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決まっていた運命の
発覚
しおりを挟む僕とヤンは迫ってくる敵兵から、じりじりと後ずさる事しか出来なかった。
どんどんリザルトの方へ近づいていってしまう。
あまりに最悪すぎる展開だ。
すると、ヤンが大きく声を放った。
「…すぅ。………聞こえるかっ!!!リザルト!!お前の為に帰って来てやったぞ!!!!」
…どういう事だ。
僕はヤンが何をいってるのか分からない。
だが少なくとも前方にいるリザルトには聞こえていたらしく、ワナワナとおどけていた。
リザルトが完全にこちらを捉えた。
なぜか満面の笑みで見つめてくる。
「…なっ、ヤン…!お前、ヤンなのか!!よくぞ帰って来た弟よ!!!!!!!はやくこちらに来るのだ!!」
いっ、意味がわからん!
なんだなんだあのリザルトの微笑ましい感じは!
ヤンは憂鬱そうな顔をして奴に目を向ける。
「…おいヤン。お前どうして隠してたんだ。な、何が何だか…」
「すみませんユーリテスト様。私の生い立ちは王様に「絶対に誰にも言うな」とご命令を受けておりまして、今の今まで言えずにいました。こんな形となってしまったことをお許し下さい。」
淡白にそう答えるが、僕が聞きたいのはこんな事ではない。
聞きたい事は山ほどある!!
だが聞く暇もなく。するとリザルトが手を挙げ大声を上げた。
「貴様ら下がれ!!銃をおろすのだ。護衛は残れ、それ以外は速やかに退散せよ!」
「「はっ!!」」
あそこまで僕らを追い詰めていた兵達が、次々に退場していく。
僕らが夢にまで願った事だが、それはあまりにも遅すぎた。
リラはあのまま…
僕はそれを思い出すと、怒りが滝のようにあふれた。
「…リザルト。お前!!!ふざけるな!!なぜリラを殺した!!お前らはどうしてミューフォリアを!僕らが一体なにをしたって言うんだ!」
力任せにリザルトへ飛びかかる。
もちろん剣も持っていないし、勝てるはずはない。
それでも飛びかかる。
あまりに急な攻撃だったが、リザルトは体をひるがえして即座に避けた。
そして腕を掴み、引き寄せる。
「そう…可愛い顔で泣くのではないぞ。今すぐに犯したくなる…。」
リザルトはその瞬間、どんどん顔を近づけてきた。
ああ…この感じは駄目だ。
「…っが!?!おいヤン!なにをする!!黙ってみてろ!」
…あっ、そうだヤンが!!!
どうしよう。ヤンの顔が見れない。
「離れろクソ野郎。…ユーリテスト様は俺のもんだよ。なんでテメーはユーリテスト様に惚れてんだ。」
その声色と口調は、明らかにキレていた。
僕は必死に頭を働かせて、とりあえずリザルトから離れようとする。
しかしリザルトはさっきよりも強く僕を引き寄せた。
「なるほど、兄弟は近い感性を持っているのかもしれないな。……だがすまない。俺とこいつは運命の番だ。必ず結ばれる。」
あ…あ
言ってしまった…。
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