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1章 日常になっていく日々
6話
しおりを挟む「で、結局魔獣狩りに行くの?」
「うん、そうなるわね」
その日の夜、ヴァークに今日のことを話すと驚いたようにこちらを見てきた。そんな反応することかな?
「大丈夫なの?」
「副団長が守ってくださるそうよ。
でも、あの時よりも魔法を扱うことは得意になっているはず!」
だから大丈夫、と返事をすると、それでもまだ疑わしそうにこちらを見ている。でも、そういうしかないじゃないか。
「まあ、今回は変なことをするような人もいないだろうから、そこは安心かな。
でもくれぐれも気を付けて」
「ありがとう」
普段私よりも危険な立場にいるはずのヴァークにここまで心配されることになるとは思わなかった。でも、そういえば魔獣狩りに行って、魔獣ではなく同級生の誤攻撃でけがをした私を見舞いに行った時も心配していたような?
「それが、終わったらご褒美を上げるよ」
「ご褒美?」
にやり、と少し意地悪な顔をしたヴァーク。なんだかあまりいい予感はしないよね。
「それ、本当にご褒美?」
一応確認しておこう。何だがあまりいい予感がしないのは気のせいだろうか。いや、気のせいであってくれ。
「うん。
やっぱり私たちも休まないと」
休まないと? 返答が予想外すぎてどういう意味なのかがよくわからない。そのご褒美が休み事、ということ?
「殿下がね、即位式前に少し二人でゆっくりしてくるといい、とこれを下さったんだ」
そういって見せてくれたのは、何かを記された紙。そこには即位式の少し前の日付が入っている。これって、予約表?
「温泉? があるんだって。
体にもいいからって」
「それは私たちよりも殿下に必要なものな気がするのだけれど……。
私にはしっかり休日があるしね」
それはそうだけれどさ、と返されてしまう。まあ、確かにこのタイミングで殿下が休むわけにはいかないよね。というか、休んだ方が絶対に後々面倒なことになる。ならいっそ今頑張った方がいい、と思うくらいに。
「レンはどうするの?」
「レベルナート様はもちろんお留守番だよ。
さすがに連れていくわけにはいかない」
「まあ、そうよね。
レンがいたら、あなたはいつでも勤務中になってしまうしね」
そういうと少し気まずそうに顔をそらす。その様子が少しおかしくて、思わず笑いがこぼれてしまった。ヴァークが少し顔を赤くしたままこちらを見たけれど、知らんふりです。
「それでね、久しぶりに馬に乗ろうかと思っているんだ。
ウェルカを前に乗せてね」
「!
楽しみにしているわ」
うん、これは魔獣狩りも頑張れそうな気がしてきた!
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