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第7章 大陸編

上下関係

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 「叔父さんできたよ」

 「あ?もうかよ!」

 「うん、サナリアさんの槍もできたから契約をし直そう」

 「え?わかりました…ありがとうございます」

 魔界から戻り一週間少々たったドラニスタでエイケンとサナリアの前に転移してきたセナが言うと闘技場へと二人とともに向かった。

 「やあ、2人とも待たせてしまったね」

 「アキラさんもきてたのか、いや思ってたよりもずっと早かったよ、な?」

 「え、ええ」

 「そうかい?まぁとりあえず先に武器と契約を済ませてしまおう」

 「おう!」

 アキラが闘技場の床いっぱいに魔法陣を描き中心に槍を持ったサナリアを立たせるとセナへと指示をだすとセナが魔力を魔法陣へと流し魔法陣が眩い光を発しはじめそして点滅するとその光はサナリアと槍に吸い込まれるようにきえた。

 「これでサナリア君と魔槍の契約が終了した」

 「え?も、もうですか?」

 「ああ、今回の槍は君の力を使わないんだ」

 「え?」

 「前の契約では君の血液を媒介に力を引き出していたね?」

 「な、なぜそれを…」

 「細かいことはいいじゃないか、しかし今回は敵からそれをいただくのさ」

 「で、では」

 「ああ、君がその槍で敵を倒せば倒すほどその槍は力を増していく」

 「す、すごい……」

 「あっはっは!頑張って魔物でも沢山狩ってくれたまえ」

 「はい!魔王参謀様!セナ様!ありがとうございます!!」

 サナリアは嬉しそうに槍をぎゅっと抱きしめ深々と礼をした。

 「さて!エイケンくん、君の番だが君の剣はこれだ」

 「は?なんか変わった剣だな」

 「ああ、ただの両刃の直刀じゃない、まぁ契約を終わらせてからにしよう」

 「ああ」

 アキラが再び床一面に魔法陣を描くとセナが燐気を思いっきり流し込み魔法陣の光がエイケンと剣に吸い込まれた。

 「エイケン君、抜いてみてくれるかい?」

 「お?おう」

 「どうだい?バランスや握りは」

 「悪くねぇな、長さも気になるほどじゃねぇしな」

 「ふむ、では一度鞘におさめてから燐気をながしてくれるかい?」

 「はぁ?鞘にもか?」

 「ああ!よし!ぬいてみてくれ!」

 「わかったよ!んん!?なんだこれ!」

 「どう?驚いたでしょ!」

 燐気を込めて剣を抜くと刀身が赤黒くかわっていてエイケンは驚いた。

 「この鞘には燐気などをチャージする機能があるんだ、そして刀身は吸収し放出する機能がついている」

 「ほぉ~…」

 「契約者の意思により発動するしないを決めれるしエイケン君が鞘にチャージをし剣は切ったものから吸収することができるというわけさ」

 「すげぇな…」

 「燐気だけじゃなく魔力なんかも吸えるんだよ、試してみて」

 「うぉ!あぶね…はぁ?」

 セナが小さなファイアーボールをエイケンに打ち出すと咄嗟に剣でうけようとしたがファイアーボールは剣へと吸い込まれるように消えた。

 「どれくらいの魔法を一度に吸えるかわからないからあまりあてにしないでね」

 「今まで通り切れるもんは切るが…えぐいほどすげぇな」

 「僕の刀と同じで切れば切るほど吸えば吸うほど剣自体の強度もあがるからね」

 「んじゃ、色々ぶったぎるほうがいいな…わかったアキラさんもセナもサンキューな」

 エイケンは剣を鞘に納め満足げに担いで礼を言い、サナリアはとんでもない物をみたといった顔をした。

 「おいおい、サナリア君きみの槍だって吸うし強度もますんだが?」

 「ええ!?あ、ありがとうございます」

 「サナリアさんの槍にも叔父さんの剣にもが組み込んだギミックもあるから楽しみにしてね?」

 「なんだそれ?」

 「さぁ?それは僕にもわからないんだ、とりあえずセナ君からは武器を開放したときに発動するとしか聞いていない」

 「ほー、そのうち試してみるぜ」

 「わ、私もです。なにか凄そうでいますぐ試す勇気が…」

 目線をそらし気まずそうにサナリアがいい、エイケンとサナリアはエイシャへ報告のため戻っていった。

 「さて、それじゃあ僕もそろそろ一度もどろうかな」

 「そういえばアキラさんも転移がつかえるようになったんだよね?」

 「ああ、ベルフェゴのおかげでね、ただエイコやセナ君のような魔力がないからそんなに遠くまではいけないけどね」

 「じゃあ送くるよ」

 「城までなら大丈夫だから安心してくれ」

 「わかった!もっといろいろな武器も作ってみたいからまた魔界にいってみるよ」

 「ああ!その時には僕にも声をかけてくれ!ではまた!」

 アキラが笑顔で手を振り転移していった。

 =========================================

 「ではまた魔界へ?」

 「そうですね、アルドラの動きがないうちに色々やっておきたいことがありますからまた近々行こうと思ってます」

 「そうにございますか……」

 「では、次にお向かいの際にはヤオさんとタオさんのお二人もお連れしてください」

 「ん?僕は構わないけどお二人は魔界に」

 「いけませぬ…我らですら魔界の魔力と瘴気には耐えられませぬ」

 「メディーの申し出はうれしいですが残念ながら無理なのですわ」

 「いえ?今回セナ様がお持ち帰りしてくださった鉱物などを拝見させていただきましたがそれのいくつかを使わせていただけるならネックレスこれの改良版を作れると思うのでそれをつければお二人とコニーなら耐えられると思いますよ?」

 「!?メディー!まことにございまするか!?」

 「はい、こちらをご覧ください、こちらの鉱物は瘴気だしていますがこちらははじいているんですよ、色々興味深いものがまだまだあるので調べる時間をいただければ応用自体はそんなに難しい話ではなさそうですよ?」

 「さ!さすがメディーですわ!」

 「アキラ様がおられるとはいえセナ様にアイリーンさんだけしかついていないのはヴァルキューレとしてはあまりいただけませんからねぇ…本来なら私もご一緒したいのですが多分改良版のネックレスをつけても耐えられないと思うのでお二人とアイリーンさんそれにコニーについていってもらいましょう」

 「たしかに可能であるのならばお二方がおられたほうがよろしいと思いますわ」

 「メディー!さすが私と同等にできる子ですね!」

 リストニアのセナ邸に全員が集まる中、淡々と話すメディーに一同は驚きを隠せずにいたがセナが次に魔界に向かうのはメディーが簡易結界のネックレスを改良した後となった。

 「じゃあ、次は行ってないところに案内していただけますか?」

 「かしこまりました」

 「あ、あの子たちはどうですか?」

 「はい、とても大人しくしておられますわ」

 「あの子?アイリーンさんあの子とはどの子ですか?」
 
 「メディーさん、セナ様が魔界でお飼になられている魔獣のアンズーとルフですわ」

 「え!?ま、魔獣!?飼っている!?アイリーンどういうこと?」

 アイリーンがいまだに信じられないという雰囲気で話すとメディーも驚き目を見開き、エリスは頭を抱え困惑するように尋ねた。

 「魔界ではグラニール様も迅風様もいらっしゃらないので移動につかえる使い魔が欲しいとお二人がおっしゃられ…空が飛べるものがいいとアンズーを……そしてついでにとルフに従魔の契約を……」

 「ア、アンズーもルフも実在していたんですね……」

 「コニー、それはどういう魔獣なの?」

 目をそらしいったアイリーンを見てさすがのコニーも顔を蒼くし呆れたようにつぶやくと魔獣に詳しくないスカーレットが尋ねた。

 「スカーレットさん…古い文献からずっと載っている伝説の魔獣です……」

 「え?そ、それをセナ様は従魔になさったの?」

 「はい、そうですわ」

 「セ!セナ様!こちらに呼んでください!!セナ様の獣魔なら私の管轄ですよ!」

 「いえ、メディーさんアンズーとルフについては私がセナ様直々にお世話を言い使っておりますのでご安心ください」

 「ええ!?そ、そんなぁ~………」

 「メディーには悪いけどあの二匹は基本魔界で生活しているからね、たまにこっちに呼んであげるからそれで許してよ」

 「くぅ~…わかりました…これは私も魔界に行けるようにならなければなりませんね……」

 困ったように笑うセナの言葉に力なくうつむいて答えたメディーだったが瞳の奥にはメラメラとやる気の炎がともっていた。

 「そうだ、ベルフェゴが居た魔大陸に行ってあの子たちを呼んで皆に紹介するよ、それでいいかな?」

 「はい!」

 全員が頷くのを見てメディーがネックレスを全員に配りおえるとセナは全員を連れて転移した。

 ==============================================

 「こ、これが魔大陸ですか……」

 「レイファさんもオリファさんも大丈夫ですか?」

 「え、ええ。今のところ体調に影響はないわ」

 初めてセナ達に同行した二人はあたりをキョロキョロと緊張しながらも見渡していた。

 「じゃあ呼びますね!」

 セナが手をかざすとエイコがデスロードを引っ張り出したときのような禍々しいトンネルのようなものを出しアンズーとルフを召喚した。

 「ガルルル!?……クゥーン」

 「ピィー……」

 勢いよく出てきた2頭だったがセナとその後ろにいた迅風とグラニールをみて一瞬おどろいた顔をしたがセナとアキラを見たときと同じように死を感じ取り大人しくなった。

 「元気にしてたみたいだね」

 「みんなこの子がアンズーでこっちの子がルフだよ」

 「…………」

 伝説の魔獣が猫と小鳥のようにおとなしくしているのを一同は驚きながらも同情するような目でみていた。

 「大丈夫、みんな僕の大事な仲間なんだ、君たちも仲良くしてあげてね」

 「クゥーン」

 「ピィー」

 「セ、セナ様?さわってもいいですか?」

 「もちろんだよ!この子たちはお利口でおとなしいから全然大丈夫だよ」

 恐る恐る尋ねたメディーに優しく2頭をなでながらセナが朗らかに答え、逆らったら死ぬことを理解している2頭はおとなしくメディーに撫でられたり抱き着かれたりした。

 「ルフは綺麗ですねぇ」

 「ええ、でもアンズーは鬣も立派で毛並みも綺麗よ?」

 コニーはルフをスカーレットはアンズーを気に入ったようでそれぞれが褒めあってずっと撫でており2頭も満更でもなさそうにしていた。

 「あっはっは!二人とも気に入ったようですね!いつか魔界からこの子たちを自由に召喚できるようなアイテムを作れたらアキラさんにお願いして二人にそれぞれもらってもらおうかな」

 「え!?本当ですか!?」

 「やった!メディー!すぐに作ってください!!私と私のルフのために!!」

 二人は嬉しそうにそれぞれ2頭に抱き着きそれからメディーはコニーにアイテムを早く作れとせっつかれる日々が始まった。

 
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