あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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十一章 学園生活1-3

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 さてさて、テストの結果ですが……。

「同点、ですか」

 まあ、私としては勝ち負けはどうでもいいんだけれど、これはまたうるさそう。

「二人とも満点だなんて、さすがですね」

 そう、今回はなんとか満点をとることができたのだ。今までは毎回凡ミスするせいでいくつか点を落としていたんだけれど、今回は大丈夫でした。まあルイ王子も同じように満点を取ったからもちろん同点で1位でした、と。

「でも、城で私たちに勉強を教えてくれた人が感謝していましたよ」

「誰に、ですか?」

 それをどうして私に言うのかわからなくて、つい聞き返してしまう。するときょとん、とした後になんだか苦笑されてしまった?

「もちろん、アーネさんにですよ。
 ライバルができたことで、より一層ルイが勉強に力を入れている、って。
 今までは少しやったらできるようになってしまうこともあって、あまり真面目にやっていなくて」
 
 なるほど。適当だった王子がちゃんと勉強するようになったから感謝している、と。

「でも、私は何もやっていないですよ?」

 そもそも接点自体あまりないしね。そうやって否定するといいえ、と言われてしまう。

「魔術の分野ではどうしてもかなわないからって、帝王学にも以前以上に力を入れ始めたのです。
 先生が言ってもなかなか変わらなかったのに、と言っていました」

 それはそれで問題あるよね? 今まであまり噂を聞いていなかったけど、実情はそんな感じだったのか。

「ふふ、これでひとまずは安心です」

「安心、ですか?」

 嬉しそうにほほ笑むルカさんについ首をかしげてしまう。まだ初等科だしそんなものだとは思うんだけれど。

「今、私の兄弟はルカしかいませんから」

 うん、そうだよね。それは知っている。……、ああ、そうか。つまり現状陛下の後を継げるのはルイ王子しかいない。それは真面目に勉強しないと周りはハラハラするわけだ。
 なんだかいつの間にか役に立っていたようで何よりです。

「それに来年度は……」

「来年、ですか?」

 何やらにやにやとしながら、しかも中途半端に言われた言葉が気にならないわけがない。聞き返すと、いえ、といった後に来年度のお楽しみです、と言われる。いや、楽しみというか不安しかないのですが。
 


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