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2章 学園生活
93話 校外学習(10)
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「何回か往復して、徐々に治していきましょう」
「はい」
そのまま13人いた患者を一通り治癒し終わると、いったん休憩ということになった。ずっと集中していたからか疲れた……。でも、患者はまだ全然回復していないのはわかっている。これは想像以上にきついかもしれない。
「それにしてもウェルカの魔力はすごいですね。
いつもよりもずっと魔法を使うのが楽です」
「どういうことですか?」
「ウェルカと手を重ねることで、魔法を使うときにウェルカの魔力を借りているのです。
ウェルカの魔力は量が多いし、質もいいのでとても使いやすいですね」
量が多いのは知っていたけど、質? そんなものもあるのか。でも使いやすいのならよかった、のかな。まあ、よくわからないものは考えてもわからないよね。
「でも、これでなんとなく治癒魔法を使う感覚が分かったでしょう?
これも魔法を教える方法の一つです」
いわれてみれば……。やる前はどうしたらいいのかわからなかったけど、今はやろうと思えばやれる気がする。なんとなく、魔力をどう魔法に変換すればいいのかの感覚がわかるのだ。
そういえば、治癒をしていてずっと気になっていたことがあるんだよね。
「この方たちはどこをけがしているのでしょうか?」
唐突な私の質問にセイットはえ? と一言いうと不思議そうにこちらを見る。何か変なことを言ったかな。
「け、けがをしている場所がわかれば、そこを集中的に治せますよね?」
変なこと言ってないよね、と恐る恐るセイットの方を見ると驚いたようにこちらを見て固まっていた。もしかして、やっぱり変なこと言った?
「考えてもいなかったです。
治癒魔法は体全体にかけるものだと認識していましたから。
でも、確かに自分の治療をするときはけがをしているところを意識している……」
セイットは口元に手を当てると、ぶつぶつとつぶやき始めた。もうこちらの声も届いていないみたい。
「一度、やってみましょう」
そういうと、すぐに最初に治療した男性のそばに行く。慌ててついていき、先ほど同様手をかざすと、セイットに止められた。
「先にけがの箇所を確認しましょう」
いうが早いや男性の布団をはがすと、セイットは丁寧な手つきで体を調べていく。そして見つけた足や腕のあたりで雑にまかれた様子の包帯はすでに血に染まっていた。
「これはひどいな……。
新しい包帯ももらってきましょう」
「あ、それでしたら私がもらってきますよ」
いうとすぐに部屋を出ていく。治癒をしている誰に聞けばきっと大丈夫だろう。
「はい」
そのまま13人いた患者を一通り治癒し終わると、いったん休憩ということになった。ずっと集中していたからか疲れた……。でも、患者はまだ全然回復していないのはわかっている。これは想像以上にきついかもしれない。
「それにしてもウェルカの魔力はすごいですね。
いつもよりもずっと魔法を使うのが楽です」
「どういうことですか?」
「ウェルカと手を重ねることで、魔法を使うときにウェルカの魔力を借りているのです。
ウェルカの魔力は量が多いし、質もいいのでとても使いやすいですね」
量が多いのは知っていたけど、質? そんなものもあるのか。でも使いやすいのならよかった、のかな。まあ、よくわからないものは考えてもわからないよね。
「でも、これでなんとなく治癒魔法を使う感覚が分かったでしょう?
これも魔法を教える方法の一つです」
いわれてみれば……。やる前はどうしたらいいのかわからなかったけど、今はやろうと思えばやれる気がする。なんとなく、魔力をどう魔法に変換すればいいのかの感覚がわかるのだ。
そういえば、治癒をしていてずっと気になっていたことがあるんだよね。
「この方たちはどこをけがしているのでしょうか?」
唐突な私の質問にセイットはえ? と一言いうと不思議そうにこちらを見る。何か変なことを言ったかな。
「け、けがをしている場所がわかれば、そこを集中的に治せますよね?」
変なこと言ってないよね、と恐る恐るセイットの方を見ると驚いたようにこちらを見て固まっていた。もしかして、やっぱり変なこと言った?
「考えてもいなかったです。
治癒魔法は体全体にかけるものだと認識していましたから。
でも、確かに自分の治療をするときはけがをしているところを意識している……」
セイットは口元に手を当てると、ぶつぶつとつぶやき始めた。もうこちらの声も届いていないみたい。
「一度、やってみましょう」
そういうと、すぐに最初に治療した男性のそばに行く。慌ててついていき、先ほど同様手をかざすと、セイットに止められた。
「先にけがの箇所を確認しましょう」
いうが早いや男性の布団をはがすと、セイットは丁寧な手つきで体を調べていく。そして見つけた足や腕のあたりで雑にまかれた様子の包帯はすでに血に染まっていた。
「これはひどいな……。
新しい包帯ももらってきましょう」
「あ、それでしたら私がもらってきますよ」
いうとすぐに部屋を出ていく。治癒をしている誰に聞けばきっと大丈夫だろう。
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