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彼⑤
今夜は俺だけのモノ……
しおりを挟む「今日はオレの日だから!」
楽しみに待っててくれる彼。
おかしいな。
相手には誰1人として困ってないはずなんだけど。。。
「お前しかいないよ。」
なんてキザなセリフを吐くんだろうか?
ドラマの撮影の延長線上に
生活も乗っ取っているのかもしれない。
「お前しかいない。」
あぁ、そうか。。。
やはりどうしても信じ難いが、
今だけはそうなのかもしれない。
信じ込むのはやめておこう。
私も心の保険が必要だ。
どっぷりハマる訳にはいかないんだ。
12歳も歳下なのに、
やっぱり人間は外見の年齢ではなく
中身なんだろうか?
妙にやっぱり頼ってしまう。
私は見栄を張りたいだけなのかもしれない。
本当は本心は頼りたくて仕方ないのに
姐御肌ぶりたいのかもしれない。
そんな私の邪念も、全てお見通しかのようで、ただひたすらに純粋に待っている。
身長は私より高いのに
感覚的には子犬が私の上でじゃれてるみたいでさ。
だから
始まる前はなんだか
笑ってしまうんだ。
ちょっとからかいたくなって
「ババァでもいいの?」
「やめた方がいいんじゃない?」
と軽く笑いながらおちゃらけて言ってみる。
そしたら急に
男みたいに豹変するんだ。
心臓が急に抉れたみたいに
ビリっと電流が走り、
脳内に言葉が何一つ浮かばず
ただただ彼が求めるがままに
無抵抗に降伏したかのように
何も抗えなくなる。
さっきまでのからかいの会話が
嘘みたいに
光のように消えていき、
一瞬で何もかも
持っていかれてしまう。
きっとコレは何かの
"術"かもしれない。。。
《もっと…》
そんな心の声が漏れそうになるのを押し殺してみても、
彼には全て見透かされている。
なんて無力になるんだろう?
あなたはダレなの……?
どうして、こんなにも"安心感"に包まれてしまうんだろう???
でもなんか弟みたいに見える時もあって
応援ありがとうございます!
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