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1章 変わる日常
34話 公爵邸での生活(5)
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「うーん、ここにもなさそう……」
私は今本邸の図書室にいます。魔法を使えるものを多く輩出しているというチェルビース公爵家の図書室なら魔法に関する本があると思ったんだけどな。
ここまでないってことはやっぱり隠されているのかな。まあ、王都一の図書館にない時点でなんとなく察してはいたけれど。
図書館には禁書庫もあるみたいだし、そこにはあるのかもしれない。でも、マリーベ様の話によると私は初等専門部から始めそうだから、もう少しで魔法をきちんと学ぶことができるはずだ。それを待つのが一番早いか……。
「何を探しているのですか?」
「!」
なぜここにセイットが……?全く気配がしなかったのですが。
「ああ、すみません。
驚かしてしまいましたね」
にこやかな笑みを浮かべているけど、やっぱり怖いって。でも、さすがに無視するわけにはいかないよね。
「魔法に関する本を、探していたんです」
「魔法ですか?
何か知りたいことがあるなら私が教えてあげますよ?」
「いえ、結構です」
なんとなく、この方に借りを作るのは遠慮したいんです。つい即答で断ってしまいました。
「そっか、残念です。
では一緒にお茶しませんか」
それくらいはいいですよね? という顔をしていますね。絶対残念だと思っていなそう。
断られる気もしないのでしぶしぶとうなずくと、ぱっと嬉しそうな顔をされた。
「ではすぐに用意させますね!
少し待っていてください」
言うだけ言ってあっという間にいなくなってしまった……。というか、セイットはこの屋敷に来たばかりなのに誰に頼むつもりかな? 前に部屋に行った時も侍従や侍女がいなかった気もする。
さすがにただ待つのも嫌だし、ここには本がたくさんある。読んだものも多いが、読んでいないものもたくさんあるのだ。さっそく近くにある一冊を手に取る。これは歴史の本かな。
本を読んでいること数分、セイットは息を切らしながら戻ってきた。本が面白かったから、そんなに急がなくても良かったけどな。正直もう少し読んでいたかったし。
「お待たせしました!
中庭の方に用意しましたので行きましょう」
すっと手を差し出してくれたってことはエスコートしてくれるってことかな?無視するのも失礼なので、ありがたく手を取らせてもらいました。
私は今本邸の図書室にいます。魔法を使えるものを多く輩出しているというチェルビース公爵家の図書室なら魔法に関する本があると思ったんだけどな。
ここまでないってことはやっぱり隠されているのかな。まあ、王都一の図書館にない時点でなんとなく察してはいたけれど。
図書館には禁書庫もあるみたいだし、そこにはあるのかもしれない。でも、マリーベ様の話によると私は初等専門部から始めそうだから、もう少しで魔法をきちんと学ぶことができるはずだ。それを待つのが一番早いか……。
「何を探しているのですか?」
「!」
なぜここにセイットが……?全く気配がしなかったのですが。
「ああ、すみません。
驚かしてしまいましたね」
にこやかな笑みを浮かべているけど、やっぱり怖いって。でも、さすがに無視するわけにはいかないよね。
「魔法に関する本を、探していたんです」
「魔法ですか?
何か知りたいことがあるなら私が教えてあげますよ?」
「いえ、結構です」
なんとなく、この方に借りを作るのは遠慮したいんです。つい即答で断ってしまいました。
「そっか、残念です。
では一緒にお茶しませんか」
それくらいはいいですよね? という顔をしていますね。絶対残念だと思っていなそう。
断られる気もしないのでしぶしぶとうなずくと、ぱっと嬉しそうな顔をされた。
「ではすぐに用意させますね!
少し待っていてください」
言うだけ言ってあっという間にいなくなってしまった……。というか、セイットはこの屋敷に来たばかりなのに誰に頼むつもりかな? 前に部屋に行った時も侍従や侍女がいなかった気もする。
さすがにただ待つのも嫌だし、ここには本がたくさんある。読んだものも多いが、読んでいないものもたくさんあるのだ。さっそく近くにある一冊を手に取る。これは歴史の本かな。
本を読んでいること数分、セイットは息を切らしながら戻ってきた。本が面白かったから、そんなに急がなくても良かったけどな。正直もう少し読んでいたかったし。
「お待たせしました!
中庭の方に用意しましたので行きましょう」
すっと手を差し出してくれたってことはエスコートしてくれるってことかな?無視するのも失礼なので、ありがたく手を取らせてもらいました。
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