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1章 変わる日常
8話 王都への旅路(4)
※流血表現注意
ーーーーーーーーーーーーーーーー
そうしてお姉様の話を聞いていると、馬車が急停止した。手すりをつかんでその衝撃をやり過ごすと外を見ると、そこから見えたのはこの馬車をじりじりと囲っている盗賊と思わしき人たちだった。
「ウェルカ、声を出さずにここでしゃがんでじっとしていて。
いい?
なにがあっても絶対にここからでないのよ」
真剣な顔でそう告げるとお姉様は私を座席の下へと押し込み、自分は窓の外の様子を伺っていた。そのぴりぴりとした空気に私はお姉様の言いつけがなくてもなにも声を発することができない。
そして聞こえてきたのは、剣同士がぶつかり合う音と侍女たちの悲鳴だった。
「おいっ、見てみろよ。
結構な上玉だぜ」
そんな声とともに馬車の扉が開けられる音がする。お姉様が息を飲む音がするが、私は声を上げないように口元を押さえるので精一杯だった。
「おら、こい!
こいつだったらほかの奴よりも高く売れそうだな」
嬉しそうな声で語られる内容にぞっとする。このままだとお姉様はどうなってしまうの……?
「中はこいつひとりか?」
「は、はい……」
「荷物の量的にもそんなにいないか」
そんな言葉にほっとしたのもつかの間、リーダーと思わしき人物が一応中を改めておけと指示をだす。ここは外からではわからないだろうが、しっかりと探されると一発でばれてしまう。
「あっ、おいこら逃げるな!」
「そいつを捕まえろ!」
争いあう声が聞こえる。そして……
「きゃーーーー!!!!
アゼリア様!」
べスのそんな声が聞こえると、私は思わず馬車から飛び出していた。
思わず飛び出した馬車。その先でみたのは-ーー
血塗れになって倒れているお姉様だった。
「ちっ、しつこいからやっちまったじゃねえか。
これじゃ商品にならねぇな」
「お頭~。
もう一人出てきたぜ」
「おっ、いいやつがもう一人いたじゃねえか。
幼すぎるがまあいいか」
男たちが何を言っているのか聞こえない。私の目に入るのは倒れているお姉様だけだった。どうやら騎士たちはもう倒されているらしい。
うまく動かない足を必死に動かして、お姉様へと近づく。触れた体も液体もまだ暖かかった。
「嫌だ、嫌よお姉様。
目を覚まして!
お姉様!」
死にかけている姉を前に必死に願う。どうかお姉様を助けて、と。私に残されたただ一人の家族なのだ。
そのとき、辺りが眩い光に包まれた。自分の中の何かがお姉様の方へと移動していくのを感じながら私は気を失った。
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そうしてお姉様の話を聞いていると、馬車が急停止した。手すりをつかんでその衝撃をやり過ごすと外を見ると、そこから見えたのはこの馬車をじりじりと囲っている盗賊と思わしき人たちだった。
「ウェルカ、声を出さずにここでしゃがんでじっとしていて。
いい?
なにがあっても絶対にここからでないのよ」
真剣な顔でそう告げるとお姉様は私を座席の下へと押し込み、自分は窓の外の様子を伺っていた。そのぴりぴりとした空気に私はお姉様の言いつけがなくてもなにも声を発することができない。
そして聞こえてきたのは、剣同士がぶつかり合う音と侍女たちの悲鳴だった。
「おいっ、見てみろよ。
結構な上玉だぜ」
そんな声とともに馬車の扉が開けられる音がする。お姉様が息を飲む音がするが、私は声を上げないように口元を押さえるので精一杯だった。
「おら、こい!
こいつだったらほかの奴よりも高く売れそうだな」
嬉しそうな声で語られる内容にぞっとする。このままだとお姉様はどうなってしまうの……?
「中はこいつひとりか?」
「は、はい……」
「荷物の量的にもそんなにいないか」
そんな言葉にほっとしたのもつかの間、リーダーと思わしき人物が一応中を改めておけと指示をだす。ここは外からではわからないだろうが、しっかりと探されると一発でばれてしまう。
「あっ、おいこら逃げるな!」
「そいつを捕まえろ!」
争いあう声が聞こえる。そして……
「きゃーーーー!!!!
アゼリア様!」
べスのそんな声が聞こえると、私は思わず馬車から飛び出していた。
思わず飛び出した馬車。その先でみたのは-ーー
血塗れになって倒れているお姉様だった。
「ちっ、しつこいからやっちまったじゃねえか。
これじゃ商品にならねぇな」
「お頭~。
もう一人出てきたぜ」
「おっ、いいやつがもう一人いたじゃねえか。
幼すぎるがまあいいか」
男たちが何を言っているのか聞こえない。私の目に入るのは倒れているお姉様だけだった。どうやら騎士たちはもう倒されているらしい。
うまく動かない足を必死に動かして、お姉様へと近づく。触れた体も液体もまだ暖かかった。
「嫌だ、嫌よお姉様。
目を覚まして!
お姉様!」
死にかけている姉を前に必死に願う。どうかお姉様を助けて、と。私に残されたただ一人の家族なのだ。
そのとき、辺りが眩い光に包まれた。自分の中の何かがお姉様の方へと移動していくのを感じながら私は気を失った。
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