あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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五章 学園生活 1‐1

67 フルトの視点

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 僕には大切な家族がいる。
 かっこよくて、だれよりも尊敬してる父様。
 優しくて、いつでも僕たちをそっと見守ってくださっている母様。
 才能に溢れているけど、決してそれを自慢げにしないかわいい妹。
 そして、少しやんちゃだけど、素直なかわいい弟。

 父様は仕事が忙しく、家には基本的にはいない。
 だから、長男である僕がしっかりと家族を守らなければいけない。
 母様もアーネもリュラも、みんなのことが大好きだから。

 学園の入試の日、僕は本当にうれしかったんだ。
 母様の光属性と、父様のオリベルト家に伝わる他人の魔法を消す属性を引き継ぐことができたことが。
 だって、この二つの属性を持っていると助けられる人が大勢いそうだから。
 このことからか魔法特進科にも合格したけれど、僕の気持ちは決して揺るがなかった。
 はじめから、ただ騎士特進科を目指していたから。
 だた父様のあとを継ぐために。
 僕の両親は本当に優しい人で、たとえ父様の魔法属性を継いでいても好きな職種を選んでいいのだと言ってくれた。
 だがら、この道は自分で選んだ道だとはっきりということができる。
 本当に両親には感謝しているんだ、このこと。

 そんな僕の心配事といえば、アーネのことが多い。
 その理由は上げるときりがないかもしれない。
 アーネは母様ゆずりでもある美貌の持ち主なのに、本人は全く自覚なし。 
 魔法の才能に至っては、ほかと比べる必要もないほどに突出していた。
 あんなにも幼い時から、魔力暴走を起こすというのがどれほどのことなのか、当時は知らなかったけど今ならわかる。
 初めてそれを起こしてから、たびたび高熱を出しては寝込んでいる妹を見守るしかできないのはつらい。
 元気な時だって、アーネは本当に頑張り屋で、決して自分の才能を過信することはない。
 もしかしたら、僕が心配する必要は一切ないのかもしれない。
 だからか、一緒にいる時くらいは思いっきり甘やかしてあげたくなるんだ。
 その気持ちは周りからなんと言われようと変わることはないだろう。
 そんな僕の態度に少し戸惑いながらも、ちゃんと反応してくれるアーネは本当にいい子だと思う。
 だから、つい友人たちに自慢したくなるのは仕方がないことだと思うんだ。
 一緒に学園でお昼を食べるのが楽しみだ。

 リュラも心配な面はあるが、甘えることを知っているし、まあ大丈夫だろう。
 剣の修行も始めたみたいだから、今度僕も一緒にやろうかな、なんて考えている。

 今、アーネは高熱を出して、寝ているという。
 最近は少し落ち着いてきていたからと、安心していた面もある。
 心配で何度か足がアーネの寝室へと言ってしまうが、扉をあけることは決してしなかった。
 どうか、早く良くなってほしい。
 
 
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