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【第2章】失くしたもの
第4話
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翌日。
今日は結葉もちゃんと学校に来た。
とてもダルそうだけど、それはいつものことだ。
そろそろ中間試験の時期ということもあり、放課後はボクの家で勉強会をすることになった。
「勉強って将来何の役に立つんだろうね。どうせ英語の勉強をしたところで、別に仕事で使いたいわけじゃなし」
消しゴムを絶妙なバランスで立てながら、学生が悩む普遍的ななぞかけをしてくる結葉。
「言ってしまえば、これがボクたちの仕事だからじゃない?」
「だったらお金がほしいよ」
「いくらくらい?」
「ん~、一日3万円くらい」
「高給取りだね」
「だって、お洋服とか買いたいし。もっと可愛い服を着て、柊にたくさん褒めてもらいたい」
「何を着たって結葉は可愛いと思うけど」
「嬉しいけど、そういうことじゃないの。柊には、いつも私が自信を持って可愛いと思える姿を見せたいの」
ローテーブルの下から、何やらツンツンとつつかれる。
「こーら。足で人を蹴らないの」
「蹴ってないよ~だ♪ 柊の感触を足で感じてるだけ」
反対側に座る結葉は、いたずらっ子のようなにニヤリとしたかと思うと、器用に足を使ってボクの太ももを撫でてくる。
「ちょっとくすぐったいって!」
「あははっ! ごめん、ごめん。柊はついいじめたくなっちゃうんだよねぇ」
「なんだよ、それ。結葉もそうやって動いてるとせっかくの服がシワになっちゃうよ」
「別にいいよ。この標準服そんな可愛くないし」
「結局、結葉も下は標準服を着ることが多いよね」
「だって、周りの女の子も私服の子が少ないし、変に目立ちたくないし……」
「まぁそうだよね。ボクもそんな感じ」
ボクたちの通う附属高校は、私服はOKなのだが、実際に私服で来る人は3~4割程度かもしれない。
だいたいは、標準服を着てくることが多く、中でもなんちゃって制服のように、下は標準服、上はお好みでセーターだったり、シャツだったりがほとんどだ。
体育がある日は一日中体操着なんてこともある。
「あーあ、もっとおしゃれしたかったのになぁ。あっ、そうだ! またデート行こうよ」
「もしかしてまたピクニック? さすがに次の日の筋肉痛が辛いし……」
「違うよ! 今度は高校生らしく近くのショッピングモールでお買い物!」
「近くは嫌だから、あまり人口密度が高くなくて、知ってる人がいないところがいいかな」
「了解! じゃあ次の休みに行こう!」
「えー、この前遠出したばかりだし、中間試験が終わってからにしない?」
「もぉ、柊は引きこもってばっかしなんだから」
ボクの方にやって来たかと思うと、ちょっと休憩と言わんばかりに、いつものポジションで膝枕をすることになった。
身体の心地よい温かさと柔らかな髪の感触がボクを刺激する。
頬には結葉の手の感触。頭の温かさに反して、こちらはちょっと冷たくて、これはこれで気持ち良い。
「ねぇ、なんで柊は知ってる人がいないところに行きたいの?」
「行きたくはないよ。ボクは家にいたい」
「もぉ。ま・じ・め・に・こ・た・え・て」
寝そべったまま、言葉に合わせてボクの頬をツンツンしてくる。
やっぱりごまかせないか。
結葉にだったら、いや、いつも一緒にいてくれる結葉にだからこそ話すべきなのかもしれない。
ボクは結葉の指を握りながら、遠くを見つめて口を開いた。
今日は結葉もちゃんと学校に来た。
とてもダルそうだけど、それはいつものことだ。
そろそろ中間試験の時期ということもあり、放課後はボクの家で勉強会をすることになった。
「勉強って将来何の役に立つんだろうね。どうせ英語の勉強をしたところで、別に仕事で使いたいわけじゃなし」
消しゴムを絶妙なバランスで立てながら、学生が悩む普遍的ななぞかけをしてくる結葉。
「言ってしまえば、これがボクたちの仕事だからじゃない?」
「だったらお金がほしいよ」
「いくらくらい?」
「ん~、一日3万円くらい」
「高給取りだね」
「だって、お洋服とか買いたいし。もっと可愛い服を着て、柊にたくさん褒めてもらいたい」
「何を着たって結葉は可愛いと思うけど」
「嬉しいけど、そういうことじゃないの。柊には、いつも私が自信を持って可愛いと思える姿を見せたいの」
ローテーブルの下から、何やらツンツンとつつかれる。
「こーら。足で人を蹴らないの」
「蹴ってないよ~だ♪ 柊の感触を足で感じてるだけ」
反対側に座る結葉は、いたずらっ子のようなにニヤリとしたかと思うと、器用に足を使ってボクの太ももを撫でてくる。
「ちょっとくすぐったいって!」
「あははっ! ごめん、ごめん。柊はついいじめたくなっちゃうんだよねぇ」
「なんだよ、それ。結葉もそうやって動いてるとせっかくの服がシワになっちゃうよ」
「別にいいよ。この標準服そんな可愛くないし」
「結局、結葉も下は標準服を着ることが多いよね」
「だって、周りの女の子も私服の子が少ないし、変に目立ちたくないし……」
「まぁそうだよね。ボクもそんな感じ」
ボクたちの通う附属高校は、私服はOKなのだが、実際に私服で来る人は3~4割程度かもしれない。
だいたいは、標準服を着てくることが多く、中でもなんちゃって制服のように、下は標準服、上はお好みでセーターだったり、シャツだったりがほとんどだ。
体育がある日は一日中体操着なんてこともある。
「あーあ、もっとおしゃれしたかったのになぁ。あっ、そうだ! またデート行こうよ」
「もしかしてまたピクニック? さすがに次の日の筋肉痛が辛いし……」
「違うよ! 今度は高校生らしく近くのショッピングモールでお買い物!」
「近くは嫌だから、あまり人口密度が高くなくて、知ってる人がいないところがいいかな」
「了解! じゃあ次の休みに行こう!」
「えー、この前遠出したばかりだし、中間試験が終わってからにしない?」
「もぉ、柊は引きこもってばっかしなんだから」
ボクの方にやって来たかと思うと、ちょっと休憩と言わんばかりに、いつものポジションで膝枕をすることになった。
身体の心地よい温かさと柔らかな髪の感触がボクを刺激する。
頬には結葉の手の感触。頭の温かさに反して、こちらはちょっと冷たくて、これはこれで気持ち良い。
「ねぇ、なんで柊は知ってる人がいないところに行きたいの?」
「行きたくはないよ。ボクは家にいたい」
「もぉ。ま・じ・め・に・こ・た・え・て」
寝そべったまま、言葉に合わせてボクの頬をツンツンしてくる。
やっぱりごまかせないか。
結葉にだったら、いや、いつも一緒にいてくれる結葉にだからこそ話すべきなのかもしれない。
ボクは結葉の指を握りながら、遠くを見つめて口を開いた。
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