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しおりを挟むそれからは、本当に毎日が過ぎるのが早くて。
入学試験は無事合格。
両親にお礼を言ったら泣いてくれた。
それから一緒に先生へお礼を言いに行って。
友だちとも喜び合って、たくさん笑って。
あっと言う間に卒業式で。
「私たちも参加するから、お父さんの車でいきましょう?」と言う母をなんとか説得して
僕はいつも通り、駅のホームにいる。
トシさんの学校は今日が卒業式じゃないみたい。
いつも通り、相変わらず眠そうだ。
右手でがしがし頭をかく癖がさっそく見れて、思わず笑ってしまった。
ねぇ、トシさん。
あなたに片思いして、勝手に終わっちゃってから、僕は毎日がすごく楽しいんだ。
両親や先生のことにも気づけた。
そして何より、これから行く高校で夢を見つけるのがすごく楽しみで。
ちょっと前の僕だったらこんなこと絶対あり得なかったんだよ?
トシさんが、僕を変えてくれた。
(まぁ気づいてないけどね)
クスクスと笑ってしまう。
今日で、もう会うことは無いと思うけど
僕、トシさんは絶対サッカー選手になれると思うんだよね。
サッカーしてるところとか見たことないけどさ、大丈夫だと思うんだ。
だってトシさんだもん。
見ず知らずの僕をこんなに変えてくれたトシさんなら、きっと大丈夫。
だから、夢に向かって羽ばたいて
いつか、僕にも夢ができて、それに向かって頑張る途中で、また出会えたら
その時は、挨拶してもいいかな?
(うぁ、泣きそうやばい)
トシさんの姿が少しづつ霞んできた頃に
―――間もなく、電車が到着いたします。お乗りのお客様は○番乗り場に―――
ちょうど僕が乗る電車がやって来て
あまりのタイミングの良さにちょっと笑ってしまって。
ギュッと思いっきり目をつむって、パッと開けて
(ばいばい、トシさん)
綺麗な視界に映るトシさんに精一杯のさよならを言った。
そうして、僕は中学校を卒業した。
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