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申し訳ございません、同じ話を投稿していたので、削除後に改めて5話を投稿いたしました。
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「リーア、よく聞いてほしい」
お兄様が真剣な顔でそう切り出したのは、それから数日後のことだった。ひとまず、命に別状はない。戦場では見事な勝利を収めてきた。私が知ることができたのはこれだけ。ようやくお兄様から話を聞けるのだと思うと、むしろ安心したくらいだった。
「はい」
「アルクフレッド殿下が向かわれた戦場は……、かなり厳しい状態だった。
それはお前もわかっていると思う」
「はい」
リューフェリック王国が参戦したと聞いた時から、それは理解していた。もしかしたら、勝利を収めるのも難しいかも、と思うほど。だが、なぜか私は、その事実がアルクレッド殿下を傷つけるとは思っていなかったのだ。
「厳しい状況で、アルクレッド殿下は勇敢にも立ち向かい続けた。
そして、見事に勝利を、我が国の平安をもたらしてくださった」
「はい」
一向に本題に入らない。一体お兄様は私に何を告げたいのだろうか。
「だが、殿下が負われた傷はかなりひどいものでな……。
すべての関係者の合意のもと、アルクフレッド殿下は廃嫡されることが決まった」
ひゅっと、音が聞こえた気がした。それが自分が発した音だと気がついたのは、一拍遅れた後。こちらを気づかわしげに見ながら、お兄様の言葉は続いた。
「立太子されるのは、カルシベラ殿下だ。
そして……、お前はアルクフレッド殿下との婚約を解消したのち、カルシベラ殿下と婚約することになる」
「は……?
一体何を……?」
私とアルクフレッド殿下の婚約を、解消? しかもカルラと婚約? 人を何だと思っているの。一気に怒りがわいてくる。それがどうしてかなんて、考える余裕はなかった。
「我が家がリーアとの婚約を許可したのは『王太子』と、だからだ。
それに、現状王妃教育を終えているのがお前だけ、という理由もある」
「そんな、理由で……」
そんな理由で私を翻弄することも許せないけれど、そんなに大切なことを私に相談なく決めるなんて。あまりのことに言葉が出ない。そんな私の様子に、お兄様が探るような眼を向けてきた。
「お前は……、カルシベラ殿下が好きなのではなかったのか?」
「何を、仰っているの?
確かにカルラは、カルシベラ殿下は大切な人です。
でもそれは、幼馴染として、友人としてです」
「なら、アルクフレッド殿下は?」
その言葉に、どうしてか私は何も返せなかった。意地悪でわがままで、だから嫌いだとそういうだけでよかったのに。黙ってしまった私に何を思ったのかわからないけれど、お兄様は私の頭を優しくなでてくれた。
「もしも、お前が望むのなら……」
そのあとに続く言葉に、私はよく考えた後うなずいた。
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「リーア、よく聞いてほしい」
お兄様が真剣な顔でそう切り出したのは、それから数日後のことだった。ひとまず、命に別状はない。戦場では見事な勝利を収めてきた。私が知ることができたのはこれだけ。ようやくお兄様から話を聞けるのだと思うと、むしろ安心したくらいだった。
「はい」
「アルクフレッド殿下が向かわれた戦場は……、かなり厳しい状態だった。
それはお前もわかっていると思う」
「はい」
リューフェリック王国が参戦したと聞いた時から、それは理解していた。もしかしたら、勝利を収めるのも難しいかも、と思うほど。だが、なぜか私は、その事実がアルクレッド殿下を傷つけるとは思っていなかったのだ。
「厳しい状況で、アルクレッド殿下は勇敢にも立ち向かい続けた。
そして、見事に勝利を、我が国の平安をもたらしてくださった」
「はい」
一向に本題に入らない。一体お兄様は私に何を告げたいのだろうか。
「だが、殿下が負われた傷はかなりひどいものでな……。
すべての関係者の合意のもと、アルクフレッド殿下は廃嫡されることが決まった」
ひゅっと、音が聞こえた気がした。それが自分が発した音だと気がついたのは、一拍遅れた後。こちらを気づかわしげに見ながら、お兄様の言葉は続いた。
「立太子されるのは、カルシベラ殿下だ。
そして……、お前はアルクフレッド殿下との婚約を解消したのち、カルシベラ殿下と婚約することになる」
「は……?
一体何を……?」
私とアルクフレッド殿下の婚約を、解消? しかもカルラと婚約? 人を何だと思っているの。一気に怒りがわいてくる。それがどうしてかなんて、考える余裕はなかった。
「我が家がリーアとの婚約を許可したのは『王太子』と、だからだ。
それに、現状王妃教育を終えているのがお前だけ、という理由もある」
「そんな、理由で……」
そんな理由で私を翻弄することも許せないけれど、そんなに大切なことを私に相談なく決めるなんて。あまりのことに言葉が出ない。そんな私の様子に、お兄様が探るような眼を向けてきた。
「お前は……、カルシベラ殿下が好きなのではなかったのか?」
「何を、仰っているの?
確かにカルラは、カルシベラ殿下は大切な人です。
でもそれは、幼馴染として、友人としてです」
「なら、アルクフレッド殿下は?」
その言葉に、どうしてか私は何も返せなかった。意地悪でわがままで、だから嫌いだとそういうだけでよかったのに。黙ってしまった私に何を思ったのかわからないけれど、お兄様は私の頭を優しくなでてくれた。
「もしも、お前が望むのなら……」
そのあとに続く言葉に、私はよく考えた後うなずいた。
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