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1章 変わる日常
33話 公爵邸での生活(4)
「あっ、大丈夫ですか?」
ふと、目を開けるとすぐそばにはセイットの顔。しかも頭の下にはなにか、硬めのものがある。
え……? これはあし……?
「うわぁぁぁぁ!」
「えっ、ちょっと!?」
驚いて思い切り体を起こすとセイットの頭と激突してしまった。痛くて動けないし、涙も出てきた。
あれ、なんか隣が白く光っているような?
「びっっくりしました。
大丈夫ですか?」
セイットが私にもその光を当ててくれると、痛みはすぐに引いてくれた。
「これは、光魔法?」
「はい、そうです。
あなたも使えますか?」
そう聞かれて返答に困る。お姉様の話によると恐らく使えるとは思うが、ちゃんとわかっているのは魔力量だけなのだ。
そうして無言の時間が流れるとすぐにノックの音が響いた。
「セイット⁉
入るぞ」
叔父様の声がしたかと思うと、すぐに扉が荒々しく開かれる。
「悲鳴がきこ、ウェルカ……?
どうしてここに」
どうやら私の声が聞こえてやってきたらしい叔父様はセイットの部屋に私を見つけると固まってしまった。
うん、気持ちはわかる。私にもこの状況はよくわからないから、こちらを見ないで。
「私が連れてきたんです。
ウェルカに求婚したくて」
あっさりというセイットに私も叔父様もあんぐりとしてしまう。だからどうして出会ったばかりの人にそんなことが言えるの⁉
叔父様が確かめるようにこちらを見てくるので、つい思い切り頭を横に振る。すると、ますます訳が分からないといったように頭を抱えてしまった。うん、ごめんなさい叔父様。
「セイット様?
私たち今日会ったばかりですよね?」
「セイット、と呼んでください。
そうですね、一目惚れというやつです」
にこり、といい笑顔で言われてしまう。なんででしょう、笑っているのに否とは言えない迫力が……。
「僕の両親もそうらしいですよ」
私の様子から一目ぼれを信じていないと思ったのかそういって、ね?と叔父様の方を見る。すると、叔父様は言いづらそうにまあ、と答える。いや、一目惚れに引っかかったわけでは……。
「ウェルカは嫌なのか?」
「嫌、というかよくわからないです」
正直な気持ちを話すと、そうか、と叔父様は考え込んでしまった。婚約は好きな人とするもの、といった夢を持っているわけではないから否定する理由はないかもしれないが、ここで受け入れる理由も私にはない。
「では、こうしたらどうだ?
ウェルカは学園に入って好きな人ができたら、その人と婚約するといい。
でも、セイットにもその候補の一人としてしっかり向き合ってくれないか」
「ですが、私はもう少ししたらこの屋敷を出ていきますよ?
学園の寮に入りますから」
どうやってセイットと向き合ったらいいのかわからない、そういう意味でそういうとセイットはおや、という顔をする。
「どこの学園なんですか?」
「タリベアン王立中央第一学園です」
「それならちょうどいいですね!
僕も新学期からそこに、寮から通うんです」
うきうきとした様子でそう返されてしまった。つまり、接点はいくらでもあると。どうやら逃げられないらしい。
私もこの人が本当に私を好きだったのなら、セイットの気持ちを受け入れていいと思ったかもしれない。でも。でも、セイットの冷めきった瞳を見ると、どうしてもそうは思えない。なぜかはわからないが、何か目的があってこういう態度を取っている気がする。
だから私はすぐには頷けなかった。
「じゃあ、それでいいね?
ただセイットもウェルカの気持ちを尊重して暴走しないように」
叔父様が最後にくぎを刺すと、セイットはわかりましたとうなずく。私は何も返していなかったが、これで話はついたようで、セイットに手を振られつつ私は叔父様と部屋を後にした。
ふと、目を開けるとすぐそばにはセイットの顔。しかも頭の下にはなにか、硬めのものがある。
え……? これはあし……?
「うわぁぁぁぁ!」
「えっ、ちょっと!?」
驚いて思い切り体を起こすとセイットの頭と激突してしまった。痛くて動けないし、涙も出てきた。
あれ、なんか隣が白く光っているような?
「びっっくりしました。
大丈夫ですか?」
セイットが私にもその光を当ててくれると、痛みはすぐに引いてくれた。
「これは、光魔法?」
「はい、そうです。
あなたも使えますか?」
そう聞かれて返答に困る。お姉様の話によると恐らく使えるとは思うが、ちゃんとわかっているのは魔力量だけなのだ。
そうして無言の時間が流れるとすぐにノックの音が響いた。
「セイット⁉
入るぞ」
叔父様の声がしたかと思うと、すぐに扉が荒々しく開かれる。
「悲鳴がきこ、ウェルカ……?
どうしてここに」
どうやら私の声が聞こえてやってきたらしい叔父様はセイットの部屋に私を見つけると固まってしまった。
うん、気持ちはわかる。私にもこの状況はよくわからないから、こちらを見ないで。
「私が連れてきたんです。
ウェルカに求婚したくて」
あっさりというセイットに私も叔父様もあんぐりとしてしまう。だからどうして出会ったばかりの人にそんなことが言えるの⁉
叔父様が確かめるようにこちらを見てくるので、つい思い切り頭を横に振る。すると、ますます訳が分からないといったように頭を抱えてしまった。うん、ごめんなさい叔父様。
「セイット様?
私たち今日会ったばかりですよね?」
「セイット、と呼んでください。
そうですね、一目惚れというやつです」
にこり、といい笑顔で言われてしまう。なんででしょう、笑っているのに否とは言えない迫力が……。
「僕の両親もそうらしいですよ」
私の様子から一目ぼれを信じていないと思ったのかそういって、ね?と叔父様の方を見る。すると、叔父様は言いづらそうにまあ、と答える。いや、一目惚れに引っかかったわけでは……。
「ウェルカは嫌なのか?」
「嫌、というかよくわからないです」
正直な気持ちを話すと、そうか、と叔父様は考え込んでしまった。婚約は好きな人とするもの、といった夢を持っているわけではないから否定する理由はないかもしれないが、ここで受け入れる理由も私にはない。
「では、こうしたらどうだ?
ウェルカは学園に入って好きな人ができたら、その人と婚約するといい。
でも、セイットにもその候補の一人としてしっかり向き合ってくれないか」
「ですが、私はもう少ししたらこの屋敷を出ていきますよ?
学園の寮に入りますから」
どうやってセイットと向き合ったらいいのかわからない、そういう意味でそういうとセイットはおや、という顔をする。
「どこの学園なんですか?」
「タリベアン王立中央第一学園です」
「それならちょうどいいですね!
僕も新学期からそこに、寮から通うんです」
うきうきとした様子でそう返されてしまった。つまり、接点はいくらでもあると。どうやら逃げられないらしい。
私もこの人が本当に私を好きだったのなら、セイットの気持ちを受け入れていいと思ったかもしれない。でも。でも、セイットの冷めきった瞳を見ると、どうしてもそうは思えない。なぜかはわからないが、何か目的があってこういう態度を取っている気がする。
だから私はすぐには頷けなかった。
「じゃあ、それでいいね?
ただセイットもウェルカの気持ちを尊重して暴走しないように」
叔父様が最後にくぎを刺すと、セイットはわかりましたとうなずく。私は何も返していなかったが、これで話はついたようで、セイットに手を振られつつ私は叔父様と部屋を後にした。
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