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2章 学園生活
153話 エリオベラのやさしさ(1)
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思っていた以上に遅くなってしまった。部屋に戻って早々にイルナに昼食後、エリオベラ様が来ることを伝えるとあわてたように準備を始めてくれた。今日はたまたま領地に行った際のお菓子があるからそれと、少し酸味の強いあのお茶を出して、というとすぐに準備に取り掛かってくれるあたり、本当にイルナは成長したよね。
あわてて準備をして、そしてさっと着替えも済ます。さすがに学園でもないのに制服でお茶会は失礼だからね。これはお昼を食べる時間はあるか?
「ウェルカ様、準備が終わりました。
食堂へまいりましょう」
おそらく今までで最速で準備を終わらせると、すぐに昼食だ。こんなにもバタバタとするのは完全に優雅さとは離れているが、まあ誰も見ていないからありとしよう。
すぐに食べられる昼食を準備してもらって、食後のお茶も取らずに談話室に向かう。まあ、ぎりぎりセーフだろう。
「まあ、またお待たせしてしまいましたか?」
ふう、と談話室で腰を下ろす。その直後にエリオベラ様がやってきた。
「いえ。
ちょうどいま腰を下ろしたところです」
あら、とエリオベラ様は軽やかに笑った。先ほどお会いした時はずっと固い顔をされていたから、よかった。行きましょうか、というと私たちはさっそく部屋へと向かうことになった。
席に着くとさっそく用意していたお茶とお茶請けを出す。それを一口ずつ口に含むとほほ笑んでくれたから、きっと満足してもらえたのだろう。
「とてもおいしいですわね!
このお茶もとても珍しい。
このように酸味があるものは初めていただきました」
お菓子が好きなのかな、とは思っていたけれど、どうやらお茶も好きだったようだ。またもやエリオベラ様は饒舌になっていらっしゃる。
「と、お茶のお話をしている場合ではありませんでした」
咳ばらいをして持ち直すと、先ほどとは打って変わって真剣な顔でこちらを見つめてきた。一体何の話なのだろう。
「この休みに、婚約されたと聞きました。
その、ヴァーレクト様と」
その、はなしか。よくもう知っているな、と思いつつもうなずく。
「その、よかった、のですか?
セイット様のことは……」
セイット? やっぱりここでもまたセイットのことが出てくるのか。うーん、自覚はなかったのだけれど、これは相当やらかしていたのかもしれない。
「ウェルカ様?」
「その、良いも悪いもないのですけれど……」
「そう、なのですか?
でも、その、とても仲がよろしかったでしょう?
ですから、てっきり」
何が、とはっきり言うことはなかったがなんとなく察してしまった。でも、状況的には完全には否定できないのが厄介なところなんだよね。
あわてて準備をして、そしてさっと着替えも済ます。さすがに学園でもないのに制服でお茶会は失礼だからね。これはお昼を食べる時間はあるか?
「ウェルカ様、準備が終わりました。
食堂へまいりましょう」
おそらく今までで最速で準備を終わらせると、すぐに昼食だ。こんなにもバタバタとするのは完全に優雅さとは離れているが、まあ誰も見ていないからありとしよう。
すぐに食べられる昼食を準備してもらって、食後のお茶も取らずに談話室に向かう。まあ、ぎりぎりセーフだろう。
「まあ、またお待たせしてしまいましたか?」
ふう、と談話室で腰を下ろす。その直後にエリオベラ様がやってきた。
「いえ。
ちょうどいま腰を下ろしたところです」
あら、とエリオベラ様は軽やかに笑った。先ほどお会いした時はずっと固い顔をされていたから、よかった。行きましょうか、というと私たちはさっそく部屋へと向かうことになった。
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「とてもおいしいですわね!
このお茶もとても珍しい。
このように酸味があるものは初めていただきました」
お菓子が好きなのかな、とは思っていたけれど、どうやらお茶も好きだったようだ。またもやエリオベラ様は饒舌になっていらっしゃる。
「と、お茶のお話をしている場合ではありませんでした」
咳ばらいをして持ち直すと、先ほどとは打って変わって真剣な顔でこちらを見つめてきた。一体何の話なのだろう。
「この休みに、婚約されたと聞きました。
その、ヴァーレクト様と」
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「その、よかった、のですか?
セイット様のことは……」
セイット? やっぱりここでもまたセイットのことが出てくるのか。うーん、自覚はなかったのだけれど、これは相当やらかしていたのかもしれない。
「ウェルカ様?」
「その、良いも悪いもないのですけれど……」
「そう、なのですか?
でも、その、とても仲がよろしかったでしょう?
ですから、てっきり」
何が、とはっきり言うことはなかったがなんとなく察してしまった。でも、状況的には完全には否定できないのが厄介なところなんだよね。
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