空回りばかりの思い、その先は

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番外編: 麻木の気持ち(前) (麻木視点)

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    個々の性格をもった高性能なAIを作ろう。
    そんな話が立川に持ちかけられたのはもう随分と前のことだ。
    その時はまだ空想で終わってしまうような話を本気でしていた彼に惹かれて、僕は安易にその話に乗ってしまった。
     
     日夜様々なことを話し合い、一つ一つ問題をクリアしていく中で、AIは実在する人物の記憶をコピーして、そこから作り出そうという話になった。
     1から人格を作り上げるよりも、ベースを元にした方がよっぽどやりやすいことがわかったのだ。
    そこで、脳から記憶を読み取りデータとしてそれをコピーする技術の開発をまず進めて行った。
    その実験が動物によって成功するころ、企業のみならず政府までがこの実験に興味を持ち始め、資金を投入してくれた。
    潤沢な資金の元、研究は順調に進んで行った。

「そろそろ、人間の脳から記憶をコピーしたいと思う」

    立川がそう持ちかけた時、断る理由などない僕は直ぐにその話に乗った。
 
「でも、実験体はどこから連れてくるんだい?」

「その人物がこれからAIのベースとなっていくのだから、ただの一般人ではだめだ。
    ある程度の教養、才能がなければ......」
   
    リスクもあるこの実験に、そんな人が参加してくれるのだろうか? 
    そんな疑問を口に出すことはなかった。


   そしてその数日後、とても嬉しそうに立川が実験体が見つかったと話してきた。
    その子は17歳の子で、とある貴族の娘だと言う。
    そのため、教養はもちろん充分なほど備わっているし、勉学の才能も武術の才能も申し分ない。
    なおかつ性格は明るく社交的、まさに理想通りの実験体だった。

    その子が実験に参加する理由なんて知らないまま、その時はただ実験を進められると僕はうかれていた。

    そうして連れてこられたのが鷹華という子だった。
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