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13 怒ってる?
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ーーー沙月&犬塚ーーー
二人は、路地を歩いていた。
その空気は、どんよりと、少し重い物だった。
沙月はそれが、不思議だと思った。
から、
聞いてみることにした。
「ねぇ、犬塚。」
「……」
何も返事が帰ってこない。
沙月はもう一度呼んでみることにした。
「いぬつかー?」
「……」
余程集中しているのだろうか。
返事がない。
沙月は、
自分の中の羞恥心と戦った末に、こう読んでみることにした。
「コタ君!聞いてんの?」
幼い頃の犬塚の呼び名。
虎太朗だから、コタ君。
沙月は歳を重ねるごとに恥ずかしくなって
犬塚に変えたが、
こう呼ぶといつも返事をしてくれた。
犬塚が何かに夢中になって聞いてくれない時は、いつもこうして沙月は呼んでいた。
「さっちゃん、そう呼んでくれるの久しぶりッスねぇー。で、なんスかー?」
「聞こえてたでしょ。」
「たまには良いじゃないッスか?」
「怒ってる?」
犬塚は大きな目を見開いた。
そのあと、フッと笑って、
「ちょーーーーっとね、」
「何で?」
「さっちゃんが原因。」
「へっっ?」
「その顔じゃ解ってないでしょ。変なところ鈍いんだから。相変わらず」
「殺されたいの?」
「ごめんなさい。さっちゃん、俺はさっちゃんの事を愛してる。」
「はぁ?急にn(ギュッ)……」
不意に抱き締められた沙月は、驚いて体制を崩した。それを慌てて犬塚が戻す。
やっとそこで、熟したリンゴの様に顔が赤くなった沙月が口を開いた。
「何……?」
「俺はさ、多分人一倍執着心が強いんだ。
この前だって、すごい怒って、桃さん困らせちゃったしね」
犬塚は、自嘲気味に笑った。
「だからさ。俺は、他の男がさっちゃんに近づくのが大変腹立たしい訳。
でもさっちゃんは、雉とか言うやつと楽しそうに話してるし。
嫉妬ぐらいさせてくんない?」
「雉さんはそんな人『じゃないかも知れないじゃん!雉は、そういう目で見てる可能性もあるんだってば!』」
ビクッ
と、沙月の肩が揺れた。
「あ、ごめん!今俺怖かったッスね。
本当にごめん!
俺将来さっちゃんにDVしちゃうかも……」
「そんな事無いよ。」
「え?」
「犬塚は、ちゃんと私の事をいつも考えてくれてる。
DVなんてしないよ。
今だって、私全然恐くないよ。
だから、大丈夫だよ。」
「で」
「で…?」
「デレキタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「雰囲気壊すな!
てか雰囲気に飲まれて突っ込んで無かったけど何将来的には結婚します宣言しちゃってんの!?」
「駄目?」
「その可愛い仕草止めろ!さっさと探すぞ!」
「1回殴ってくれたら……」
「さっさと探せ!」
ーーー桃太郎&雉ーーー
「お似合いだなぁ。」
「だろ?」
桃太郎と雉は、沙月と犬塚の後ろにある茂みに隠れていた。
雉が、「何か喋り声が聞こえますね。」
と言ったから、興味本意で近づいてみたらまさかの修羅場(?)だったのだ。
「沙月さんの事はいい人としか思ってないのに。」
「はぁー。紛らわしい奴だよな。お前って、
あーーーーウザいウザい。」
「ちょっ!じゃあどんな奴が好きなんだよー?」
「面白いやつ?」
「……無理だ。」
「ははっ。確かに無理そー。
でもよぉ、あいつらがお似合いか。意見が合うなー。」
「な。」
「ちょっとお前の事見直した。それじゃあ探すか!」
「おぅ!」
二人は、路地を歩いていた。
その空気は、どんよりと、少し重い物だった。
沙月はそれが、不思議だと思った。
から、
聞いてみることにした。
「ねぇ、犬塚。」
「……」
何も返事が帰ってこない。
沙月はもう一度呼んでみることにした。
「いぬつかー?」
「……」
余程集中しているのだろうか。
返事がない。
沙月は、
自分の中の羞恥心と戦った末に、こう読んでみることにした。
「コタ君!聞いてんの?」
幼い頃の犬塚の呼び名。
虎太朗だから、コタ君。
沙月は歳を重ねるごとに恥ずかしくなって
犬塚に変えたが、
こう呼ぶといつも返事をしてくれた。
犬塚が何かに夢中になって聞いてくれない時は、いつもこうして沙月は呼んでいた。
「さっちゃん、そう呼んでくれるの久しぶりッスねぇー。で、なんスかー?」
「聞こえてたでしょ。」
「たまには良いじゃないッスか?」
「怒ってる?」
犬塚は大きな目を見開いた。
そのあと、フッと笑って、
「ちょーーーーっとね、」
「何で?」
「さっちゃんが原因。」
「へっっ?」
「その顔じゃ解ってないでしょ。変なところ鈍いんだから。相変わらず」
「殺されたいの?」
「ごめんなさい。さっちゃん、俺はさっちゃんの事を愛してる。」
「はぁ?急にn(ギュッ)……」
不意に抱き締められた沙月は、驚いて体制を崩した。それを慌てて犬塚が戻す。
やっとそこで、熟したリンゴの様に顔が赤くなった沙月が口を開いた。
「何……?」
「俺はさ、多分人一倍執着心が強いんだ。
この前だって、すごい怒って、桃さん困らせちゃったしね」
犬塚は、自嘲気味に笑った。
「だからさ。俺は、他の男がさっちゃんに近づくのが大変腹立たしい訳。
でもさっちゃんは、雉とか言うやつと楽しそうに話してるし。
嫉妬ぐらいさせてくんない?」
「雉さんはそんな人『じゃないかも知れないじゃん!雉は、そういう目で見てる可能性もあるんだってば!』」
ビクッ
と、沙月の肩が揺れた。
「あ、ごめん!今俺怖かったッスね。
本当にごめん!
俺将来さっちゃんにDVしちゃうかも……」
「そんな事無いよ。」
「え?」
「犬塚は、ちゃんと私の事をいつも考えてくれてる。
DVなんてしないよ。
今だって、私全然恐くないよ。
だから、大丈夫だよ。」
「で」
「で…?」
「デレキタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「雰囲気壊すな!
てか雰囲気に飲まれて突っ込んで無かったけど何将来的には結婚します宣言しちゃってんの!?」
「駄目?」
「その可愛い仕草止めろ!さっさと探すぞ!」
「1回殴ってくれたら……」
「さっさと探せ!」
ーーー桃太郎&雉ーーー
「お似合いだなぁ。」
「だろ?」
桃太郎と雉は、沙月と犬塚の後ろにある茂みに隠れていた。
雉が、「何か喋り声が聞こえますね。」
と言ったから、興味本意で近づいてみたらまさかの修羅場(?)だったのだ。
「沙月さんの事はいい人としか思ってないのに。」
「はぁー。紛らわしい奴だよな。お前って、
あーーーーウザいウザい。」
「ちょっ!じゃあどんな奴が好きなんだよー?」
「面白いやつ?」
「……無理だ。」
「ははっ。確かに無理そー。
でもよぉ、あいつらがお似合いか。意見が合うなー。」
「な。」
「ちょっとお前の事見直した。それじゃあ探すか!」
「おぅ!」
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