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【第5章】時の悪戯、そして決意する
第5話
しおりを挟む7月5日、月曜日。学校にて。
「一生のお願いだ。俺に好きって言ってくれ」
「やめろよ……。友達だろ?」
「友達……いや、親友のお前だからこそ頼んでいるんだ」
「わかった……。直行、お前が、好きだ」
「おう……」
「朝から! キモイから!」
バコッ! バコッ!
ギャル姉さんこと・水上さんにスクールバッグで殴られる男二人組。
《巻き戻し》の真相を探るべく、俺は登校早々に友助に告白するように頼んだ。
なんか悪乗りみたいになってしまったが。
それを見るに堪えないと判断した水上さんに制裁を加えられたという流れだ。
世の中にはこういった光景を見るのが好きな女性もいるらしいが、それはお互いがイケメンに限る話であろう。
「いったいな! 陽子、何すんだよ」
すかさず友助が噛みつく。
「あんたらが朝から気持ち悪いことやってるからよ。太田さぁ、女子と話すのが苦手だからってそれはないわ。そりゃ色んな恋愛に寛大な世の中になってきたけどさぁ、あんたらのは誰も望んでません」
「……そ、そこまで言いますか」
さすがにギャルの圧力には今の俺をもってしても圧倒されてしまう。
「目、覚ましなよ」と半分哀れみを込めた言葉を呟きながら自席へ戻るギャル。
水上さんには告白は頼めないよな……
頼んだら最後、一生軽蔑の視線を送られるだろう。
それにしても、友助に「好き」と言わせても《巻き戻し》は起きなかった。
家族でも起きなかったってことは、単純に告白の言葉だけではダメってことか?
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