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2章 学園生活
130話 領地へ(1)
馬車に乗り込んで数日、ゆったりとした日程の旅行はとうとう目的地へと着いた。さすがの広さで、領地に入ったと教えてもらってからもだいぶ馬車を走らせている。何度か旅をしたことで少しは慣れてきたけれど、やっぱり疲れる。唯一の救いはセイットが一緒なことでお尻が痛くないことだ。お母様たちはクッションを敷いているだけなので、少し申し訳ない気持ちもあるけれど。
馬車から見える光景はまだ農村だ。働いている人もみんな笑顔でそれだけでもこの領地がいいところであることがわかる。馬車の邪魔にならないようにと道を開けたうえでこちらに手を振ってくれている彼らに、お兄様方は嬉しそうに手を振り返していた。そして農村を抜けていくと、大きな門が見えてきた。大領地なのもあり、ここは屋敷を囲うように町があり、壁を挟んで農村があるという、王都のような作りになっているらしい。さすがに貴族区が確立されてはいないけれど。
門でも特に止められることもなく抜けると、すぐに町が見えてきた。大通りを抜けていくと、どこからともなく歓声が聞こえてきた。一体何事⁉
「あらあら……。
まだ仕事中なはずなのに」
お母様のほうを見てみると困ったように笑ってはいるが、特に驚いた様子はない。それにどこか嬉しそうだ。
「あの、これはいったい?」
「馬車に紋章がついているでしょう?
それで私たちだとわかるみたいで、こうして歓迎してくれるのよ」
そんな話は聞いたことはない。少なくともバーセリク領ではなかった。これが領主の違いなのだろうか……。
「ほら、屋敷が見えてきた」
弾んだ声のお兄様につられてみてみると、王都にある屋敷よりも大きなお屋敷が見えている。真っ白な壁がとてもまぶしくて、すぐに目に入ってきた。
「屋敷についたら忙しくなりますね。
ウェルカのお披露目もしなくてはいけませんもの」
うっ、そうだった……。今回の滞在中には急遽お披露目会も組み込まれたのだ。大勢の人の前に出なくてはいけないなんて今から気が重すぎる。
「ふふっ、そんな顔しないの。
みんなウェルカに会えることを楽しみにしているのよ。
そのためのドレスも新調しましたし、着るのをみるのがとても楽しみだわ」
ね? と問いかけられれば私にはうなずくことしかできません、はい。おとなしく準備頑張ります。
そんな話をしている間にも馬車は順調に走っていく。屋敷の門を通り抜け、屋敷の正面まで行くと馬車はようやく止まった。
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