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1章 変わる日常

41話 お買い物(1)

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「ウェルカ様、セイット様が迎えに来られています」

 ため息でもつきそうな顔でベスが伝えてくる。うん、わかります、私もため息をつきたくなります。

「ふふっ。
 仲がいいのね」

「お姉様、受け入れないでください」

 今日は商業区に行くためにいつもよりも早く起きて、たまたま時間が合ったお姉様と朝食を食べれていたのに……。

「まあ、いいのではないかしら?
 行ってらっしゃい。
 楽しんできてね」

「はい、ありがとうございます」

 丁度朝食を食べ終わったタイミングだったこともあり、セイットにすぐに行くと伝言を頼んで準備を整えに部屋へと向かった。


「お待たせいたしました」

「いえ、こちらこそここまで来てしまってすみません。
 ウェルカとデートできるかと思ったら嬉しくて」

「で、デート⁉」

 確かにセイットと買い出しに行くのだが、イルナもいるしそんなこと考えていなかったのに。急に……。

「行きましょう?」

 こちらの動揺などお構いなしにセイットは馬車へと向かいだしてしまった。迎えに来たと言って置いていかないでくれないかな?

「本日護衛を務めさせていただくものです。
 よろしくお願いいたします」

 馬車の前で待っていた騎士2人が私たちの姿を認めると、すっと礼と挨拶をしてくれる。挨拶を返してさっそく私たちは馬車に乗り込んだ。



「そう言えば、制服は屋敷では作られないのですね。 
 こちらに来て用意していただいた服は屋敷まで仕立て屋が来てくれたのですが」

 そう言えば、私もドレスを作るときは屋敷まで創る人が来てくれていた。でも、今回はお店に行って仕立てるのだ。

「学園の制服を作れる服屋があまり多くなく、この時期はどうしても屋敷を回れるほどの時間はないようです」

 そうなのね。今までどうして店まで行かなくてはいけないのか考えていなかったけどそんな理由があったのね。

「初めに制服を仕立ててしまいましょう。
 その後途中昼食をはさみながら必要なものを見ていきます」

「わかったわ」

 馬車が商業区について降りると、すぐに騎士の方が前後についてくれる。イルナと侍従は後ろに控えているし、セイットは隣についてくれる。私は馬車から降りただけだけど、いつの間にか陣営が完成している、すごい。

 なかなか多い人の中、この人数と騎士がいることで目立っているようでちらちらと通り過ぎる人が見てきています。は、恥ずかしい……。
なんでほかの皆は平然と歩いているんだろう。早くお店についてほしい。そんな願いが通じたのか、お店にはすぐにつくことができた。
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