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2章 学園生活
90話 校外学習(7)
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一行は行きよりも速度をあげて、伯爵領までを急いだ。以前地理を学んだ時に聞いたきりだが、今回の目的地よりも奥、追加で1日ほどかかる場所にあったはずだ。だが、それはあくまで通常の速度で進んだ場合の話。おそらく今日中の到着を目指しているのであろう。
「それにしてもスタンピードだなんて……」
重い空気の中、ぽつりとした言葉がこぼれた。隣に座るセイットの方をみると顔色は優れなかった。
「セイットはスタンピードを知っているのですね」
「過去に一度だけ、遭遇したことがあります。
そこはもう完全に起こった後で、壊滅した村がいくつかあり、それでもなお魔獣がはびこっていました。
理由はいくつか考えられるのですが、スタンピードが起こると魔獣はより凶暴化します。
止めるのも並みの苦労ではありません」
凶暴化した魔獣が村を壊滅させる、その光景は想像すら難しいものだった。
「君は、外から来たのだったか。
それにしてもスタンピードが起こっているような場所にいくなんて……」
スタンピードの説明以降、難しい顔をして黙っていた先生がこちらを振り向きつつそういってきた。ちなみにここ数年、我が国ではスタンピードは起こっていないらしい。
「詳しいことはハレンクトラ伯爵領に着かないとわからないが、危険なことは確かだ。
すまない、君たちを巻き込んでしまって」
一つ、ため息をつくと先生はそういって頭を下げる。あらがうまもなく次々と行動が決まってしまい、確かに流されるままだった。それでも怒ってはなかった私はそんな先生に慌てることしかできなかった。
「私たちだけで王都に戻ることもできませんでしたし、かといって一度帰っていたら確実に事態は悪化します。
仕方がなかったんですよ」
何も言えないマンセルトさんと私に変わってセイットがそういうと先生が一瞬きょとんとする。そんなことを言われるなど思ってもいなかったのだろう。
「ありがとう。
伯爵領についたらひとまず領主の館に向かいます。
君たちはそこで待機してくだだい。
騎士も数人はそこに残るし、きっと一番安全ですから」
領主の館……。実践なんてやったことがない私たちはやっぱり着いていっても足手まといだろう。
「あの。
私と、ウェルカは教会にいてもいいでしょうか?
あそこも安全でしょうし」
「教会?」
「戦闘に行くのは難しいですが、教会で怪我人を治すことはできますから」
セイットの言葉に先生も頷く。つまり私もがんばってけが人を癒やしていけばいいのね!
「あの、僕は……」
「君は予定通り館にいてくれ」
そうきっぱりと言い切ったセイットに反論もできず、結局領主への挨拶を済ませたら分かれることとなった。
「それにしてもスタンピードだなんて……」
重い空気の中、ぽつりとした言葉がこぼれた。隣に座るセイットの方をみると顔色は優れなかった。
「セイットはスタンピードを知っているのですね」
「過去に一度だけ、遭遇したことがあります。
そこはもう完全に起こった後で、壊滅した村がいくつかあり、それでもなお魔獣がはびこっていました。
理由はいくつか考えられるのですが、スタンピードが起こると魔獣はより凶暴化します。
止めるのも並みの苦労ではありません」
凶暴化した魔獣が村を壊滅させる、その光景は想像すら難しいものだった。
「君は、外から来たのだったか。
それにしてもスタンピードが起こっているような場所にいくなんて……」
スタンピードの説明以降、難しい顔をして黙っていた先生がこちらを振り向きつつそういってきた。ちなみにここ数年、我が国ではスタンピードは起こっていないらしい。
「詳しいことはハレンクトラ伯爵領に着かないとわからないが、危険なことは確かだ。
すまない、君たちを巻き込んでしまって」
一つ、ため息をつくと先生はそういって頭を下げる。あらがうまもなく次々と行動が決まってしまい、確かに流されるままだった。それでも怒ってはなかった私はそんな先生に慌てることしかできなかった。
「私たちだけで王都に戻ることもできませんでしたし、かといって一度帰っていたら確実に事態は悪化します。
仕方がなかったんですよ」
何も言えないマンセルトさんと私に変わってセイットがそういうと先生が一瞬きょとんとする。そんなことを言われるなど思ってもいなかったのだろう。
「ありがとう。
伯爵領についたらひとまず領主の館に向かいます。
君たちはそこで待機してくだだい。
騎士も数人はそこに残るし、きっと一番安全ですから」
領主の館……。実践なんてやったことがない私たちはやっぱり着いていっても足手まといだろう。
「あの。
私と、ウェルカは教会にいてもいいでしょうか?
あそこも安全でしょうし」
「教会?」
「戦闘に行くのは難しいですが、教会で怪我人を治すことはできますから」
セイットの言葉に先生も頷く。つまり私もがんばってけが人を癒やしていけばいいのね!
「あの、僕は……」
「君は予定通り館にいてくれ」
そうきっぱりと言い切ったセイットに反論もできず、結局領主への挨拶を済ませたら分かれることとなった。
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