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蛇の鞭VS愛の鞭
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その日の放課後、再び僕は屋上に居た。
顔が見えないほど垂らされた前髪。
手を加えた事のないスカートの丈。
飾り栄えのない真っ白なハイソックス。
自己主張、そんな言葉は欠片も無い。
世界に同じモノが二つと無い表情すら、彼女には必要としていないかのよう。
何も言わず、起きてるのか寝てるのか、生きてるのか死んでるのかも分からない様子で、彼女は立っていた。
「ではこれより、桃華学園規則に則り決闘を開始する。銃火器以外、全ての武器の使用を認め、戦意喪失、もしくは戦闘不能によって締めくくるモノとする」
子供先生の前口上に、彼女が袖口から滑らせるように鞭を取り出した。
目の前に自分が殺しかけた男が、松葉杖を両脇に抱えながら立っているというのに、驚くどころか反応すらない。
マトモじゃないんだ。
「闘いの炎を燃やせ!」
お前はもう、壊れかけているんだよ。
決闘の合図と共に、彼女の手がゆらり――と揺れる。
ピシッピシッと床を打つ鞭の音、そのスピードは加速して行き、空気を切り裂く音に変わった。
「相変わらず凄いスピードだな。間違って自分に当たっちゃったりしない?」
返事が来ないと分かっていても、話しかけたい時もある。
「今日は僕の特技も見てもらおうかと思ってさ」
両脇に抱えた松葉杖を持ち替える。
骨が折れてるわけじゃないし、無ければ立てない程じゃない。
まぁ、動くと痛いんだけど。
彼女に見せ付けるように、ソレをゆっくりと回す。
コツがいるのは最初だけ、スピードに乗ってしまえば、
まるでそれは手に吸い付くかの様に、僕の両手に旋風を巻き起こす。
「凄くない? これ練習したんだよね」
昔の格ゲーに出てきた棒使いに憧れて、初めは箒をくるくる回していたっけ。
その時の僕はまだ幼くて、速く回せば摩擦で炎が出ると本気で信じていたんだ。
どれだけ回しても炎が出ないって事をしった時には、棒状のものなら何でも回せる位にはなっていた。
特技――とドヤ顔で疲労出来たのは小学生まで。
若気の至りと封印した特技がこんなところで役に立つとは。
そんな僕の行動に、彼女はまるで無反応。
腕を振りながら距離を詰めると、何の迷いも無く鞭を放った。
パァン! と衝撃音が鳴り響く。
姿を隠していた蛇《むち》は動きを止め、地面へだらりと横たわる。
高速回転した松葉杖の遠心力は、蛇の進入を許さない。
「そういえばそのゲームに蛇崎ってキャラがいたな。僕が好きだったキャラと同じチームだったんだけどね、そいつもイカレキャラだったなぁ。君といい勝負かもしれない。まぁ、あっちは良く喋っていたけどね」
弾かれても弾かれても、彼女の攻撃は止まる事を知らなかった。
松葉杖が全て防いでくれるが、弾く衝撃だけで激痛が走る。
もう一つ悪い事に、二本の松葉杖の内、一本は鉄製だ。
昨日狼の犠牲になったモノの代わりに保健室にあった松葉杖を借りてきたからだ。
地味に重く、体力の消費が激しい。
「僕の家に新しいゲームはなくてさ、良く友達の家に入り浸ってゲームをしてたんだよ。まぁ、僕は結構格ゲーには自信があって、近所のゲーセンの大会とかに出た事もあるんだ」
無言で鞭を振り続ける彼女。尚も僕は喋り続ける。
「だからさ、友達と対戦したりしても、普通にやったら余裕で勝っちゃったりするんだよね。だからわざと負けてたりしたんだけど、ある時凄い事に気付いたんだよ。凄い事――なにか気になる?」
返事が無い。ただの蛇のようだ。
全く、黒影だって鼻を鳴らすくらいはしてくれるのに。
「それはね、昼食や夕食時、そろそろ解散かなって時、相手に「もう一回やろうぜ!」って言わせるプレイをする事なんだ。友達のお母さんが「そろそろ晩御飯よ」って言っても、もう一回もう一回と繰り返す息子と僕を見て「良かったら武君も食べていく?」って言う展開になる確率が非常に高いんだよ」
そんな接待プレイは大いに役立った。
間山君ありがとう。間山君のお母さんごめんなさい。
「友達の家でご飯を食べてる時、ふと思うんだよ。『ああ友達っていいなぁ』ってね」
しかし痛い。何だってこんなに痛いんだよ。
もうちょっと入院してた方良かったか?
いやいや、あのまま入院してたら一生消えない傷を負わされていたかもしれない。
精神的に。
「僕の父親も良く言うんだ。『一人の友人は大金にも勝る』ってね。鼻を垂らした子供でも、お手伝いをすれば小遣いをもらえる。お金は誰だって手に入れることが出来る。ほんの僅かな行動力と苦労さえあればね。だが、友達はそうもいかない。ものすごい行動力と苦労をかけても手に入らない事もあるし、かと思えば、何の気なしに其処にある事も」
全身の骨がバラバラになってしまう程に痛い。
本当に骨折れてないのか? あれ、アバラにヒビが入ってるって言ってたっけか?
アバラってなんだっけ――肋骨?
「友人と呼べる人が出来ても、相手は自分の事を友人と思っているのだろうか。親友とは何なんだ。何がどうなれば友人から親友にランクアップするんだ。そんな悩みも、考えたってキリがない。目に見えないモノを確かめる事は、悪魔の証明と同じだ」
彼女の攻撃が一層激しさを増す。
意思を持たない蛇が、憎悪の牙を剥いた。
「生徒会長と親しい? 仲が良いって友達ってわけじゃなさそうだよな。犬とご主人様って感じかな」
感情の高ぶりを感じる。
「いや、犬ですらないのかもしれないね。何だろう、鉛筆みたいなモノかな? 落とそうが失くそうが、別に何も感じない。新しいのを使うだけ。生徒会長にとって、君はただのモノでしかないんじゃないかな?」
まだ間に合う。さらけ出せ。
「生徒会長は――君の事をこれっぽっちも思っていない」
助けを求めるんだ!
「そんなごどない!」
それは、言葉と呼べるほど綺麗なモノではなかった。
獣の咆哮にも似た、言葉を忘れた人の叫び。
「せ、せ、せんぱいハわたしをミテル! わわ私をみてクレテいる! ダイジにしてくれて! ヒツヨウとしてくれているんだあアアアアアアアアア!」
想いを乗せた一撃に、乾いた音が鳴り響く。
木片を撒き散らし、右手の松葉杖が折れた。
「君を見てる? 大事にしてる? ははっ、笑わせてくれる! じゃあ何で君はいつも独りぼっちでいるんだ? ――お前の事が大事で! お前の事をちゃんと見ているなら! お前がもっと楽しく過ごせるように努力するのが普通じゃないのか!?」
「ウルサイウルサイウルサイウルサイ!」
受けきれない鞭が肉を刻み、不快な汗が全身から吹き出す。
「お前の事を本当に思っていたなら! あの時僕を落とさせなかったはずだ! 自分がした事の重大さが分からないほど子供じゃないだろ!? 僕だったら! 大切な友人を殺人者にさせたりはしない!」
「ウルサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ!」
彼女の鞭が残された松葉杖を捕らえ、僕の手から離れる。
その一瞬、僅かに動きを止めた蛇の頭をしっかりと掴んだ。
『蜘蛛の糸』と言う話がふと頭に浮かんだ。
地獄に堕ちた罪人を救おうと、釈迦が一本の蜘蛛の糸を垂らす。
その糸に飛びつき、地獄を抜け出そうとした罪人はわらわらと登って来た他の連中を一喝した。
すると糸は切れ全員真っ逆さま、結局誰も救われなかったというクソみたいな話だ。
釈迦が何をしたかったのか全くもって理解不能。
蟻に小便をかける小学生と同レベルの意味の無い行動だと、幼心にそう思ったのを覚えている。
僕はお釈迦様ではないし、これは蜘蛛の糸なんかじゃない。
女の子一人くらい――引き寄せて見せる!
全力で鞭を引っ張ると、彼女の身体がふわりと宙に浮いた。
推定体重三十五キロ。
傷ついた僕の身体では、受け止めきれず後方に倒れたが、しっかりと彼女の身体は抱えていた。
スカートをめくり、個性の欠片も無い白のパンツをずり下げる。
想いを込めるように手の平に息を吹きかけ、真っ白なお尻に振り下ろした。
「友情の尻叩きッ!」
「ギャアアアアアアアアアアッ!?」
――バチン! と大きな音が響く。
たった一撃で赤くなるお尻。
それでもっ! 僕はっ! 叩くのをやめないっ!
「悪い事をしたら、叱られなければならない!」
――バチン!
「誰がかダメだと言わなければならない!」
――バチン!
「誰も居ないなら僕が教えてやる!」
――バチン!
「友人として! 僕が叱ってやるよ!」
何度も何度も、彼女のお尻を叩いた。
奥底で凝り固まった何かをほぐすように、彼女の心を叩き続けた。
「ご……めんなさい! ごめんなさああああああああい!」
彼女の感情が涙と共に溢れ出した時。
鮮やかな夕日とシンクロするように、僕の手も、彼女のお尻も真っ赤に染まっていた。
「よくやったな。山棟蛇は保健室に連れて行く。後は私に任せろ」
いまだすすり泣く山棟蛇をおぶり、子供先生が爽やかに微笑む。
「分かりました。よろしくお願いします」
「あの……なんだ……。お前……怖いな……」
引き笑いを浮かべながら、気持ち足早に去って行った。
身長差からか、山棟蛇の足を引きずりながら。
残された僕は、一人熱を帯びた手を見つめる。
足元には、真っ白な彼女のパンツが落ちていた。
顔が見えないほど垂らされた前髪。
手を加えた事のないスカートの丈。
飾り栄えのない真っ白なハイソックス。
自己主張、そんな言葉は欠片も無い。
世界に同じモノが二つと無い表情すら、彼女には必要としていないかのよう。
何も言わず、起きてるのか寝てるのか、生きてるのか死んでるのかも分からない様子で、彼女は立っていた。
「ではこれより、桃華学園規則に則り決闘を開始する。銃火器以外、全ての武器の使用を認め、戦意喪失、もしくは戦闘不能によって締めくくるモノとする」
子供先生の前口上に、彼女が袖口から滑らせるように鞭を取り出した。
目の前に自分が殺しかけた男が、松葉杖を両脇に抱えながら立っているというのに、驚くどころか反応すらない。
マトモじゃないんだ。
「闘いの炎を燃やせ!」
お前はもう、壊れかけているんだよ。
決闘の合図と共に、彼女の手がゆらり――と揺れる。
ピシッピシッと床を打つ鞭の音、そのスピードは加速して行き、空気を切り裂く音に変わった。
「相変わらず凄いスピードだな。間違って自分に当たっちゃったりしない?」
返事が来ないと分かっていても、話しかけたい時もある。
「今日は僕の特技も見てもらおうかと思ってさ」
両脇に抱えた松葉杖を持ち替える。
骨が折れてるわけじゃないし、無ければ立てない程じゃない。
まぁ、動くと痛いんだけど。
彼女に見せ付けるように、ソレをゆっくりと回す。
コツがいるのは最初だけ、スピードに乗ってしまえば、
まるでそれは手に吸い付くかの様に、僕の両手に旋風を巻き起こす。
「凄くない? これ練習したんだよね」
昔の格ゲーに出てきた棒使いに憧れて、初めは箒をくるくる回していたっけ。
その時の僕はまだ幼くて、速く回せば摩擦で炎が出ると本気で信じていたんだ。
どれだけ回しても炎が出ないって事をしった時には、棒状のものなら何でも回せる位にはなっていた。
特技――とドヤ顔で疲労出来たのは小学生まで。
若気の至りと封印した特技がこんなところで役に立つとは。
そんな僕の行動に、彼女はまるで無反応。
腕を振りながら距離を詰めると、何の迷いも無く鞭を放った。
パァン! と衝撃音が鳴り響く。
姿を隠していた蛇《むち》は動きを止め、地面へだらりと横たわる。
高速回転した松葉杖の遠心力は、蛇の進入を許さない。
「そういえばそのゲームに蛇崎ってキャラがいたな。僕が好きだったキャラと同じチームだったんだけどね、そいつもイカレキャラだったなぁ。君といい勝負かもしれない。まぁ、あっちは良く喋っていたけどね」
弾かれても弾かれても、彼女の攻撃は止まる事を知らなかった。
松葉杖が全て防いでくれるが、弾く衝撃だけで激痛が走る。
もう一つ悪い事に、二本の松葉杖の内、一本は鉄製だ。
昨日狼の犠牲になったモノの代わりに保健室にあった松葉杖を借りてきたからだ。
地味に重く、体力の消費が激しい。
「僕の家に新しいゲームはなくてさ、良く友達の家に入り浸ってゲームをしてたんだよ。まぁ、僕は結構格ゲーには自信があって、近所のゲーセンの大会とかに出た事もあるんだ」
無言で鞭を振り続ける彼女。尚も僕は喋り続ける。
「だからさ、友達と対戦したりしても、普通にやったら余裕で勝っちゃったりするんだよね。だからわざと負けてたりしたんだけど、ある時凄い事に気付いたんだよ。凄い事――なにか気になる?」
返事が無い。ただの蛇のようだ。
全く、黒影だって鼻を鳴らすくらいはしてくれるのに。
「それはね、昼食や夕食時、そろそろ解散かなって時、相手に「もう一回やろうぜ!」って言わせるプレイをする事なんだ。友達のお母さんが「そろそろ晩御飯よ」って言っても、もう一回もう一回と繰り返す息子と僕を見て「良かったら武君も食べていく?」って言う展開になる確率が非常に高いんだよ」
そんな接待プレイは大いに役立った。
間山君ありがとう。間山君のお母さんごめんなさい。
「友達の家でご飯を食べてる時、ふと思うんだよ。『ああ友達っていいなぁ』ってね」
しかし痛い。何だってこんなに痛いんだよ。
もうちょっと入院してた方良かったか?
いやいや、あのまま入院してたら一生消えない傷を負わされていたかもしれない。
精神的に。
「僕の父親も良く言うんだ。『一人の友人は大金にも勝る』ってね。鼻を垂らした子供でも、お手伝いをすれば小遣いをもらえる。お金は誰だって手に入れることが出来る。ほんの僅かな行動力と苦労さえあればね。だが、友達はそうもいかない。ものすごい行動力と苦労をかけても手に入らない事もあるし、かと思えば、何の気なしに其処にある事も」
全身の骨がバラバラになってしまう程に痛い。
本当に骨折れてないのか? あれ、アバラにヒビが入ってるって言ってたっけか?
アバラってなんだっけ――肋骨?
「友人と呼べる人が出来ても、相手は自分の事を友人と思っているのだろうか。親友とは何なんだ。何がどうなれば友人から親友にランクアップするんだ。そんな悩みも、考えたってキリがない。目に見えないモノを確かめる事は、悪魔の証明と同じだ」
彼女の攻撃が一層激しさを増す。
意思を持たない蛇が、憎悪の牙を剥いた。
「生徒会長と親しい? 仲が良いって友達ってわけじゃなさそうだよな。犬とご主人様って感じかな」
感情の高ぶりを感じる。
「いや、犬ですらないのかもしれないね。何だろう、鉛筆みたいなモノかな? 落とそうが失くそうが、別に何も感じない。新しいのを使うだけ。生徒会長にとって、君はただのモノでしかないんじゃないかな?」
まだ間に合う。さらけ出せ。
「生徒会長は――君の事をこれっぽっちも思っていない」
助けを求めるんだ!
「そんなごどない!」
それは、言葉と呼べるほど綺麗なモノではなかった。
獣の咆哮にも似た、言葉を忘れた人の叫び。
「せ、せ、せんぱいハわたしをミテル! わわ私をみてクレテいる! ダイジにしてくれて! ヒツヨウとしてくれているんだあアアアアアアアアア!」
想いを乗せた一撃に、乾いた音が鳴り響く。
木片を撒き散らし、右手の松葉杖が折れた。
「君を見てる? 大事にしてる? ははっ、笑わせてくれる! じゃあ何で君はいつも独りぼっちでいるんだ? ――お前の事が大事で! お前の事をちゃんと見ているなら! お前がもっと楽しく過ごせるように努力するのが普通じゃないのか!?」
「ウルサイウルサイウルサイウルサイ!」
受けきれない鞭が肉を刻み、不快な汗が全身から吹き出す。
「お前の事を本当に思っていたなら! あの時僕を落とさせなかったはずだ! 自分がした事の重大さが分からないほど子供じゃないだろ!? 僕だったら! 大切な友人を殺人者にさせたりはしない!」
「ウルサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ!」
彼女の鞭が残された松葉杖を捕らえ、僕の手から離れる。
その一瞬、僅かに動きを止めた蛇の頭をしっかりと掴んだ。
『蜘蛛の糸』と言う話がふと頭に浮かんだ。
地獄に堕ちた罪人を救おうと、釈迦が一本の蜘蛛の糸を垂らす。
その糸に飛びつき、地獄を抜け出そうとした罪人はわらわらと登って来た他の連中を一喝した。
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釈迦が何をしたかったのか全くもって理解不能。
蟻に小便をかける小学生と同レベルの意味の無い行動だと、幼心にそう思ったのを覚えている。
僕はお釈迦様ではないし、これは蜘蛛の糸なんかじゃない。
女の子一人くらい――引き寄せて見せる!
全力で鞭を引っ張ると、彼女の身体がふわりと宙に浮いた。
推定体重三十五キロ。
傷ついた僕の身体では、受け止めきれず後方に倒れたが、しっかりと彼女の身体は抱えていた。
スカートをめくり、個性の欠片も無い白のパンツをずり下げる。
想いを込めるように手の平に息を吹きかけ、真っ白なお尻に振り下ろした。
「友情の尻叩きッ!」
「ギャアアアアアアアアアアッ!?」
――バチン! と大きな音が響く。
たった一撃で赤くなるお尻。
それでもっ! 僕はっ! 叩くのをやめないっ!
「悪い事をしたら、叱られなければならない!」
――バチン!
「誰がかダメだと言わなければならない!」
――バチン!
「誰も居ないなら僕が教えてやる!」
――バチン!
「友人として! 僕が叱ってやるよ!」
何度も何度も、彼女のお尻を叩いた。
奥底で凝り固まった何かをほぐすように、彼女の心を叩き続けた。
「ご……めんなさい! ごめんなさああああああああい!」
彼女の感情が涙と共に溢れ出した時。
鮮やかな夕日とシンクロするように、僕の手も、彼女のお尻も真っ赤に染まっていた。
「よくやったな。山棟蛇は保健室に連れて行く。後は私に任せろ」
いまだすすり泣く山棟蛇をおぶり、子供先生が爽やかに微笑む。
「分かりました。よろしくお願いします」
「あの……なんだ……。お前……怖いな……」
引き笑いを浮かべながら、気持ち足早に去って行った。
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