歪み。歪ませ、元通り。

先々ノアル

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衝動愛情受け止め人

狂うほど愛をくれた

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それから桐原はよく僕の家に来るようになり、学校も休むようになった。
抱きしめたりキスしたり。辛かった話を聞いたり。

桐原は少し休む事が必要なんだと思う。僕はすっかり桐原に溺愛し、この時間に多幸感を覚えていた。

色んな事がどうでもいいと思う事も少なくなって、学校へ行かなかった理由も今じゃわからない。

それこそどうでもいいじゃないか。

桐原が学校へ行かなくなった反面。僕は少しずつ学校へ行くようになった。


「なぁ、斉藤あのさ」

「ちょっと待って、宿題やんなきゃ。」

「…あー!キスとかじゃねえよ!…その、俺の事、あの、名前で呼んでよ。」


想像を超えるピュアさに笑いながら答えた。


「え、いいよ~。俺も名前で呼んでよ。冬樹ってさ」

「あ、えっと、じゃあ。冬樹……キスして……」


ほんと、こいつ甘えるよなぁ。



「あーあ。宿題やんなきゃって言ったのに、しょうがないな。」


僕から桐原に唇を押し当てて、軽く触れた。
上唇を舐めて、なぞり…そのままピチャっと音を立てて舌を入れる。そして桐原も舌を絡めてきた。グチュグチュと聞こえる音に興奮する。


お互いが熱くなる。


「…んっ、ふぅ、んっあ……」

気持ちよさそうにしてる桐原の舌から離れた。
僕はとろんとした顔の桐原の頬を、両手で抑えて。


「……好きだよ蒼斗。」



途端に桐原の顔が赤くなる。
本当に可愛いな。

宿題とかどうでもいいか。


「あ、な、名前。…すげー嬉しい。照れるなぁ。」

「なら良かった。…ねぇ蒼斗、お前…勃ってる?」

「ええ…!いや勃ちそうではあるけど…。あの、冬樹は、いいの?…そういうの気持ち悪く…無いの?」


「はぁ。キスしてる時点で今更だよ。むしろ僕、ディープする時毎回勃ってたよ。」


「え、ええ…!言ってよー!」

「じゃあこれからは言うようにする。…あ、フルで勃った。…ねぇ、シゴいてよ。」


僕は自分からベルトを外しズボンを脱いだ。
スラックスでも分かるようなあそこの形が、脱いでからよりくっきりとしている。
そして我慢していた汁が少し染みていた。


「うわぁ…うわ、やばい。俺も勃っちゃった。エロすぎ。こんなの初めてだから、本当にやばい。」

そういいながら蒼斗は僕の股間に手を伸ばして、パンツ越しにしごきあげる。
運動部だったごつい手が、僕に快感を与えてくる。


「んっ…んぁ……なに、着衣が好きなの?…蒼斗くんは…」

僕が裏筋の弱いところをしごかれた時に「んあぁっ!」と喘いだので、そこを執拗に攻めてきた。
汁が溢れてグチュグチュと混ざり合う。
パンツごとシゴいているので多少の気持ち悪さもあるが、それでも気持ちいい。

ラストに入ってあまりの気持ち良さに腰を浮かせると、蒼斗が思い切りシゴいてフィニッシュした。

「はぁはぁ。…やば、気持ちよかった。」

「こうしてると、ほんとさ。俺が冬樹の家に突撃訪問して良かったな~って思う。」

「ははっ、僕は出る気無かったのに、あんまりにもうるさいし、お前が来るなんておかしいと思ったから出ちゃったよ。」

「ほんと出てくれなかったら俺死んでたかも。」

「その時にお前が死んでても、僕は全く悲しくなかっただろうな~。」



「うわ!ひでー。俺はお前が自殺とかしたらマジで泣いてたと思う。…でも今はさ、お前学校も行ってるし。俺より全然凄いんだよな。」


「…そうだ。言おうと思ってたんだけど、学校。明日からお前も行くよ。…僕と一緒に。」


蒼斗が目を見開く、今となってはよく見る顔だ。

「や、やっ、無理だよー!!俺、だって、ゲイって多分クラス中にバレてるよ!!…せっかく冬樹も学校通えてんだし、俺が行ったらぜってー迷惑になる!」

「…いいのいいの、クズ同士。最高のカップルじゃん。他人なんかどうだっていいよ。僕らだけで、いいの。気にしないの。ずっと、周りなんか見なくていいの。」



きっとそうじゃないとお前は、一生幸せになれないだろうから。

僕が作る幸せに、お前を導いてやる。











end

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