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「失礼いたします。ハスク様、モンド様夫妻ならびにセイジュ様をお連れいたしました」
「そうか、入れ」
「失礼いたします」
公爵家につきセルジュさんの後につづいて高そうなものがセンス良く飾られている廊下を通りハスク公爵がまつ部屋へと通された。
「忙しい所すまないな、よく来てくれた。私はここの主のハスク=ホルマトロだ。こちらは妻のカリーナだ」
「い、いえ。とんでもございません。本日はお、お招きいただき…かつ公爵様には日頃よりお心遣いに感謝しております」
部屋に入ると綺麗な金髪に口ひげを蓄えた気品あふれる男性とびっくりするくらい美人の女性がいて俺が二人を見て固まっている間にお父さんは必死に挨拶をかえしていた。
「そう固くならずともよい。今日は娘のアンジェリーナからセイジュ君の現状を聞きちと興味を持ったので足を運んでもらっただけなのだからな」
「ふふふっ。アンジェリーナったら最近はセイジュ君のお話ばかりで」
「え?あ、あのセイジュが何か不敬を働きましたなら親の責任でござます…どのような罪も私が…」
「なにを勘違いしておる、謝罪することなどそなたらは何もしておらん落ち着け」
にこやかに話す公爵夫妻にお父さんは昨日の母と似たようなことをいい土下座する勢いで謝罪しそれを驚いた公爵様がとめて事情をせつめいしてくれた。
「そ、それでは本日は…ほんとうに…」
「そうだ。あれから2年以上たった今もそなたの息子は腕が不自由なままだと娘からきいたのでな」
「お父様およびでしょうか」
「アンジェリーナ入りなさい」
公爵様がしゃべっている最中にドアがノックされ許可がおりるとアンジェリーナが目線をさげ綺麗なカーテシーをきめた。
「失礼いたしますわ。それでなんのごよ…え?はぁぁぁぁ!?へ?えぇぇぇ!?なんでぇぇぇ!?」
カーテシーをやめゆっくり目線をあげると俺と目があったアンジェリーナが盛大に慌てふためき俺はあっけにとられ固まった。俺だけじゃなく両親もおどろき固まっていた。
「落ち着きなさいお客様の前で失礼だぞ」
「はっ!?も、もうしわけありません…で、ですがなぜここにセイがおられるのですか?」
「おまえが先日セイジュ君と会いいまだリハビリで苦労しておるといってたのでな、ちと実際に見てみたくなったのだ」
「そ、そうですか…」
「ええ、だってあなたが毎日毎日セイジュ君のことをお話しするから私たちもあってみたくなってしまったのよ」
「なっ!?」
「そうだな、口を開けばセイジュ君への補償はたりていないのではないか、もっといい治療院にいかせなくていいのかなど毎日耳にタコができそうだったのでな」
「なっ!?お、お父様まで!」
「ふふふっ、それにしても1度しか会っていないという割にもう愛称で呼んでいるなんて随分親しくなったのねぇ」
「お、おかあ様!そのようなことはっ!」
公爵様の言葉を聞きながらもアンジェリーナはまるでお化けでも見るかのように俺を驚いたまま目を見開きみていたが、その光景をにやにやしたように見ていた公爵夫妻がアンジェリーナをからかうように次々といじりはじめ、アンジェリーナはいじられるたびに顔を赤くしたりバタバタしたりと反応しそれみた公爵夫妻は楽しそうに笑う中、俺ら家族は全くついていけずただただ立っていた。
「失礼いたします。今日は随分賑やかですが何かいいことでもあったんですか?おや?お客様でしたか失礼いたしました」
「い、いえ私どもは公爵様のお客様などというような者ではございませんでして…」
アンジェリーナをからかっているとノックとともに一人の少年がはいってきて俺ら家族をみて不思議そうに頭をかしげる中、やっと我に返ったお父さんがあたふたししながらも必死に声をだした。
「?いまいちよくわかりませんが…」
「すまんなハンス、こちらは例のセイジュ君とそのご両親だ。失礼したなこれは私の息子でハンスという」
「大変失礼をしました。ハンスと申します。ところで父上例のとは?あ、あぁ!君がセイジュ君か!毎日毎日妹から話は聞いているよ!」
ニヤリと笑った公爵様の言葉を理解したハンスが両親に挨拶をした後、俺の元へちかづき親し気に肩をパンパンたたきながら挨拶をしてきた。
「は、はじめましてハンス様。セイジュと申します」
「うんうん、毎日毎日妹から君の話は聞いているよ」
「そ、そうですか…しかしあまり長くお話してくださったわけではないのでそのように毎日話題になるようなことは」
俺は恐縮しながらも公爵夫妻にハンスをみてアンジェリーナを初めて見た時のようなどこかで見たことがあるというような気がして内心モヤモヤしていた。
「そ、そんなことより!セイは毎日リハビリをしなくてはならないのに会ってみたいだけで呼び出すなんて迷惑ですわ!」
「お心遣いありがとうございます。でもそれは大丈夫です。治療院にはこのあと行くと昨日連絡してありますから」
「そ、そうなのですか?しかしそれでは本を読めないではないのですか?」
「本も別に1日読まないくらい大丈夫です。それよりも今日は公爵様に直接御礼を言わせていただける機会を設けていただいたことに感謝しています」
「礼とな?」
わざとらしく話題をかえるようにいったアンジェリーナに俺は今日の目的をつたえるとアンジェリーナも公爵様も不思議そうな顔をしていた。
「はい、本来ならここについてすぐにでも言いたかったのですが…平民のぼく…私のケガを2年以上たった今でも気にかけてくださり治療の援助までしていただきありがとうございます」
「私たちからもお礼を!息子の命を救っていただくだけなくその後の支援までしていただき感謝をしてもしきれません。まことにありがとうございます」
「ふむ」
「セイのケガは私のせいですのにお礼などしなくても」
俺は中世ヨーロッパ的な世界のことはあまり詳しくはないが公爵の地位の人が一般市民にここまでしてくれるのはきっといい人なんだろうと思っていたが今日会ってみてそれを確信できたので心から感謝すると両親もつづいて深々と頭を下げそれをみた公爵様は何とも言えなさそうに頷いた。
「うん、アンジェリーナが言ったようにセイジュ君のケガは我が妹を守ってくれた名誉の負傷だから保障はするのは当然なんだけどね。そんなことよりセイジュ君は読書が好きなのかい?」
「そんなことっ!?お兄さま…ま、まあいいですわ。そうですセイは毎日リハビリ後に本を読んでいるそうですわ」
「ほぅ?それはどんな本なんだい?」
「えっとそれは…」
「貸していただける本をなんでも読んでおります。字の読み書きも治療院の院長のご厚意でお教えしてもらっております」
微妙な雰囲気になったのを気を使ってくれたハンスが話題をかえてくれたので素直にそれに乗っからせてもらった。
「勉強熱心なんだね」
「どんなことも知らないことを知るのは楽しいですし、将来の夢のためにも色々勉強しておくのはいいかと思いまして」
「将来の夢かぁ、差し支えなければ夢をおしえてくれるかい?」
「大した夢ではなく恐縮ですが、将来の夢は旅をしてあちこち見て回ることです」
「旅?冒険者か行商人にでもなりたいのかい?」
「えっと、まだその辺は決まっておりませんが…まだ見たことがない場所や物などを実際にみてみたいと」
「なるほど、素敵な夢だね」
「あ、ありがとうございます」
俺の夢を茶化すわけでもなくハンスは俺の目を見ながら話を聞いた後、満足げに頷きながら笑顔をうかべた。
「そうだ、なら折角来たんだ私の持っている本の中から好きな本を何冊か貸してあげよう」
「いっ!?そ、そのようなご厚意を受け取るわけには…」
「いいからいいから、父上申し訳ありませんがセイジュ君に私の本を見せてあげてもよろしいですか?」
「かまわんよ」
「父からの許可も下りた。安心して私についてきてくれ、それでは少々セイジュ君をお借りします」
「あ、あの…」
「お兄さま!セイが困っていますわ!」
「いいじゃないか、本の返却とまた新しい本を借りたいときにはアンジェリーナに渡してくれればいいからね」
「セイ!なにしてますの?さっさとお兄さまとご一緒にいきますわよ!」
「え?えっ?」
「はやくなさい!」
「は、はい!こ、公爵様それではご厚意に甘えさせていただきます…ありがとうございます」
「よいよ、はやくいってやれ」
「は、はい。失礼いたします」
スタスタと先に行くハンスと興奮気味のアンジェリーナ催促され俺は後を追ったが、公爵家の本を借りて紛失や汚してしまったらどうすんだと想像するだけで胃がいたくなったが公爵様からも催促され俺はそそくさと二人の後に続いてあるいた。
「そうか、入れ」
「失礼いたします」
公爵家につきセルジュさんの後につづいて高そうなものがセンス良く飾られている廊下を通りハスク公爵がまつ部屋へと通された。
「忙しい所すまないな、よく来てくれた。私はここの主のハスク=ホルマトロだ。こちらは妻のカリーナだ」
「い、いえ。とんでもございません。本日はお、お招きいただき…かつ公爵様には日頃よりお心遣いに感謝しております」
部屋に入ると綺麗な金髪に口ひげを蓄えた気品あふれる男性とびっくりするくらい美人の女性がいて俺が二人を見て固まっている間にお父さんは必死に挨拶をかえしていた。
「そう固くならずともよい。今日は娘のアンジェリーナからセイジュ君の現状を聞きちと興味を持ったので足を運んでもらっただけなのだからな」
「ふふふっ。アンジェリーナったら最近はセイジュ君のお話ばかりで」
「え?あ、あのセイジュが何か不敬を働きましたなら親の責任でござます…どのような罪も私が…」
「なにを勘違いしておる、謝罪することなどそなたらは何もしておらん落ち着け」
にこやかに話す公爵夫妻にお父さんは昨日の母と似たようなことをいい土下座する勢いで謝罪しそれを驚いた公爵様がとめて事情をせつめいしてくれた。
「そ、それでは本日は…ほんとうに…」
「そうだ。あれから2年以上たった今もそなたの息子は腕が不自由なままだと娘からきいたのでな」
「お父様およびでしょうか」
「アンジェリーナ入りなさい」
公爵様がしゃべっている最中にドアがノックされ許可がおりるとアンジェリーナが目線をさげ綺麗なカーテシーをきめた。
「失礼いたしますわ。それでなんのごよ…え?はぁぁぁぁ!?へ?えぇぇぇ!?なんでぇぇぇ!?」
カーテシーをやめゆっくり目線をあげると俺と目があったアンジェリーナが盛大に慌てふためき俺はあっけにとられ固まった。俺だけじゃなく両親もおどろき固まっていた。
「落ち着きなさいお客様の前で失礼だぞ」
「はっ!?も、もうしわけありません…で、ですがなぜここにセイがおられるのですか?」
「おまえが先日セイジュ君と会いいまだリハビリで苦労しておるといってたのでな、ちと実際に見てみたくなったのだ」
「そ、そうですか…」
「ええ、だってあなたが毎日毎日セイジュ君のことをお話しするから私たちもあってみたくなってしまったのよ」
「なっ!?」
「そうだな、口を開けばセイジュ君への補償はたりていないのではないか、もっといい治療院にいかせなくていいのかなど毎日耳にタコができそうだったのでな」
「なっ!?お、お父様まで!」
「ふふふっ、それにしても1度しか会っていないという割にもう愛称で呼んでいるなんて随分親しくなったのねぇ」
「お、おかあ様!そのようなことはっ!」
公爵様の言葉を聞きながらもアンジェリーナはまるでお化けでも見るかのように俺を驚いたまま目を見開きみていたが、その光景をにやにやしたように見ていた公爵夫妻がアンジェリーナをからかうように次々といじりはじめ、アンジェリーナはいじられるたびに顔を赤くしたりバタバタしたりと反応しそれみた公爵夫妻は楽しそうに笑う中、俺ら家族は全くついていけずただただ立っていた。
「失礼いたします。今日は随分賑やかですが何かいいことでもあったんですか?おや?お客様でしたか失礼いたしました」
「い、いえ私どもは公爵様のお客様などというような者ではございませんでして…」
アンジェリーナをからかっているとノックとともに一人の少年がはいってきて俺ら家族をみて不思議そうに頭をかしげる中、やっと我に返ったお父さんがあたふたししながらも必死に声をだした。
「?いまいちよくわかりませんが…」
「すまんなハンス、こちらは例のセイジュ君とそのご両親だ。失礼したなこれは私の息子でハンスという」
「大変失礼をしました。ハンスと申します。ところで父上例のとは?あ、あぁ!君がセイジュ君か!毎日毎日妹から話は聞いているよ!」
ニヤリと笑った公爵様の言葉を理解したハンスが両親に挨拶をした後、俺の元へちかづき親し気に肩をパンパンたたきながら挨拶をしてきた。
「は、はじめましてハンス様。セイジュと申します」
「うんうん、毎日毎日妹から君の話は聞いているよ」
「そ、そうですか…しかしあまり長くお話してくださったわけではないのでそのように毎日話題になるようなことは」
俺は恐縮しながらも公爵夫妻にハンスをみてアンジェリーナを初めて見た時のようなどこかで見たことがあるというような気がして内心モヤモヤしていた。
「そ、そんなことより!セイは毎日リハビリをしなくてはならないのに会ってみたいだけで呼び出すなんて迷惑ですわ!」
「お心遣いありがとうございます。でもそれは大丈夫です。治療院にはこのあと行くと昨日連絡してありますから」
「そ、そうなのですか?しかしそれでは本を読めないではないのですか?」
「本も別に1日読まないくらい大丈夫です。それよりも今日は公爵様に直接御礼を言わせていただける機会を設けていただいたことに感謝しています」
「礼とな?」
わざとらしく話題をかえるようにいったアンジェリーナに俺は今日の目的をつたえるとアンジェリーナも公爵様も不思議そうな顔をしていた。
「はい、本来ならここについてすぐにでも言いたかったのですが…平民のぼく…私のケガを2年以上たった今でも気にかけてくださり治療の援助までしていただきありがとうございます」
「私たちからもお礼を!息子の命を救っていただくだけなくその後の支援までしていただき感謝をしてもしきれません。まことにありがとうございます」
「ふむ」
「セイのケガは私のせいですのにお礼などしなくても」
俺は中世ヨーロッパ的な世界のことはあまり詳しくはないが公爵の地位の人が一般市民にここまでしてくれるのはきっといい人なんだろうと思っていたが今日会ってみてそれを確信できたので心から感謝すると両親もつづいて深々と頭を下げそれをみた公爵様は何とも言えなさそうに頷いた。
「うん、アンジェリーナが言ったようにセイジュ君のケガは我が妹を守ってくれた名誉の負傷だから保障はするのは当然なんだけどね。そんなことよりセイジュ君は読書が好きなのかい?」
「そんなことっ!?お兄さま…ま、まあいいですわ。そうですセイは毎日リハビリ後に本を読んでいるそうですわ」
「ほぅ?それはどんな本なんだい?」
「えっとそれは…」
「貸していただける本をなんでも読んでおります。字の読み書きも治療院の院長のご厚意でお教えしてもらっております」
微妙な雰囲気になったのを気を使ってくれたハンスが話題をかえてくれたので素直にそれに乗っからせてもらった。
「勉強熱心なんだね」
「どんなことも知らないことを知るのは楽しいですし、将来の夢のためにも色々勉強しておくのはいいかと思いまして」
「将来の夢かぁ、差し支えなければ夢をおしえてくれるかい?」
「大した夢ではなく恐縮ですが、将来の夢は旅をしてあちこち見て回ることです」
「旅?冒険者か行商人にでもなりたいのかい?」
「えっと、まだその辺は決まっておりませんが…まだ見たことがない場所や物などを実際にみてみたいと」
「なるほど、素敵な夢だね」
「あ、ありがとうございます」
俺の夢を茶化すわけでもなくハンスは俺の目を見ながら話を聞いた後、満足げに頷きながら笑顔をうかべた。
「そうだ、なら折角来たんだ私の持っている本の中から好きな本を何冊か貸してあげよう」
「いっ!?そ、そのようなご厚意を受け取るわけには…」
「いいからいいから、父上申し訳ありませんがセイジュ君に私の本を見せてあげてもよろしいですか?」
「かまわんよ」
「父からの許可も下りた。安心して私についてきてくれ、それでは少々セイジュ君をお借りします」
「あ、あの…」
「お兄さま!セイが困っていますわ!」
「いいじゃないか、本の返却とまた新しい本を借りたいときにはアンジェリーナに渡してくれればいいからね」
「セイ!なにしてますの?さっさとお兄さまとご一緒にいきますわよ!」
「え?えっ?」
「はやくなさい!」
「は、はい!こ、公爵様それではご厚意に甘えさせていただきます…ありがとうございます」
「よいよ、はやくいってやれ」
「は、はい。失礼いたします」
スタスタと先に行くハンスと興奮気味のアンジェリーナ催促され俺は後を追ったが、公爵家の本を借りて紛失や汚してしまったらどうすんだと想像するだけで胃がいたくなったが公爵様からも催促され俺はそそくさと二人の後に続いてあるいた。
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