姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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2章 学園生活

79話 王妃のお茶会(6)

 どうしてあの人達がここに……?
 
 一瞬で頭が真っ白になり、じっとそちらの方を見てしまう。あの人たちは別れた頃と全く変わっていない。

「どうして?」

 私の疑問が移ったかのようにお姉様がポツリと言葉をこぼす。その顔は少し青くなっているなっている。そして軽く私の前に出た。
 止まってしまった会場の空気の中、少し回りを見てみるとそれぞれの反応をしていた。王妃様やベルク殿下は厳しい視線を向けているし、エリオベラ様は気づかわしげにこちらを見ている。ただ、ほとんどの人は不審げに2人のことを見ていた。

「遅れてすみません」

 そんな周りの様子に満足げに夫人は告げる。遅れてすみませんも何もない。この様子から、この2人は呼ばれたわけではなさそうだし。

「ごきげんよう、バーセリク侯爵夫人、侯爵令嬢。 
 私、あなた方をお呼びした覚えはないのですが?」

 誰も言葉を発しない中、そう王妃様が告げる。それでも夫人は笑みを浮かべたままなのにぞっとする。こんな空気をまとう人だったろうか。

「あら、そんなことおっしゃらないでください。
 確かに招待状をいただいたのですよ」

 いや、王妃様が出していないとおっしゃっているだろ⁉ それがそもそもおかしいのだ。
 脳内は騒がしかったが相変わらず何も話せないでいると、夫人がわざとらしい様子であらぁ、と声を上げた。その視線の先には明らかに私とお姉様がいた。アンティーナもこちらに気づいたようで、憎しみがこもったかのような視線をこちらに向けている。

「久しぶりね、アゼリア、ウェルカ。 
 何も言わずにいなくなってしまうものだから心配していたのよ」

 その様子に何か感じたのかセイットも私の前にそっと立ってくれた。そしてお母様もお兄様も近くに来てくれる。知らず知らずのうちに急に現れた2人を恐ろしいと思っていたのか、その様子に無駄な力が抜けるのを感じる。

「侯爵夫人、2人のことをそのように呼ぶのは不敬ではありません?
 2人とも私の娘、つまり公爵令嬢でアゼリアは王太子殿下の側妃でもあります」

「これは失礼いたしました。
 久しぶりの再会につい嬉しくなってしまいまして」

 お互いあくまでも表面上は穏やかに笑いながらバチバチと火花を飛ばしている……。お母様の知らない一面を見た気がする。そんなことを考えていると2人はこちらに近づいてきた。


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