずですが?」
「あ……、そ、そういえば降ったような……」
「嘘ですね」
私は冷酷に切り捨てた。
「その日は快晴でした。……雹が降ったのは翌日です」
カマかけだ。
だが、台本にないことを聞かれた彼は、記憶を探るフリをして私の誘導に乗ってしまった。
「貴方は事件については異常なほど鮮明に覚えているのに、それ以外の自分の体験はあやふやで、誘導にも引っかかる。……選択的記憶の矛盾ですね」
私はガレス検察官を振り返った。
「ガレス殿。……貴方が書いた脚本は素晴らしい出来でしたが、演者が大根役者でしたわね。アドリブに対応できていません」
「ぐ、ぐぬぬ……!」
ガレスは顔を真っ赤にして拳を震わせた。
証人は「ち、違う! 俺は本当に!」と叫ぶが、もう誰も信じていない。
あまりにも流暢すぎる証言は、かえって作られたものであることを露呈させてしまったのだ。
「裁判長。証言の信用性は崩壊しました。……人間の記憶は忘れることが自然であり、完璧すぎる記憶こそが偽造の証拠なのです」
裁判長が木槌を叩く。
「……弁護人の主張を認める。証言は採用しない! 検察側の立証は不十分として、被告人は無罪!」
歓声が上がる。
無実の罪を着せられそうになった商人ペーターが、涙を流して感謝してくる。
「ありがとうございます、マリアンヌ様! 本当に……、本当に!」
「いいのよ。……真実はね、少しほつれていて、あやふやなものなの。綺麗に整いすぎた物語には、必ず裏がある」
私はガレス検察官に一瞥をくれた。
彼は逃げるように法廷を去っていった。
自白も偽証も封じられた旧体制派の司法。
彼らにはもう、無実の人間を陥れる手札は残されていない。
「さて、セバス。……これで法廷闘争も一段落ね」
「はい。……ですがお嬢様、少々目立ちすぎましたな。そろそろ物理的な反撃が来るかもしれませんぞ」
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