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2章 学園生活
119話 帰宅(3)
「それで、どうしてセイットは急に神国へ行っていたのですか?」
「報告をしてきたのです」
「報告、ですか?」
そういわれて思い浮かべられたのは、エリアハイヒールの話だ。前回、私があれを使った場合神国に連れて行かなければいけない、という話はしていた。だからこそセイットは私がそれを使うのを止めたはずだ。もしかして、と顔を青くしてみているとセイットが慌てて首を振った。
「あなたが心配することは何もありませんよ。
少しスタンピードの件で報告と確認があったのです」
うーん? なんだかよくわからないけれど、セイットにも事情があるみたいだ。浮かべている笑みからもこれ以上は深く言わなそうだし、特に言及することはしない。心配することがないとわかっていればそれでいい。
「でも、帰ったばかりで発ったのでしょう?
そんなに性急に行く必要があったのですか」
「ウェルカが寝込んでいるという話は聞いていたので、心配だったのですが。
早々に行く必要があったのです」
情報共有は早めにやるに越したことはない、というセイットにそういうものか、と納得する。
「でも、セイットが元気そうでよかったです。
帰ってきて、お姉さまの元にとまった後は顔も見ないうちに神国へ行ってしまったとききましたから」
「ご心配をおかけしました。
でもあれくらいでしたら問題ないですよ」
あれくらい……。私にとってはいろいろと衝撃的で、身体的にも精神的にもきつかったがセイットにとってはそうではなかったらしい。一体セイットは今までどんな生活を送っていたのだろうか、と心配になってくる。
だが今はその前に言わなくてはいけないことがある。
「あの、ハレンクトラではありがとうございました。
セイットがいなければ私は何もできませんでしたもの」
頭を下げて気持ちを込めてお礼を言う。私が誰かのための行動ができたのは間違いなくセイットのおかげだ。指示と見本がなければ治癒魔法の一つも一人では満足にできなかったはずだ。そういうと、セイットは驚いたように固まっていた。
「あれは……。
いえ、お礼を言われるようなことは何も。
ウェルカの力ですから」
ううん。本当はそんなことはないと返したい。だけどそれではきっと堂々巡りになってしまうよね。なんだか恥ずかしい気がもするけど、もう仕方ない!
「ありがとう、ございます。
その、これからもよろしくお願いします」
そう絞り出すと、セイットは嬉しそうにはい、と返してくれた。
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