あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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五章 学園生活 1‐1

90 アーネ父の視点

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    さて、どうしたものか......。
    自室の机に手をつき唸ってみても、問題はなにも解決してはくれないのはわかっている。
    たが、少し整理する時間が欲しかったのだ。

    アーネミリアには相変わらず驚かされることばかりだ。

    初めは、まだ幼かったにも関わらず魔力暴走を引き起こしたことだった。
    普通、例え魔力が高い人でもそれを起こすのは学園に入ってから、8歳より後のことだ。
    はじめてアーネの魔力が普通の範囲内に収まらないと知ったとき、この子は何歳まで生きられるのだろうか、そんなことを考えた。
    過剰なものは本人にとって毒にしかならないだろう、と。

    そんな心配をよそに、アーネミリアは、すくすくと育ってくれた。
    魔力暴走による高熱は度々起こしてはいたが、毎回きちんと耐えてくれた。
    いつからだろか、あの子が高熱をだして魔力を外に放出する度に魔力の相殺を行わなくては行けなくなったのは。
    本当に年齢に見合わない魔力量で、いつ私の魔力で相殺が効かなくなるのか、そんな心配事も増えた。
 
    家には中々帰って来ない私のことを果たして父と認めてくれているのか、それはわからない。
    だが、フルトもアーネミリアも、そしてリュラも私の子とは思えないほど立派に育ってくれている。
    それだけで私には過ぎたことだ。
    だから、なるべく子供たちのやりたいようにやらせてあげられるように全力を尽くそう、そう考えていた。

     アーネミリアが今日持ち込んだ、弟子入りの話とこの石。
    これはまた私を驚かせた。
     このような年齢でまさか、弟子にならないかと誘われるとは考えてもいなかった。
    確かに、いつかは必要になると考えてはいたが。
    それも、チェストからの誘いだという。
    これ以上にいい話はないだろうと思った。
    だが、あくまでもこの話は本人の意志が大切だ。
    そう思ってアーネミリアに聞いてみると、弟子入りしたいという。
     ならば、私が否定するはずがなかった。

    石もチェスト先生から貰ったものだという。
    魔力を貯める石自体はあまり高価なものではないが、これほどのものとなるとそれなりにするはずだ。
    そんなものをアーネミリアのために躊躇いなく渡してくれたことがとてもありがたかった。
    石の質、魔力の質が共に最高ランクのこれは誰だって喉から手が出るほどに求めるものだろう。
    こんなものの精錬を頼めるのは一人しか思いつかなかった。
    フルトにとってもこれ以上ない最高のプレゼントになるだろう。

    後は変なやつに目をつけられないよう、あいつらを、見張っておかなければ......。

    さて、アーネミリアのために手紙を書くとしようか。
  
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