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2章 学園生活
111話 魔獣
しおりを挟む「一般的に魔獣と呼ばれているものには2種類存在しています。
生まれたときから魔獣だったものと、突発的に魔獣のなったものです。
突発的な魔獣は基本的には低ランクのものが多く、稀に中ランク、高ランクがいます。
逆に生まれたときから魔獣、つまり魔獣の集落及び魔獣の森と呼ばれる集落が存在する森で生まれ育ったものは成長と共に中ランク、高ランクになるものが多いです。
そして、高ランクの中にはごくまれに知性を持ったものが存在するのです」
知性を持った魔獣……。以前ちらっと聞いたことがある話だが、魔獣は知性が無いからこそ倒しやすいという話をきいたことがある。戦術などがくめないから、自分よりも弱い人間にも勝てないことがあると。つまり、知性をもつ魔獣とはそれだけで十分脅威になるのだ。
そこでまた1人の手が上がった。先生に促されるとその人は口を開く。
「知性があるなら、協力はできないのですか?」
「協力、ですか。
それはとても難しいと思います。
そもそも人と魔獣では考え方そのものが違います。
理解しあう、ということはできないと考えておいた方が身のためです」
人とは相容れない存在ということかな。魔獣と人間は狩って狩られる関係性だから。
「それでは今日の授業はこれで終わります」
先生の号令にいつもはすぐに賑わう教室は静かなままだった。皆今日の授業について考えているみたい。
私はというと、今日は魔法実技はお休みだからもう授業がない。帰って昼食を食べようと帰り支度をすますとエリオベラ様の声をかけられた。
「ウェルカ様、本日は一緒にお昼をいただきませんんか?
ぜひ、いろいろとお話を聞きたいですし」
お昼。ぜひご一緒したいけれど……。
「申し訳ありません。
寮のほうで用意していただいているのです。
夕食時ではだめでしょうか?」
「あら、そうなのですね。
では夕食後、一緒にお茶しましょう?」
「はい、ぜひ」
そこで待ち合わせの時間だけ決めると、私はすぐに寮へと向かった。あまりイルナたちを待たせてはいけないというのもあるが、セイットがいなかったのも気になったのだ。
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