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しおりを挟むあの人について分かったことは3つ。
1つ目
部活に入ってるみたいだから、帰りの電車は被らない
2つ目
あの人は僕と同じ3年らしい
あそこの学校は校章の色が学年で違うから、すぐ分かった。
そして3つ目
(あ、またやってる…)
あの人は右手で自分の頭をがしがし掻く。
多分、伸びすぎた髪の毛のせいだと思うけど。
この癖は夏から秋にかけて分かった。
時々するので、やり始めるといつも笑ってしまう。
今日も僕はクスクス笑ってあの人を見ている。
「間もなく電車が到着致します。お乗りのお客様は――」
…来た。
いつも、あの人が乗る電車より僕が乗る電車が先に来る。
だから僕は、あの人に目で『いってらっしゃい』って言ってから乗る。
これが、僕の日常。
でも、それももうすぐ終わろうとしている。
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