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1章 日常になっていく日々
5話
しおりを挟むうーん、かわいい。コーネリウスもそうだったけれど、どうして小さい子の寝顔ってこうもかわいいのかしら。ふくふくとしたほっぺたをつつきたいけれど、きっとそうしたら起きちゃうわよね。が、我慢……。
「ウェルカ様、そろそろ行きませんと」
「うん、もう行くわ」
さて、本当にもう行かないとね。最近、ベルク殿下が忙しい関係でレンが私の部屋で寝ているのだ。そのためこうして毎朝かわいいレンの寝顔を見てから師団に行ける。うん、最高。まあ、でもレンにとって殿下との時間が減るのはいいことではないから、喜んでいいのかは微妙な心境だけれど。
「魔獣狩り、ですか」
少し浮かれた気分で到着した魔法師団。着くなり副団長に提案されたのは今度の魔獣狩りに同行することだった。
「ああ。
ウェルカは入団してからまだ行っていなかっただろう?
殿下が即位されたらまた忙しくなるだろうから、今のうちに一度行っといたらいいんじゃないかって思うんだ」
魔獣狩り……。顔から少し血の気が引いていくのがわかる。実はタイミングがあわなかったこともあり、初等専門部2年のあの時以降行っていないのだ。実際はそこまで強い魔獣ではなかったみたいだし、魔獣による直接の被害は何もなかったけれどあのことが自分の中で恐怖、としてこびりついてしまっている。
「大丈夫か……?」
どうしよう、と迷った結果ひきつった笑顔を浮かべることになってしまった。ああ、副団長が心配そうな顔でこちらを見ている……。
「すまない。
本当なら魔法師がしっかりと守るべきであったし、それでなくとも回復後すぐに魔獣狩りに行くべきだったのです。
じゃないと、恐怖がよりこびりついてしまう……」
恐怖が、こびりつく。本当に今の状態はその通りだと思う。今の自分の実力だったら、苦労せずに倒せるはずなのだ。訓練しかしたことないから多分だけれど。でも、どうしても怖い……。
「絶対に君のことは守る。
だから、行ってみないか?」
「わかり、ました……」
いずれは、どうにかしなければいけないことではあった。お世話になりっぱなしの副団長にそんな顔をさせる気はなかったし、どうにかしなければと思っていながら何もしなかった自分も悪い。怖いけれど、頑張らないとだよね。
「ありがとう!
場所はあの時と同じ森。
日程は後で確定した日を伝えるけれど、あまり時間を空けずに行くことになるはずだ」
「わかりました」
決めたからには頑張らないとだよね。あの時の森ならばそこまで距離はないし、準備も特にないだろう。でも、魔獣狩りに行くなら、今日は攻撃魔法の練習もしておこうかな。
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