姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

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2章 学園生活

174話 クラスメイトの態度(2)

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 そこからしばらく、なぜかクラスメイトには多少おびえられながら過ごすことになった。アンティーナもあれ以来直接来ることもなく、まあ一応は平和な日々を過ごしている。でも余計に私の耳には届かなくなった噂話がどのように、どこまで広がっているのかが全く分からないのはある意味怖い。警戒しようがないのだ。

 エリオベラ様ならば何か知っているかも、と尋ねても大丈夫としか言ってくれない。何が大丈夫なのか、せめてそこを説明してもらいたいのだけれど……。

「と、言うことがあったのです」

 そんな私は実技の時間にマンセルトさんに相談することにした。彼も何か知っているかもしれないと思ったのだ。そして話してくれるのではないか、と。

「何かご存じではありませんか?」

 そう口にすると、彼はあからさまに目をそらした。なんとも気まずそうな顔だ。

「あの、本当に知りたいのですか?」

 本当にって⁉ そんなにまずい内容なのですか……。それでも、と私は慎重にうなずいた。

「あくまで聞いた話です。
 どうやら先日の事故の件で、あなたと同じチームの人が呼び出されたらしくて。
 話を聞くだけではあったのですが、なぜかそこに宰相もいらっしゃったようです。
 そこで、公爵家の娘を故意に傷つけることがどういう意味か本当にわかっているのか、と言われたそうでして……」

 なるほど。それは真っ青になって謝りにも来るよね。学園は基本的に平等を謳っているから普段はあまり身分差を気にしないからね。

「ありがとうございます。
 でも、やっぱり彼らがあんな行動に出たのはアンティーナの話が原因なのでしょうか……」

 今思い浮かぶのはそれくらいだ。それを口にするとマンセルトさんはなんとも言えない顔をした。

「それは大いにあると思います。
 その、ウェルカさんはみんなにとって触れずらい存在でして……。
 畏怖と、嫉妬の対象と言いますか」

 触れずらい? 畏怖? 嫉妬?
 一体どういうことだろうか。私は特に怖がられることはしていないはずなのに。

 首をかしげていると、マンセルトさんはこちらを見ずに視線を伏せていることに気が付いた。確かにこれは本当に言いずらいことなのだろう。それでももう一度口を開いてくれた。

「ウェルカさんは僕たちよりも3歳も年下なのに、誰よりも頭がよくて、誰よりも魔法の才に恵まれている。
 どうしても嫉妬せずにはいられないんです。
 そんなときに聞こえてきたのが、義妹をいじめていたという噂だったんです」

 そこで言葉を区切る。ううん……。わかるような、わからないような。嫉妬するくらいなら、きっと勉強した方が早いよね?
 そんな私にマンセルトさんは苦笑していました。

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